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2018年11月13日01:01

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《親心・子心》《ちー+! 38》

《親心・子心》

仕事明け、給料…というよりは小遣い入手後の作業、パチ屋に行く。目的はタバコ。月のノルマを達成するまではどうにかして捻出を続ける月例行事みたいなものだ。
ガソリンを入れて所持金を減らし、自らのフィールドに危機感を与えるアホ設定。

そんな本日の決戦。…でも、ホール側は出す気ないらしく…。そっか、明日は店休日か。状況は気まずいな。

そんな理由で撤退しようとしたら、こんな時に限って普段目もくれない台に怪しげな挙動を見せる1台が…。

普段目もくれないので癖が分からないが、まあ、ひとまず当たった。しかも上昇気味だ。大勝の予感。

…そんな折、カミさんから電話。
俺の中のジンクスだが、パチ屋で遊んでいる時にカミさんから電話やメールが入ると、何故かその後はめっきり出なくなる不思議。そんな約20年なのだが、これはどうしてか揺るぎない。

電話の内容は子供の話。なんでも友達の靴ひもが無くなったという、友達の母親からのメールが届いたとかで、念のため確認したら子供の部屋にそれらしきものを発見…。
まさか、イジメじゃないだろうなぁ…。

妙な心配事を抱えつつ続行するスロット業務。『すぐさま帰れ!』と思うなかれ、子供はその頃、塾に行ってて家にはいないのだ。
仕方がないので塾終了時間までモヤモヤ気分を維持する羽目に。調子の良い台という事もあって負けはしなかったが、イメージした本来の出玉には程遠い結果に…。

タバコ10箱と交換して、お釣り2000円。推測最大お釣りは10000円辺りだったが、無意味に呑ましてしまった。


そんで塾へ迎えに行き、帰路の途中で成り行きを尋ねる。事と次第によっては本気を見せるしかない覚悟だ。…が、イキナリ熱を上げては会話も成り立たない。
腑に落ちないのは、靴ひもの相手の子が、俺の子と頻繁に遊ぶ相手でもあった事。そして他2名の関係者も…。
関係者は合計4人だったわけだが、仮に『子・A・B・C』とし、流れはわかった。
子はAと一緒に徒歩で下校してた。
そこに靴ひもが奪われた事になるBが自転車で追い付いてきた。
3人合流で帰る中、今度は靴ひもを奪っていたCが合流した。この時、Bは靴ひもの話題に触れない。
やがていつも通りらしいが、唯一自転車のBが先に帰ってしまう。
その少しあと、Cが得意気に靴ひもを子に見せ、渡す。
『?』の子。明日は学校が休みで、A・B・C、他数名と遊ぶ事になっているので、その時に渡そうという考えで家に持ち帰って来た。

という流れである。

まあ、無関係者からすれば『なにそれ?』な話だが、この子の親というか、俺は理解してしまった。…何故なら、やはり俺が学生時代、同じような事をしていた時期があったからだ。つまりは気の知れた仲同士のじゃれ合いの一環と言えばいいのだろうか、子供同士の間では、まさか親の間でそんな話になるとは…といった感じだったろう。

親が子供の友達の中に交わる事はほぼ皆無だが、故に、気の知れた仲間同士間の『ちょっとしたイタズラ』が、関係ない所で大問題として見据えてしまう勘違いが発生する場合もあるものだと勉強になったひと時だった。

俺も仲間内でそういった事をした覚えはあるが、当時の親たちもそんな心境だったのかな? とか考えると、ちょっと反省。親心、子知らずというヤツかな?

でも、俺、中学中盤から親なしで育ったからなぁ…。実際どうなんだろ?

…ともあれ、変な発展を見せないようでヨカッタ。
取り越し苦労か。…まあ、有難いが、スロット結果はショボくなってしまった。

パチンコ屋さんのお釣りで買い物に行く。子供を連れたままで。
適当にお菓子を含めた食品が目的だったが、そこでもカミさんのメール着信。
居場所を伝えると、来るわ来るわ買え買えコール。
シャンプー・トイレットペーパー・ティッシュボックス・ほか数点。ゴミ袋高けぇっ!

