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2018年10月20日03:34

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(採録)独立・移籍トラブルはなぜ起こる

ネット上で見つけた記事。
興味深い内容だったので、ここにコピぺして、保存しておきます。

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2018.06.03
能年玲奈から広瀬香美まで、芸能プロ“独立・移籍トラブル”はなぜ起こる?
https://wezz-y.com/archives/55347

 2018年5月28日、降ってわいたように巻き起こった歌手・広瀬香美の事務所移籍騒動。でもそういえば最近、芸能プロダクションからの独立騒動・移籍騒動って多くないですか……? 芸能マネージャーが芸能ニュースの裏側をちょっぴり教えちゃう本連載。記念すべき第1回は、所属プロダクションからの移籍・独立問題について解説を加えていただきます!



 はじめまして、こんにちは。わたくし、芸能吉之助と申します。おそらく読者のみなさんの大部分はご存じないであろう“X”という小さな芸能プロダクションで、タレントのマネージャーをやってます。なんの因果か、本来は芸能人の敵といってもいいこの「wezzy」というウェブメディアで、連載を始めることになりました。なぜかというと、株式会社サイゾーが運営するこの「wezzy」をはじめ、日々ウェブメディアに掲載される芸能ニュースに、いつももどかしい思いを抱いていたからなんです。

 以前よりずいぶんマシになったとはいえ、ウェブメディアに掲載される芸能ニュースには、本当に取材をしたのかアヤシイような記事も実に多い。どこの誰だかわからない「芸能関係者」が、テレビや映画のキャスティングの仕組みや内情を知っていたら絶対にあり得ないようなことばかり語っています。もはやネットスラングといってもいいほどよく指摘される「大手芸能プロダクションのゴリ押し」にも、実はきちんとした背景や意味があるんだけど、その構造を知りもしないで、どこかの週刊誌に書いてあることを元ネタにして、適当な記事を量産してはいませんか?ってね。

 もちろん芸能界はキレイゴトだけではないし、「政治」、ぼくらの用語でいうところの「ギョーセイ(行政)」でタレントの配役が決まる場面も多々あります。だけどその裏側には、有能なマネージャーによる緻密な戦略と売り込み、そしてそれをあえて受け止めるテレビ局プロデューサーの計算や野望みたいなものが入りまじった、実に複雑な構造があるんですよ。

 もちろん、メディアに躍る芸能ゴシップ記事だって、一方的に悪いとは思いません。ぼくだって有名人のスキャンダルには興味があるし、そういった下世話なものも含めて成立しているのがタレントの「人気」ってやつなので、我々芸能界の内側の人間のすべてがそういうゴシップ記事を嫌悪しているわけではないし、むしろそういう報道を利用している側面だってある。だけど、「その書き方はちょっと違うんじゃないか……」なんて思うケースが多いことも、また事実なんです。

 というわけでこの連載では、「世間を騒がせたアレやコレやの芸能ニュースを芸能界の内側から眺めるとどういうふうに見えるのか?」ということについて、徒然なるままにお話ししていこうと思っていますので、どうかお付き合いいただければと思います。

能年玲奈「給料5万円」とNHKのギャラ
 さて、第1回目のお題はズバリ「芸能人の事務所移籍・独立」です。

 2015年1月の「週刊文春」(文藝春秋)報道がきっかけとなるSMAP解散騒動をはじめとして、いま、芸能人のプロダクション移籍や独立をめぐる問題が大きなニュースになることが増えています。

 スターダストプロモーションを2015年に退所した中谷美紀、同じくスターダストの柴咲コウや山田孝之はなかば“社内独立”に近い形で別の会社を作っています。ソニー・ミュージックアーティスツの二階堂ふみも、信頼できる社外スタッフにマネージメントを任せて、ほぼ独立状態という情報もある。

 2018年3月にユマニテから独立した満島ひかり、それからこの4月の関ジャニ∞・渋谷すばるのジャニーズ事務所退所騒動、そして、ヒラタオフィスからヒラタインターナショナルなる“新会社”への宮崎あおい、多部未華子、松岡茉優の“社内移籍”騒動も、記憶に新しいところですよね。

 もちろん昔から、芸能人の移籍・独立は珍しくはありませんでした。1960年代から1970年代にかけて芸能界に一大帝国を築いた渡辺プロダクション、1970年代から1980年代にかけて『スター誕生!』(日本テレビ系)からキラ星のようなスターを続々と輩出したホリプロ、そして現在でも男性アイドルでは他社の追随を許さないジャニーズ事務所。そんな大手事務所からも、いろんな事情でタレントは独立しています。

