http://news.livedoor.com/article/detail/15606911/
そこは「外国語のカナ表記の『ゆれ』」ってやつで。日本語話者永遠の命題。
どうしてもカナ書きには限界があってどれが正解というのはないんでしょう。
その中で最適解を永遠に模索している状態。
明治以来、英語についてはおおかた定まっているようですが
（それでも「Roosevelt＝ルーズベルト」をケント・ギルバート氏に「Loose Belt＝緩いベルトはないでしょう」とバブル期のTV番組「巨泉のこんなモノいらない！？」でつっこまれてたりはしましたが）
他の言語についてはようやく模索の後期に入ったかという感覚。
それでもドイツ語での人名「Michael」を「ミハエル」とするか「ミヒャエル」とするか
（シューマッハは主に「ミハエル」表記、「ジムボタンの冒険」「モモと時間どろぼう」「はてしない物語〜映画『ネバーエンディングストーリー』原作〜」で知られる児童文学の大家である作家は「ミヒャエル」・エンデ）
スペインの瓶内二次発酵スパークリングワイン「CAVA」を「カバ」とするか「カヴァ」とするか
（スペイン語はｂもｖも「ｂ」の発音になるので「カバ」でいいんでしょうけど）
難しいのは英語以外の言語が英語圏に取り込まれた場合。
フランス語由来の苗字や単語はわりと元のフランス語の発音に倣う傾向にあるけど
（Grand Prixは英語でも「グラン・プリ」だしChamois~セーム革〜は「シャモア」だし大手化学製品メーカーのDU PONTは「デュポン」だし。でもCadillacは「カディヤック」じゃなくて「キャデ（ィ）ラック」だけど）
苗字もフランス系の苗字はフランス語読みに倣うことが多いけどこれはケース・バイ・ケースなのかな？
ベトナム戦争時の米空軍のエースWSO（兵装システム士官、F-4ファントムのバックシーター）Chuck DeBellevue大尉も80年代までは「デブルー＜ブ／ヴ＞」大尉と書かれてたのが近年では「ドベル＜ビ／ヴ＞ュー」大尉と表記されるようになったり。
あとは空母〜強襲揚陸艦へと引き継がれた艦名「Bon Homme Richard」。
以前は「ボンノムリチャード」との表記がよく見られたが現在はほぼ「ボノムリシャール」。
これは独立戦争時、外交官としてフランスに着任していたベンジャミン・フランクリン（ええ、雷の研究を通して電気を発見したあのフランクリンです。科学者・作家・政治家とマルチな才能を持った方なんですね〜）がフランスとの交渉の末軍艦を融通してもらったことからその艦にフランクリンが作家として著した「Poor Richard's Almanac（貧しきリチャードの暦）」をもじって「Bon Homme Richard（善人リチャード）」と命名したのが始まり。
早速カープが獲得した新外国人Kyle Regnault投手、登録上はカナ表記で「レグナルト」となるみたいだけど字面を見るとフランス系の苗字。ぐぐってみると原語に倣えば「ルニョー」と表記するケースが多いみたい。本人は米東部ニューイングランドのロードアイランド州出身。
フランス語以外ではどうか？
WW�驚罎諒導し海離札�ンドエースパイロットにAlexander Vraciu中尉（最終階級は中佐）という人が居た。
2015年に96歳で亡くなったというから結構なご長命ではあった。（晩年はアルツハイマーを患っておられたと聞く）
ルーマニア移民の子孫である彼の苗字をカナでどう表記するか？
かつて「航空ファン」誌上で彼の特集記事を書いた著者の方もそのご苦労を記事上で述べておられたのを記憶している。
「ブラシウとするかブラチウとするかブレイシウとするか」という旨のお悩みだったと記憶。その上で「ブラシウ」表記に決めたと。
ほぼ同時期に「ＮＨＫスペシャルドキュメント太平洋戦争 第３集 エレクトロニクスが戦（いくさ）を制す 〜マリアナ・サイパン〜 」（NHKアーカイブスで現在も視聴可能）で証言者として出演された際には「空母レキシントンパイロット A.ブラシュー中尉」とテロップが出ていたが。
受け手の一人ひとりがそんな「ゆれ」を上手くバッファできるといいよね、とnouveauではないBeaujolaisを飲みながら思う次第。
軽めではあるけれどペラッペラではなく基本骨格がしっかりしていながらすいすい飲めるのが好感。
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