土曜ギリギリ日記320：サーチ

カリフォルニア、サンノゼ。朝、デビッド・キムは高校生の娘マーゴットがノートPCを自宅に置きっ放しのまま姿を消したことに気づく。昨夜、友達の家で勉強会に出たまま帰宅しなかったようだ。夕方になっても、ケータイは留守電、送ったメールに返信はない。朝学校に行ってそのままピアノのレッスンに行ったのだろうか？不安になったデビッドは学校とピアノ教室に電話をかける。すると、マーゴットは今日登校しておらず、ピアノ教室は半年前に勝手に辞めていたことが判る。デビッドは弟のピーターと相談し、警察に通報することにした。担当刑事ヴィクは機敏に捜査を開始し、デビッドには娘の友人たちのリストアップを依頼する。しかし、妻パムが病死して以後マーゴットとは会話をあまりしていなかったデビッドは、勉強会を開いた友達の名前すら知らなかった。そこでマーゴットのPCを立ち上げ、SNSから「友人」の存在を掴もうとするのだが……


「search／サーチ」。100％PCのディスプレイだけで展開するサスペンス。

以下、ママもネタバレと思ってるよ。





「アンフレンデッド」という100％PC画面上で進むPOVホラーがありましたが、その何十倍も出来が良い映画です。前半の幸せ家族シークエンスからちょっと涙腺がゆるみ、父親目線で引き込まれます。そして、デビッドがSNSを探索し始めてからの怒涛の展開。ヒネリと伏線、フェアなヒントがまぶされた超良質なミステリが味わえます。PC画面のみ、という制約を逆手にとる演出…クリックをためらう時間でデビッドの心情を表し、「ウイルスチェックが〇〇日おこなわれてません」というウインドウからパムが亡くなって何日経過したかを示したりというアイデアには舌を巻きました。ここぞという時に盛り上がるスコアも良いし、SNSユーザーの二重人格ぶりや炎上を皮肉る描写もイマっぽくて感心。その上で、観客のハートを掴む「親子の情」という普遍テーマをしっかり中央に据えたストーリーが本当に素晴らしいです。観た後、巧い！としか言いようのない逸品。見逃し厳禁です。