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2018年11月16日00:12

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#アフガン日記 2001年11月16日金 <ビザだ、ビザだ>

宿Ks

本日やっと「タリバン」のビザが出た。福岡氏と朱子がまず取得したが、明日の朝残り3人の分も出るということだ。

明朝8時に先発隊がカンダハルへ向けて出発。まず、イスラマバードへ向かい飛行機でクエッタへ。そこから陸路現地を目指すということだ。
同じく9時にアフガン領事館から我々の分のビザが発給。もう今後タリバンの、というか「アフガニスタンイスラム首長国」のビザが出ることなんてないよ、貴重品だよ。でも、ここまで長かったよな。丸まる2週間、ナべさんに至っては3週間以上だもんな。

今日はまず、8時にグリーンズに集合。ここにMrファワードとその兄貴だというMrコドラッドが来て、Mrファワードが先発隊をアフガン領事館へ、兄貴が我々をパキスタン内務省ペシャワルブランチに連れて行った。
連れて来てもらったがちょっとびっくり。門の前にバラックが立ち並んでいると思ったらそれが代書屋。

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門の中に入ってまたビックリ。平屋の土造りの埃っぽい建物の中で事務作業をやっているのだが、実にこれが能率が悪いというか、お役所仕事というか、中央アジア的というか、つまりは仕事が進まないのだ。

日本のお役所仕事の効率の悪さは相当な物だと思っていたが、まだまだ甘い。情報の共有化もできていて、軌道に乗ってからはある程度安心してられる部分もあるが、なにしろこっちは軌道に乗らない。
1人の人間が全ての事をやっているから待たせる待たせる。おまけにこっちの人間は、とにかく愛想がいいんだかなんだか、部屋に知り合いが来ると、とりあえず握手抱擁、そして雑談だか打ち合わせだかを始めてしまうのだ。

日本のプレスの人が声をかけて来る。
「埒開きませんなあ」
「効率って言葉知らねぇんじゃないっすか?」
苦笑いして待つしかないのだ。

グリーンズに戻って来ると、道の片側潰して皆がお祈りしている。
ラマダン(断食月)に入ったのかと思ったら単に金曜日(安息日)のお祈りだった。
そう言えば先週の金曜日は盛大なデモだったのに、今日は静かだな。タリバンの旗色が悪くなったから応援するのを止めたのかな?

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さて、カンダハルでは電力事情がよくない、ということで発発(発動発電機、ジェネレーターですね)を買いに行くことにした。
ホンダの新品が27000ルピー。値切ってみたが恰幅のいい店主、
「あきまへん。旦那、ホンダの新品でっせ、びた一文まかりまへんなあ」
私の手持ちのルピーを全部放出。この取材最大の買い物かもしれない。
「何でガソリンから電気が取れるんですか?」
朱子の基礎的な質問にエンジン構造のイロハから解説をしてしまった。でも多分理解してないだろう。ガンダムの素晴らしさを彼女に説明する、その空しさを語る岡野君((この岡野君が誰だか思い出せない))を思い出してしまった。

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いやあ、しかしこの重いのを持って行くのはたいへんだぞお。
ついでに並びの店で、ズボンを買った。遂に履き替えられる。549ルピー。

晩飯は5人揃ってシラーズレストランでMrファワードにゴチになる。
聞いてみると彼は何と26才。真面目で一所懸命で、日本人には好かれるタイプの男だよな。

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食ったのはアメリカンステーキ。目玉焼きとチーズが乗っている。イタリアンじゃねえかと思ったり。
頼むから肉の焼き具合を聞いてくれ。
しかし妙に柔らかい牛肉だった。

朝抜き昼グリーンズベーカリーのパン夜シラーズアメリカンステーキ

・朝日新聞
タリバーン、カンダハルを放棄 地元指導者に明け渡し、山岳に潜む

【イスラマバード17日=竹内幸史】16日夜にアフガン・イスラム通信(AIP)が伝えた情報によると、アフガニスタンのタリバーン勢力は、拠点とするアフガン南部のカンダハル市を24時間以内に地元のパシュトゥン人指導者2人に明け渡し、山岳地帯に撤退することになった。タリバーン最高指導者のオマール師が決断したという。この放棄決定により、タリバーンは首都カブールに続き、最大の拠点都市を失うことになり、政権の完全崩壊が決定的になった。今後は武装宗教勢力として命脈を保ち、山岳を拠点にしたゲリラ戦を仕掛けるものとみられる。


 AIPによると、カンダハル撤退は、数日間にわたるオマール師とタリバーン軍幹部を含めた指導部の協議で決まった。「米軍の激しい空爆の中で、貴重な市民の生命を守るために決断した」という。さらに「オマール師の指揮のもと、組織を守り抜くため、山岳地帯に潜む」としている。

 あらたにカンダハルを統括する権限を得たのは、パシュトゥン系部族の指導者であるナキブラ氏と、ハジ・バシェル氏。ともに、旧ソ連を相手にしたアフガン戦争の「ムジャヒディン(イスラム戦士)」だ。
 ナキブラ氏は、北部同盟指導者のラバニ前アフガン大統領が属するイスラム協会の幹部。ラバニ政権時代の94年には、カンダハル地区の司令官だった。バシェル氏はイスラム党ハリス派に属し、以前はカンダハル市の最高幹部だった。

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