旅をしていた狸の一行
今夜はここの宿場に逗留して
明日朝また旅立ちましょうと
仲間のタヌキと衆知一致する
旅籠の暖簾をくぐり
出てきた番頭に
今夜一晩厄介になりたいんだか…
困った顔の番頭さん
お泊まりして頂きたいのは山々なんですが
狸の金玉は八畳敷きと聞いております
それが団体さんとなると…
とてもお泊めする部屋はございません…と
古いお話しに残っております
この…話は
金箔を貼る職人さんから聞いた話である
微細な金を紙に…それをそのまま圧縮すれば破れてしまう
馬でも牛でも豚の皮でもダメで
狸の皮なら
金箔破損することく伸びるのである
因みに貼り終えた金箔の後に残る紙は
京都観光に来られた皆様なら
1度は目にしたことがある
油取り紙である
京都人は捨てるを惜しみ
なんでも商品にするたくましさがある
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