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2018年11月26日23:51

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《ハンバーガーの思い出その4》《ちー+! 43》

《ハンバーガーの思い出その4》

昭和終盤、マクドナルドは通称『サンキューセット』なるセットメニューを生み出し、世界はどうだか知らんが日本中のハンバーガー好きを唸らせた。
呼び名から想像できるその価格は390円均一。
今なお健在となるセット内の3点は『メインハンバーガー』『一部を除いた飲料』そして『ポテト』という品揃えだが、注目すべき点は対象のメインハンバーガーのそれぞれに設定された価格を無視した一律390円という所にある。
例えば『メイン+ドリンク+ポテト=450円』でも390円。600円でも390円。550円でも390円。280円でも390円?
ビックマックなどの飛び抜けた価格(当時単品500円あたり)に関しては対象外の扱いだったものの、ほとんどのメイン商材が対象となっていたわけだから、喜ばれない筈がないサービスだった。
とりわけ嬉しいのは、『とりあえず400円持って行こう』という気持ちに落ち着けるところで、子供ながらに限られた小遣いの計算をあーだこーだ考える必要がないのは素直に嬉しかった。

さて、真似したがり大国日本。そんなマックを出し抜こうとする企業が続々と…出て来ない…。
あ、いた!『ロッテリア』!
この企業だけは全面的にマクドナルドに対抗意識を燃やしていた!

という事で、今回は『ロッテリア編?』

日本国内でブイブイ幅を利かせる大手ハンバーガーショップと言えば、当時では『マクドナルド』『ドムドムハンバーガー』『ロッテリア』『モスバーガー』の4社。
『ウェンディーズ』は販売スタイルが異なるため、上記のような特定価格によるセットサービスに適せず、『バーガーキング』に関しては日本上陸前の話だ。
つまり、大手どころは全4社。

そんな4社中、『モスバーガー』はファストフードのような外見ではあるが、実はレストランスタイルであるため、品質・味・見た目等の演出を重視する意味があって…かどうかなんて知る筈もないが、マイペースを維持して相手にせず。もともとスピード勝負には向かないため、品質低下を気にしたのかもしれない。
次に『ドムドムハンバーガー』。もともとレア度の高い企業と言えば失礼だが、当時はこの辺で聞いた事も無いショップであり、コマーシャル等も目にしたためしがなかったため、恐らくは県内に店舗を有しない当時だったと思われる。

となると、マクドナルドに全力で対抗する事になるのは『ロッテリア』1社。
こいつぁ凄かった。コマーシャルが。
『ロッテリアのサンパチ!』のキャッチフレーズを思い出せば、必然的に男女のあの声が蘇る人も多いのでは? と、尋ねたくなるほどに宣伝の方は活発だった。
気になる値段はと言えば、あからさまにマクドナルドに競争を意識した380円。
昔から思うのだが、どうして企業はライバルの『ちょっと』上を行きたがるのかが気になる所であり、同時に気に入らない。どうせらるなら追随不能な金額差を設ければ良いと思うのだが…。
とはいえ、あれだけのCMを流すとなれば相当の店舗数を保有していると思われたのだが、どうやら俺の住む近辺はロッテリアが気に入ってくれないらしく、それらしき店舗が本当に無い所が非常に悔やまれた。

初めてロッテリアを発見したのは『380円セット』なんて遥か過去となった、10年以上後の話だ。
せっかく見付けたので入ってみると、マックやモスのメニュー表に見慣れていたせいか、写真の存在しないメニュー表を眺めても今ひとつピンと来るものがなく、結局無難に思えたなんだかのハンバーガーを購入し、値段の割には冴えない味わいだったのを覚えている…。
慣れればそれなりの味わいを見出す事は可能なのだろうが、片道10キロを移動し、駐車場料金まで払って買いに行く価値までは無さそうに思えたので、結局はそれきりだ。

それはそうと、確かロッテリア特有の年に1回(?)のイベントに当たっていたらしく、当時では初となる『ご褒美バーガー(だと思った)』なる限定メニューが飾られていた。

なんだか見た目はチーズごちゃごちゃのハンバーガーだったが、そういった意味不明なものを欲する性格なのも俺なワケで、当然ながら相当の物欲に駆られたものだが、考えてみればバーガー一つに4ケタ値段もなんだかなぁとも思え、結局は食する事も無く退店。奴の敗因は『サイズ』だ。実物がどんなんだか知らんが、バンズは少なくとも通常サイズだった所が値段ばかりの存在感という結果に至ったのだ。

今ではCMすら見る事がなくなって久いいロッテリアだが、どこぞの地域では立派に活躍中なのか、そのショップに対するファンは多いらしく、たまに噂を耳にするな。

もっと近くにあればなぁ…。


《ちー+! 43》

第一章 仲間たちとの行進曲 3-5

【魔法都市ペナ・リノ [南部]】
『ペナ・リノ 南部第三公園』

 チータスを中心とした再会の挨拶が長引きそうな予感を察知したスケクとアッベシは、関係者の気を遣う意味で旅館前の公園に身を移した。
『ペナ・リノ 南部第三公園』
 木で作られた看板にはそう書かれており、この場所が南部に複数存在する公園の一つだという事を知らされる。
 公園という割には子供たちが喜びそうな遊具は少なく、どちらかと言えば落ち着いた雰囲気が大人向けの作りではあるが、ここら一帯のシンボルと表現しても差し支え無さそうな大きな噴水は、夏場の子供たちの格好の遊び場となる存在ではありそうだった。
 表の繁華街とは異なり、商店の少ないこの周辺の人数は少ないようで、落ち着いて話をするにはもってこいの場所でもあるようである。

