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2018年11月14日00:45

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《ぬーぼ。》《ちー+! 39》

《ぬーぼ。》

ボジョレー・ヌーボー? ヴォジョレー・ヌーヴォ? なんかよくわからんが、毎年解禁だ解禁だと騒ぎになるワインさん。
騒ぐのは酒好き客ではなく、ワイン好き客ではなく、売り手側や準部する側の話。
このワインが解禁になったからといって、騒ぐ客層を見たためしがなく、ついでに言えば陳列台に入り切らずに溢れたヌーヴォだらけになっているお店も少なくない。
個人的感覚からすれば、バレンタインのチョコやクリスマスのケーキ、そしてここ数年を賑わせて止まない節分の恵方巻きと同レベルの存在感であり、価値観。それがヌーヴォさんだ。救いは製品の性質上、保存状態さえ条件に合わせれば、賞味期限が無いところかな?

初めてヌーヴォに出逢ったのはセブンイレブンのお酒を取り扱っている会社にいた時。
酒は飲めても赤ワインだけはどうしてもダメな俺がヌーヴォを知る筈もなく、みんなが『ぬーぼ! ぬーぼ!』と騒ぐ中で1人で『?』な気分。
その頃にはまだ存在したチョコ菓子『森永ぬ〜ぼ〜』の事だと本気で思ってたっけ。

そんな思い出に浸りつつ、本日迎える事になった特殊業務、ボジョレー・ヌーヴォーの出荷準備。
今やフランスさんからは日本はお得意さんと判断していると見えて、外装箱のイラストが綺麗なコト…。日本を除いた国々の『外装箱』と言えば、それこそ単なる外装。破れていようがボロボロだろうが、中身さえ守られていればそれで良いという思考なので、本来の外装箱らしく、無地の白は当然。テープベタベタ、文字だろうが数字だろうが落書きだって平気で記入される印象しかなく、今現在も同じなのだが、ヌーヴォーの箱だけギフト商品の化粧箱並みの扱いになっていた。気合が違いますな…!

…で、集荷作業。破損は許されないのでいつもとは異なる丁寧な作業なのだが、お陰でどんな店がどんな数で仕入れるのかがわかり、同時に購入客の期待値というモノも見えてしまうのだが、中には無謀な店もちらほら。

ほとんどの店が1ケースから5ケースの集荷なのに、何かの間違いなのか、それともワイン好きの店主さんなのか、20ケースとか50ケースとか…。無茶だろ。

コンビニの社会問題ではないが、自腹購入なんて事にならなきゃいいんだけどね。知った事でもないが。


《ちー+! 39》

第一章 仲間たちとの行進曲 3-1

【魔法都市ペナ・リノ [南部]】

 自由時間とされた繁華街の散策内容といえば、チータスにとって目の回るだけの時間帯となっていた。建物も店も道路も人も、全てが村とは比較にならない数となっており、とりわけ驚いたのが『音』だった。
 様々な音が入り混じる、それら全ての音が人の発する何かしらの音と知った時、チータスは全く自分の知らない世界に迷い込んだとさえ感じてしまったのだが、確実に言える事は自然を感じさせる音はどこにも存在しないという事のようだ。
 周囲の物音に圧倒され続けながらも、チータスは決して重くはない足取りで周囲を伺っては、あても無く大通りを選んで進み続けた。正面からすれ違う人々…、特に自分と同じくらいの年齢層の女性を見付けては、逐一顔をチェックする。
「チータス殿、先ほどから随分と辺りを見回しているようですが…、何かお探しで?」
 これといって話す事も無くチータスに同行するスケクとアッベシのうち、アッベシがついに声を掛けた。
こういった同行の経験だと、客人が初めての地に足を降ろした先の行動は大体が読め、行く先のほとんどは食料品店や衣服店が一般的で、戦士系統なら武具屋と相場が決まっていた。
だが、チータスは商店の全てに興味が無いような素振りで淡々と、それでも何かに集中しながら歩き続ける事に疑問を感じていたのだ。
「探し物があるなら私達にも言ってくれないかな? 手伝う事くらいは出来るから」
 アッベシに続いてスケクも声を掛ける。
「んー……、んー……」
 言葉にならない声を上げて反応するチータス。
 実はだいぶ前から2人に協力を頼み出たかったのだが、それをどう説明して良いのかが分からなかったのだ。
 チータスの探し物の対象は人である。当然、ナルミだ。
…が、声を掛けてくれる2人にはナルミとの面識がないのは説明されなくとも分かる。つまり、2人からすればナルミは『知らない人』となるわけだが、どうすれば『知らない人』を探せるように説明出来るのだろうか?
「2人とも、『ナルミ・クレーデル』って人知ってる?」
 一か八か、直球で質問するチータス。
 だが、当然ながら、2人はナルミを知るわけがない。
「『ナルミ・クレーデル』という方は、この都市の住人なのですか?」
 反対にアッベシが質問をしてきた。チータスは内心で『やっぱり知らないか』と思いつつも、出来るだけの言葉を繋いでみる。
「そうなんだ。…いや、実はね、ついこの前までベレーレルに住んでいたあたしの幼馴染なんだけど、試練の年の関係でペナ・リノに引っ越しちゃったんだ。…だから、せっかくペナ・リノに来たって言うのもあるし、…会いたくなっちゃって」
「なるほど。『ナルミ・クレーデル』ね…」
 一応は相槌をつくスケクだが、いかんせん情報が足りなさ過ぎる。人名はわかったとしても、全体の人口が12万とも言われるペナ・リノの中で1人の居場所を特定するには多くの情報が必要なのだ。このまま歩き続けたところで結果は見えており、少なくともチータスの願いが叶う可能性は無いだろう。
 スケクは2人を呼び止め、別の案に頼る事にした。
「人を探すにはね、歩くだけが能じゃないの。…少し休みましょうか」
 それだけを言うと返事を待たず、視界に捉えていたカフェを目指した。


《あとがき》

ワインがとにかく苦手な俺なのだが、何故かセブンイレブンの酒類倉庫内では『ソムリエ』と呼ばれていた。ふしぎだなー。

売上本意の日本の考えは、その時点で罪な話だね。
品揃えをよく見せるためだけにロス認定の食品を取り寄せる行為がまず理解出来なくて、そして不満だ。
余った商材という理由で従業員の口に入るのであれば、一種の福利だが、それはご法度な行為とするグループばかりで、本気で100%、捨てられるために生産されている食品が多過ぎる。

その割には経費削減だの無駄をなくせだの。行っている事とやっている事が違うって、まさにこの事だよね。

売れ残ったヌーヴォーたちの運命は…?

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