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2018年10月31日00:30

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《フキゲン》《ちー+! 24》

《フキゲン》

朝一でボスザルに叱られた。
叱られたというか、まぁ叱っているらしいが、相変わらずの支離滅裂で内容が理解出来ない。
ちょっと前までは同僚とゲラゲラ笑っていた矢先と言うか、そんな流れを読まない中断だったので、…まあ、素が出た…。そんで地が出た…。

バインダーの中の作業情報を漁っていたのだが、バチンと叩きつけ、理解出来るわけの無い叱咤を止め、
『…で? 何なの?』
と向き合う。
…で、逃げられる…。

朝一からとにかく腹が立ってしまった。
でも、内容は結局判らなかった。
一体何が言いたかったのかという、恐らくこの会社の誰もが味わった事がある疑問。これで何度目だ?
事務所内し〜ん…。
プンスカの俺に事務員が寄って来て『どぅどぅどぅ…』。
オイ待て、俺は馬じゃない! 女だからって容赦しないぞ『ひひ〜ん!』。
怒っている俺が場を和ませてどうする?

むかむか状態の中、やっぱ空気を読まないボスザル登場。あれから10分くらい経過したか、そんな時間さだ。
で、奴の目的は…、俺に対するゴマすりと言うか、ご機嫌取りというか、そんなニュアンスを漂わせる謎の行為…。

そんで読み通り、ご機嫌取りみたいな一方的な謎会話。
こ・れ・が、ほんっと、腹立つ!

あとあと上目遣いで気を取ろうとするくらいなら、初めから何も言うな、何もするな! という話だ。

いつもならやんわり笑顔の一つでも返して事をナシにする俺だが、今日は一番重要な朝の一発目を持って行かれたためか、自分でも不思議に思うくらいムカムカが落ち着かなかった。

そんな顔色が見て取れるのか、いつも以上の執拗な『たのしい会話』を持ち込むボスザル。
おまえが近付くからムカムカが止まないわけだが、さすがにソレは言えない。下手すりゃ周囲が一斉蜂起する気がする。実際問題絶賛撃退処理中だが、それはソレ。イジメとはわけが違うと俺の(足りない)理性が訴えている。

なんとか自分の持ち場に逃げて、1人で作業開始…? ん? あれ? 昨日、誰が入ったの? ボスザルが入った後のような汚さなんですけど…。

…で、周囲に確認。
てぃ「誰が入ったの?」
周囲「あのバカ」

納得…。予定人物が変更していたか。…まあ、仕方がない。

そこに新人(?)登場。昨日、集荷ミスがあったらしく、在庫が増えてしまったらしい。見付かるとボスザルがうるさいので、商品をかくまってくれとか。
ボスザルか。まあ、あげ足取りが好物と自負するノータリンだからな。知ればここぞとばかりにギャーギャー始まるのが目に見える。というか、散々見て来た。というか、聞かされてきた(俺の前では何故か絶対やらない)。
そいじゃ任せて、と、その商品を隠す。
そのついで、何となく気になったから溜まった段ボールを処分しようと持ち上げると、ここにも見知らぬ商品がこんにちは。

「………………」

無心で昨日の機械在庫確認。続いて現場の現物確認。…合ってる…。じゃあ、あそこに出現した、あの商品は?

…野郎、人によくわからん説教しておきながら、自分のミスは箱の中かい…。

怒りを通り越して可哀想になったので、もう何も言う気が無くなってしまった。
でも、タダじゃ転ばない。
俺の小技をご披露するしかないだろう。本人が勝手に疑心暗鬼に陥り、そんできっと行動を起こし、それを見てこっそり笑っちゃおう作戦だ。噂の広がりは怖いですぜ、ダンナ・・・。

俺は自分の作業場の、最も目立つ所に同じ商品を掲げるように置いてみたりする。
気付かなければそれまでだが、気付いたら最後、『どうして?』と必ずなって、『まさか!』と行き着く。もちろん俺は、聞かれない限り答えない。
そして『まさか!』と感じる対象は張本人のみといった、優れ技だ。
そりゃそうだ。張本人にとって『隠した筈のものがそこにある』んだもの。驚かない訳がない。

時間経過と共に、少しずつ発見されるその商品。

発見者「あれなに?」
てぃ「しらん! 出て来た!」

発見者「何かあそこに置いてありますよ?」
てぃ「ほんとだ。散歩してるのかな?」

発見者「…ん? あれ? あそこに何かありますよ!?」
てぃ「仲間はずれかな?」

そのうち、集荷中にボスザルも気付いたらしい。ちらちらと商品の方向を気にしている。
でも、そんな仕草を確認しつつ、俺は俺で気付かぬふりに徹する(これがけっこう苦しい)。
業務とも隠した商品とも全く関連性の無い、いつもの意味不明な話を持ち掛けつつ接近を試み、その上で例の商品を確認しに来た時には正直、悶絶しそうだった。
そんな様子を遠目に眺めて笑いを堪える同僚。仲間内には共有フォルダのような筒抜けぶりだ。

…で、休み時間。
同僚と3人でタバコを吸いに行くふりをし、ぐるっと回って俺の作業場を遠巻きに確認する。

やっぱな。

照明を消された暗い中で、ボスザルが奥の箱を確認してた。バカめ、そこの目立つように設置した商品は囮だ!
犯人発覚。本当にわかり易いヤツ。

少しスッキリ。


でも、今日は本当にいつも以上に付きまとわれたな。『ウザい』ってあの事かな?