 どこかの巣にでも戻るのだろうか、遥か上空に見える2頭の飛行生物は、そろそろ迎える夕方の太陽を浴びて小さな影としてしか認識できない。
 そんな影をぼんやりと眺め、考えてみれば移動を開始してからというものの、常に身近に居たチータスが少しばかり離れている事に気が付き、アッベシは普段では…、特に、リーダーであるラウニーの目の前では出来る筈もない『今現在のチータスの印象』をスケクと照らし合わせる事にした。
「…チータス殿ですが、これまでの移動時間を通じてどう感じます?」
 本来、国の命令で任務を遂行するにあたり、その対象が客人などの場合には相手を評価する事などご法度な対応そのものなのだが、そういった内部の常識を覆してでも確認したいほど、アッベシから見る『チータス・レジエン』は異例の存在だったのだ。
 恐らく、この質問に対するスケクの反応は怒り心頭とまでは程遠くとも、軽く咎められるであろう事はある程度承知していた。…が、実際は違った。
「あべしも気になった? 何か変わってるよね、あの子…」

これまでも国王や重役たちの定める重要人物の同行任務を行った経験は数多いが、その全てに類似経験が当てはまらないチータスとは、ここの2人に限らずラウニーやダーマンも違和感を覚えている事だろう。その理由が相手の幼さから来る事も確かにあるのだろうが、それだけでは説明し切れない、普通とは異なる何かがある事だけは理解出来た。
 少しの間、2人はそんなチータスについての話に華を咲かせる事になる。


『ネメス城兵寄宿舎(ペナ・リノ南部第5)』

 明日以降の準備品を買い整え終えたラウニーとアッベシは、それまで付き添ってもらっていた仲間の城兵を解散させ、今はちょっとした休憩を満喫している所だった。
「今回の任務は面白みがあるな」
 寄宿エリアの隅にあるベンチに腰を掛け、幸いにもチータス護送中に世話になる事の無い自分の装備品を手入れしながらラウニーが言う。
「隊長自らが遂行中の任務評価で?」
 同じように隣に座り、こちらは町で買い込んだ自分用の食べ物を口にしながらダーマンが答える。
「評価ではない、純粋な感想だ。…お前はどう思っている?」
 ラウニーは護身用の短剣を鞘に戻すと、ダーマンの手にあるスナック菓子を一つまみして口に放り込んだ。
「あ〜…、俺の自前なのに。…まあ、アレですね、武器を持った事も無い勇者志願なんて、実際問題、考えた事も無い話ですよ。そんな人物を護送だなんて、正直気が引ける話ではありますが、反面、そんな彼女の前で実戦を見せてあげたい気持ちもありますね」
 そう言ってアッベシは素早くベンチを離れると、手にしていた剣を素振りして見せる。
「か弱い少女のナイト気取りかな?」
「実際、ナイトですって」
 いじわるっぽく尋ねるラウニーに対し、しらけるような目線で答えるダーマンは続けた。
「普通は城兵と聞くだけで煙たがられますからねぇ。チータス殿にはそれが無い。…それが無いどころか、友人…というよりも、家族のような接し方だ。普通じゃない」
「守ってやりたいか?」
「そうですね、さしずめ、あべしとは違う意味でのチームメイト…、妹かな?」
「それなら、私にとっては娘だな。年齢的に」
「同感です」
 いったん、話が途切れる。

 少しばかり小鳥のさえずりが心地よく耳に出来る時間帯が備わったが、実は2人には共通した疑問のようなものがあった。これまでの移動中にチータスの口から『ナルミ・クレーデル』という幼馴染の人物名が頻繁に出てきており、そこに引っ掛かりがあったのだ。
 2人はチータスがナルミを探しに街に繰り出した事を知らない。もちろん、今は状況が異なっているが、スケクとアッベシもその事は知らない筈だった。
「『ナルミ・クレーデル』という、チータス殿の幼馴染についてですが…」
「今はいいだろう。この街のどこかに居るようだが、これだけの人口だ。同名が何人存在してもおかしくはないだろう?」
 話を遮るラウニーは、またもダーマン自前のスナック菓子を手に取る。
「あー、だからそれは俺の…」

 多少の陰りはあるものの、チータスの知らない身近な所で、穏やかな時間は少しずつ流れていた。


《あとがき》

ハンバーガーショップに限らず、各企業の商品が一ヵ所で売られるようなショップってないのかな? とか、昔から思っている。
それぞれのショップにはそれぞれの魅力があるわけで、そんな魅力が万人に対して『魅力的』に映るからこそ活動範囲は拡大していくものだ。

でも、結局は互いが潰し合うライバル企業なワケで、当然ながら対等な気持ちで手を取り合う事なんかあるわけがなく、仮にあるとするならば『吸収』という名の自社強化術の先の話であって、吸収に至った弱者企業の中の強みを辛うじて残すくらいなものだ。

一つの店舗に複数の商品が対等に並べられていたら、俺は何を買っていいのかを随分と悩むんだろうな。

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