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2018年11月20日01:09

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#アフガン日記 2001年11月20日火 <おかあちゃん、僕、来たんやで by堀江謙一>

宿カブールホテル((ジャララバード))

いよいよ、遂に、本当に、今度こそアフガン入りである。
ボスはカンダハル入りを画策してみる、ということでナべさんと私の二人での突入である。
チャマンの福岡班もまだアフガン入りしてないようだし、一番乗りかもしれない。
まず、9時に内務省。昨日のオッチャンに挨拶して中に入る。ものの5分でパーミットが出る。お役所仕事にしちゃ早いじゃないかよ。
ナべさん曰く「こういう幸先の良い日もなくっちゃね」
でも何か落ちが付きそうな気がする。

昨日アヤがついた付き添いのガードも今日はすんなりと。
Mrファワードをアヤタバマーケットで降ろして、カイバル峠を越えて11時国境。
イミグレーションにパスポートを提示すると
「おい、お前たち、このリエントリービザだとパキスタンに戻れないぞ」
来た!これが落ちか?
「いいよ、イランにでも抜けて、ビザ取り直すから」
オイオイ、ナベさん、それは無謀ではないですか。
「No problem、行かせてくれよ」
乗っかる私も無謀ですけどね。だって国境は目の前だぜ、こっちへ戻れなくても行きてえよ。
「おお、すまん、戻れるよ。リエントリーできますよ」
びっくりさせるなよ。
で、荷物を車から降ろし、荷車に載せる。隠しカメラで一部始終を撮りつつゲートを抜ける。

アフガニスタンである。
おかあちゃん、僕、来たんやで。((海洋冒険家堀江謙一が1962年単独太平洋横断をした際サンフランシスコについた時の言葉。著書「太平洋ひとりぼっち」より))

フォト

……だが、堀江謙一と違うのは我々はここからがスタートである、ということ。
国境を抜けて、アフガンのイミグレは、……無いじゃないか。おいおい、パスポートチェックしないのかよ、荷物のチェックもないし。
国境管理事務所と思しき建物の周囲や屋根には武装した男たちがこっちを睨んで……いない、笑ってる。カメラを向けるとニコニコしながら集まってくる。拍子抜けだな。

フォト


車を乗り換えたが、やっぱりカローラ。
アフガニスタンは左右通行方向が逆になり((パキスタンは日本と同じ車両左側通行))、錯覚を起こしてちょっと怖かった。

やたら車のボディに日本語が目立つ。
「ダスキン」「株式会社中村建設」「丁字屋大阪店」「花巻市」。商用車の中古ってこの国に来てたのね。

ジャララバードへ向かう途中、国内難民キャンプ(カブールキャンプ、カブール空港近
辺の爆撃から逃げて来た人々のキャンプ)、小学校の庭での長老会議、タリバン陣地跡(爆撃済み)、ザマン司令官の記者会見等を撮影しつつ、市内へ。

フォト

フォト


さて、ジャララバードという街だが、イスラマバードやペシャワルにも増して埃っぽい。交通事情はさらに悪い。でも、道の左右の商店や露店に並ぶ生活物資や食料品は豊富
そうで、戦時下とは思えない。なんだか人々の顔もリラックスしているし。

フォト


取りあえず戦争が一区切りついたからかな。ただ、そこら歩いてるアンちゃんがAKやロケットランチャーを持ち歩いていることと、パキスタンにも増して女性の姿が少ないのが特徴だと言える。

車は結構立派なホテルへ着く。外国人ジャーナリストの姿も見える。
ナベさんとMrアマノラがしばしインフォメーションでなにやら交渉。
「宿が無い」
これが落ちかよ。

昨日のジャーナリスト襲撃事件で、ジャララバード〜カブール間は通行停止措置が取られているらしい。それで今、ここに各国ジャーナリストが溢れているのだ。
市内をうろうろ回って木賃宿に到着。カブールホテル?これがァ?
四畳半程の広さの部屋に、実にまあスプリングの効いた、あるいはスプリングだけのと言ってもいいベッドが3つ。シャワー、トイレ共同。シャワーは水のみ。
夕刻((某局))に宿の屋上からTEL。

フォト


ナべさんの電話リポートを夜ニュースで流すという。だからケチらずにTV電話渡しゃいいのによ。どうせ社員は危険なとこには行かないんだから。
でも考えてみりゃ「壊さなきゃいいのによ」とも言えるんだけどね。

晩飯を食いに食堂に降りると武装した連中で満員。我々は大注目。そんなにジロジロ見たって、食い方は変わんねえよ。それとも変わった食い方してんのかな?

で、現地時間8時。(パキスタンとの時差−30分、日本とは4時間30分。何だこの30分という半端な数字は)テレビもラジオもない。もう寝るより他無いのだ。
明日はカブールと希望しつつ。

朝バナナ3本昼ラマダン夜カブールホテルカバブライスカレー

・朝日新聞
カンダハルの明け渡し難航 タリバーン支配続く

【カンダハル州(アフガニスタン南部)20日=真田正明、カブール20日=喜田尚】アフガニスタンのタリバーン勢力の本拠地カンダハルでは、19日夜から20日朝にかけても米軍の激しい空爆があった。タリバーン当局者によると、カンダハル明け渡しをめぐるタリバーンとザヒル・シャー元国王支持派のパシュトゥン人部族指導者の交渉は進んでおらず、カンダハルはなおタリバーンが支配している。

 一方、アフガン・イスラム通信(AIP)などの報道によると、北部のクンドゥズでは20日、北部同盟が戦車などで、タリバーン軍を包囲、3日以内に投降しなければ、総攻撃をかけると通告した。19日夜には、米軍の空爆と北部同盟の攻撃により、タリバーン兵数百人が死傷した模様だ。



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