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2018年10月21日16:34

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酔っ払いは案外難しいんだよな

本当にいろいろな酔っ払いがいる。ただ酔って寝ている者から、暴れる者、酔って何かをして怪我をしている者までいる。私も医療従事者なので救急で何十例か診たことはあるけれども、本当にいろいろだ。

宴会などで酔いつぶれて、友人や同僚に負ぶわれて病院に連れて来られる人はまだいい。
寝ているので大人しいし、連れてきた人が状況を教えてくれるからね。
だいたいは若くて持病もないので嘔吐に気を付けつつ点滴していればそのうち覚醒する。

でも路上に倒れていて通行人の通報で搬送されてくる者は難しい。
酒臭いのでただ酔いつぶれて寝ているのかと思ったら結構大きな擦過創があって、
転倒でもして受傷したのか喧嘩でもして受傷したのかも分からないなんてことは結構ある。
本人は問診できる状態でもないし付き添いもいないので状況を調べる手段もない。
明らかな外傷があれば精査するが、明らかな外傷がない場合には一般的な意識障害としてのスクリーニングのほかにどこまですべきかは判断が難しい。
(モニタはつけておくが)

そして、友人や同僚に負ぶわれてくる者も、路上に寝ていて搬送されてくる者も、
たまに途中で起き出して暴れ出す者がいる。
ほとんどの者は採血 + 末梢静脈路確保のための穿刺程度では覚醒しないが、
稀に覚醒して看護師を殴ったり蹴ったり、静脈ルートを引っこ抜いたり、危ない者もいる。
そういう者も酒が抜けて覚醒すると分別があってごくふつうの人に戻るのだが、
酔っている間は分別なく暴れるしその間のことも全然覚えていない。
(つまり、酒で意識混濁 + 脱抑制状態になって暴れている)

はじめから暴れている場合はあまり医療機関には連れて来られないので分からない。
そういう場合は警察のお世話になるのだろうが、これも意識混濁 + 脱抑制状態なので、話をきくのは難しかろうし、
警官に保護される以前に何をしてきたのかはなかなか把握が難しいだろう。
途中で意識混濁した場合も単に酔って眠り始めただけなのか、
その他の原因があるのかは容易には判断がつかないと思う。

この事例の場合、暴れて取り押さえたことと死との因果関係や、
その後の保護の仕方と死との因果関係はは当然調べねばなるまいが、
保護された時点でめっちゃ出血していたとか、度を越して強く拘束したとかでない限り、
警官が酔漢の死を予見するのは難しいんじゃないかと思う。
酔って保護された人を全員病院に運ぶ訳にもいかないし。


■泥酔で保護の男性死亡=パトカー内で手足押さえる−大阪府警
(時事通信社 - 10月21日 11:30)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=5340828
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