そんで会計は2400円…。足出た…。


《ちー+! 38》

第一章 勇者志願見習い(笑)2-22

【魔法都市ペナ・リノ [南部]】

「中継地点ではありますが、一応は到着です。お疲れさまでした」
 馬車が止められて間も無く、アッベシがそう言って扉を開いた。
「えと…、ありがと。…なんか凄い所だね…」
 移動中に舞い上がっていたツケというか、今やほとんど放心状態のチータスは力なく呟き、亡霊さながらのふらついた歩調で馬車を降りようとした。
「スケク殿からお話があったかと思われますが、ここはペナ・リノ南部のネメス城兵が集う寄宿舎敷地内です。ここではせっかくの自由時間でも何もする事がありませんので、準備が整い次第、繁華街にでも赴きましょう」
 チータスの手を取って転落しないように配慮しながらアッベシは言ったが、チータスは早くも初めて耳にする言葉に遭遇する。
「はんかがい? それに、準備って?」
「たくさんのお店がある地域をそう呼ぶの。…それと、説明してなかったけど、…これ。せっかく降りたところ悪いんだけど、着替えてくれないかしら?」
 スケクは言い、2つの袋をチータスに差し出した。袋の片方には凝った模様が描かれ、口には淡い緑のリボンが掛けられており、もう片方は至って普通の袋のようで、リボンなどの装飾も無いようだ。
「着替え…?」
「そう。村を出てずっと同じ服なんだから、この場で着替えちゃおう!」
 明るく言うスケクの言葉ではっとしたが、言われてみれば数日間、ずっと同じ服装だった事に気付く。
「そうだった…。すっかり忘れていた。…てか、それ言っちゃあ、みんなも同じじゃない?」
「私達は外を出歩く事に慣れているから…。まあ、不衛生なんだけど、こればっかりは仕方がないからね。毎日どこかで大雨が降ってくれればねぇ…」
 冗談を言って小さく笑うスケクが手持ちの袋をチータスに渡すと、続いて気を使ってか、アッベシも声を挟んだ。
「チータス殿が着替える間に、我々も寄宿舎で着替えて参りますので。…それとも、一緒に寄宿舎の更衣室に行きますか? 男性兵士ばかりではありますが、一応、女性更衣室もありますよ」
 更衣室と馬車とを何となく比較するチータスだが、ようやく慣れ親しむ段階まで来たメンバーとは異なる人物に顔を合わせると考えると、どことなしに気が引ける思いを感じ、やんわりと断る事にした。
「ん…、あたしは馬車の中で着替えるよ。こっちの方が落ち着く…かな?」
「そう言うと思った。なるべく急ぐから、ちゃんと待っててね。リボン付きの袋がチータス殿専用に作ったものだけど、チータス殿の姿も知らない頃のイメージで用意したものだから、正直、サイズが合うかどうかは分からないの。…で、もし着れないようだったら、こっち…。申し訳ないけど、私のお下がりの洋服一式よ」
「うん、わかった。…はんてんとか、ちゃんちゃんこある?」
「『はんてん』?『ちゃんちゃんこ』? …ごめんなさい。私、あまりファッションに興味がない性格だから、その意味が分からない…。多分、チータス殿の望む物は無いと思うわ」
「そっか…。まあいいや。着替えて待ってるね!」


 馬車の中、チータスは早速2つの袋を床に起き、着替えを始めた。
 自分の姿を見る前に服を新調するとはなかなかに思い切った行動にも思えたが、何となく『勇者志願』がどれだけ重要視される存在かが伺えた気がした。それとも、道中の付き合いに難航を見出さないようする為の部隊の気遣いか、はたまたスケク個人からのプレゼントか。
 いや、ついさっき、スケクはファンションに疎いと言っていたので彼女個人のプレゼントという事はないだろう。…そう考えると、部隊からの差し入れという事も考え難い。
何故なら、グループの男性の内、特にラウニーとダーマンは女性に弱い…というよりも、苦手とするような話を耳にした気がしていたし、その証拠に自分の問題が絡めば必ずスケクに丸投げしているのは確認済みである。最終的にスケクに巡って来る服の新調を彼女がするだろうかを考えれば、なかなかに怪しいものだ。
アッベシが新調した…という線も、考え難い。『やれ』と言われれば嫌な顔一つしないで行動に出そうだが、その場合は会話の中に『自分が手掛けた』みたいな言葉もあった事だろう。…しかし、実際にはそんな言葉はなかった。
 消去法ではあるが、そうなると、この『リボン付きの中身』とは、勇者志願であるチータスに国が用意したものと考えるのが自然のような気がした。
 そこまで考えると、試練の年の生活に関した話の一部を思い出す。
『一年間の生活は国が保証する』
 と、確かそんな内容だった。これはナルミも、家族も、そして今も一緒に行動する部隊にも聞いた話だ。
 国の目線から見る『勇者志願』については相変わらず理解出来ないが、わざわざ特殊部隊での出迎えについても、考えてみれば驚きの行為であり、この服に関してもそんな生活保障の一環なのかも知れない。そして、道中の食事なども。
(なかなか凄い事かも…)
 ここに来てようやく、自分に対する『期待』というものに気付き始める。
 数日前ならば、きっとその『期待』から逃げ出す意識を高めた事だろうが、今現在はというと、先ほど眺め続けたペナ・リノの実態を目の当たりにした興奮があまりにも大き過ぎ、いつもの感情が麻痺していたのだ。現在のチータスに『逃走』の文字は少なくとも存在しなかった。
 
「さて…♪」
 早速、自分あてに新調したと言われた方の袋に手を掛ける。
 丁寧にリボンを解き、ゆっくりと口を開くと、そこから見えたのは純白の衣服のようだった。
(…ず、ずいぶんと白いなぁ…)
 内心でそう思い、同時に自分の日常を考える。
(……………)
 他人の誰に言われるまでも無く理解出来た。この服、すぐに見るも無残な色合いに変化してしまう…。
 それでも一応見てみるかと袋から思い切って取り出すと、それは多くの装飾が施された純白のドレスだった。
「いっ…!?」
 正体が田舎娘とかそういった問題じゃない。性格上の問題からして明らかに自分には不釣り合いなシロモノだと確信すると、チータスは丁寧に折り畳み、再びドレスを袋に戻した。…きちんとリボンを結んで。
(スケクさんの借りよーっと…)


《あとがき》

どんな形にせよ、パチ屋滞在中に出現する『カミさんの影』の影響は昔から凄まじく、どんなに有利な状況下でもあっさりと形勢逆転を食らう事になるから怖い。

今日はメールが入る前に出ていたメダルがなんとか頑張ってくれたが、入店間もなくの着信はまさしく悪夢そのものだ。


今回の靴ひも事件? に関しては、単なる遊びの延長上の話。
…でも、こんなのを放っておくと、実際にイジメに発展するケースがあるもので、同グループ内で分裂が生じ、最悪は対立する事も珍しくない。
知ったからには見て見ぬふりはしたくないんで、一応は厳重注意してみた。当然、2回目は無い。

しかし、アレだな。
子供は子供で育つもので、俺は俺で子供の様子も窺う事が出来ないつまらん大人になり掛けている証拠だな。早々にタバコを掻き集めなくては。それとガソリン代。そんで車の修理代。床屋代。昼飯代。パソコン代。…あ、お菓子も(結局、何も感じてない)。

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