学生時代なら蹴ってでも突き放してたな。

思い出したら…、また腹が立ってきた。


《ちー+! 24》

第一章 勇者志願見習い(笑)2-9

【ベレーレルの村】

 赤面する、チータスを含めたレジエン家。一方で無言になってしまったラウニー率いる迎えの城兵…と、そこから漏れ、ひたすら食事に専念するダーマン。
試練の年に『勇者志願』を希望とするチータスが、実は武器を扱った事が無いと打ち明けられたのは、それから程なくしてからだった。
「…となると、…獣や、…モンスターを相手取った…、その、戦闘は経験無いと?」
 衝撃の事実にうろたえた様子を隠す事も無く、ラウニーは言葉を選び選び繋ぎ合せる。
「無いの。とにかく無いの。そもそも冒険とか戦いとか憧れてないし、獣もモンスターも名前は聞くけど、全然さっぱりよ。…あ、それでもつい最近、なんかモンスターに遭ったわね。…なんだっけ、いもむしのおばけ?」
 箸を止めるチータスの脳裏に、ナルミとの『あの日』蘇る。
「『いもむし』? それって『グリーンモンスター』ではなくて?」
 無言の硬直から解けたスケクが答える。
「あー、そうだ! それそれ! 緑のヤツ! 幼馴染とおっかけられたんだ!」
「え!? グリーンモンスターに追われたのですか!?」
 表面上は『危険との直面を案じる』ような素振りを見せるスケクだったが、隣の摩訶不思議そうな表情を露わにするラウニーとアッベシの表情を見れば、その内心はすぐに読めた。何故なら、当時のアキにもそういった顔をされた事が強い印象になっていたからである。
「はいはい、演技はいいの、…えーと、スケクさん? どーせ、アレでしょ?『そんなモンスターに追われるなんて、聞いた事が無い』…みたいな感想でしょ?」
「え………」
 図星のようだ。スケクは押し黙り、この話から離脱を試みたのか、見るからによそよそしい手つきで煮物に箸を伸ばしたが、チータスがとどめを刺す。
「最後に数えた時は6匹だった」
 あの時のアキの言葉に、『群れを成さないグリーンモンスター』という言葉があった筈だ。そんなグリーンモンスターが群れを成すのだ。あの時は呆れ顔のアキに恥ずかしさを覚えはしたが、それだけ『弱っちい相手』として認識されたからの結果だと今は言い張れる。
 どの段階で勇者志願不適用者の烙印を押させるかを考えていたチータスだったが、話の流れからすれば、思ったより早く好機が巡って来たようである。この流れに乗らない手は無い。
「…ろく…」
 チータスの言葉にそう反応し、煮物を箸から落としてしまうスケク。脳裏にはさぞかし『先天的戦闘不能キャラ=チータス』と認識された事だろう。…もちろん、彼女を含めた城兵の4人に対して…、そして、ついでに両親にも。
 相当に空腹だったのか、それとも我が家の味が気に入ったのか、ひたすら食べ続けるダーマン以外の全員が思考回路を停止したようだ。チータスは一気に畳み掛ける事にした。…自らが考える、最短の言葉で。
「この前、初めて森に入って、迷子になった…。そこの森…」
 既に勝利を確信したチータスの声は、内容のわりに高らかだ。箸の先を外に向け、全員の視線をケルナの森に向けさせる。
 それぞれの視線の先にはケルナの森が入り込む。村の外とはいえ、目と鼻の先である。
 ここから見える森は…幅が狭い。例えば、向かって左から右に突き抜けるにしても、まっすぐ進めば大した時間を必要としない事だろう。地元住民なら尚更の事だと思われる話だが、…そこで迷った…? そこで迷い、最弱ランクに位置するグリーンモンスターの群れに…『襲われた』? 戦闘事の経験を積もうとする新米戦士にすら、『後処理が面倒な上、何の経験の足しにもならない』という理由で無視されるケースが多い相手なのだが…。戦う術を持たない筈の少年少女が、『むしゃくしゃした時のストレス解消』という理不尽な理由でターゲットにされる事も、別段珍しくない相手なのだが…。
 ダーマンを除いた城兵3人の脳裏に様々な憶測が飛び交う。互いの目色を伺い、決して言葉に出来ない『それ…、マジ…!?』と、立場上、扱うに相応しくない言葉を持っているかの確認のようなものだ。
 そんな城兵の様子を察するにつれ、今度は両親が目線を下げてしまう。
『我らが娘』…。間違いなくそうだが、なんだかとんでもない人間を、今まさに城に送り込もうとしている事に気付いた気がした。そして同時に不手際にも気が付いた。
 確かに一人娘のチータスの試練の年の願いが『勇者志願』という内容で進んでいたが、その割には何一つ、それに対した手ほどきを行っていなかったのだ。『監督不行き届き』と言われてしまえばそれまでだろうが、そのくらいで済むなら喜んで受け入れたい。むしろ怖いのは、チータスを送り込む行為そのものが『裏切り』と取られた場合だ。

「ダーマンさん、おかわり持ってきますね!」
 表現出来ない窮地を勘付いてか、エマが台所に逃走する。
「みなさん、何か飲み物でも持って来ましょう。アルコールの類はいけますか?」
 そしてノルンも…。
 城兵3人の視線がチータスに集まる。
 チータスは落ち着いて言った。
「…まあ、あんな両親でね、そんな娘なの。あたしは。…試練の年、続行するの?」


《あとがき》

今日は昼礼当番という事で昼食後はアレコレ脳内会議にて言葉を並べていたのだが、指定休暇の関係で、実は明日という事が判明…。
明日、ボスザル休みなんだよね…。

悪運って言うの? そういうのは強いんだよね。アイツ。
まあ、対抗策は練ってあるけど。同僚と順番を交換すればいいだけの話だ。
でも、そういった変化には妙に勘が鋭いから安易に出来ない。さて、何か理由を探すべきか? それとも次回を待つべきか?

どうしよう…?

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