 渡辺プロダクションからは、森進一や小柳ルミ子、ホリプロからは石川さゆりや森昌子、ジャニーズ事務所から郷ひろみや本木雅弘といった、今でも第一線で活躍するタレントが独立しています。

 昔は、タレントが独立すると、ましてや大手プロダクションからのトラブル絡みの独立だったりすると、前事務所からの“圧力”でしばらくは仕事を干されるとか、それまでの芸名は使えないとか、そういう嫌がらせを受けるケースも多かったようですが、最近はあまりそういった話は聞きません。

 そんな中、久しぶりにソレっぽい大トラブルとなったのが、2016年に世を騒がせた、いわゆる“バーニング系”の一角を占める大手芸能プロ・レプロエンタテインメント(以下、レプロ)の社長と大喧嘩して揉めに揉めた、あの能年玲奈のケースでしょう。「週刊文春」が能年玲奈の後見人的な演技指導の女性を味方につけて、当事者でないとわからないような若手女優の“内情”を洗いざらい記事にしちゃいましたよね。

 その時に出てきたのが「朝ドラに出演していた頃、給料は月5万円だった」「担当マネージャーが仕事を入れてくれなかった」みたいな話。これ、マネージャー目線で申し上げると、言いたいことたくさんあるんですよね……。

 まず、いくら将来性のある女優さんとはいえ、彼女が『あまちゃん』に出ていた2013年頃って、まだまだドラマでも脇役ばかりだった時代で、CMのギャランティも低かったはず。だから会社的に考えれば、たぶん年間でもそこまでの売り上げはなかったと思います。だいたい5万円とはいっても、それで生活しろってことじゃなくて、それ以外に会社が負担している部分は多岐にわたるんですよ? おそらくそれまでの数年間、寮を兼ねたマンションの家賃やレッスン費などさまざま費用は事務所が負担しているでしょうし、そもそもNHKのギャランティってびっくりするくらい低いので、純粋なお給料の部分が月5万円って、この年代の若手女優さんとしてはきわめて妥当な額だと思います。レプロが大手プロで、能年玲奈も『あまちゃん』が大ヒットしていきなり有名人になっちゃったから、あれだけのオオゴトになっちゃいましたが、役者系の小さな事務所だったら、もっともっと経済的に厳しく、お給料ももっと低かったと思います。でも、雑誌を読む一般の方に、そういった内側の事情はなかなか理解してもらえないんですよね……。

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「仕事を入れてくれない」は本当か?

 あと、「マネージャーが仕事を入れてくれなかった」という点に関して。これもねえ、難しい問題なんですよ。休みがあると不安で、「とにかくなんでもいいからお仕事やらせてください!」と言って伸びるタイプと、逆に、やりたくない仕事、出たくない作品への出演だと途端にやる気をなくしてしまうタイプと、役者さんにもいろいろあって、そういうタイプを見極めつつ、そして会社としてその子をどう育てていきたいかという点も加味しながら、マネージャーも仕事を選んでいるわけです。

 で、「うまくいけばスターになる!」というほど才能のあるタレントであったとしても、どんな仕事でも選ばずやらせてしまうと、結果としてそのタレントのやる気を失わせたり才能を疲弊させちゃったりするケースもある。ライジングプロダクションに所属していた、西内まりやとかね?

 その点から考えると……能年玲奈ってなかなか難しそうでしょ? 「のん」名義でのいまのアーティスト活動やミュージシャン活動を見てみても、一目瞭然じゃないですか。いや、それが悪いということではなくて、だからこそ彼女は魅力があるし、彼女のそういう個性的な部分こそが彼女の才能の源泉なわけじゃないですか。だからこそ担当マネージャーさんは、いろいろと考えあぐねながら仕事を選んでいたと思うんですよね。だって、マネージャーがOKしたあとに本人が「やりたくない」「やる気が出ない」ということになってしまえば、それこそそのプロダクションの責任問題になってしまいますから。でもそれが、結果として能年玲奈本人から見たら、「仕事を入れてくれない」という見え方になっちゃっていた可能性は大いにあると思います。

 でもですね、彼女が「週刊文春」の記者に直接話をしたのかどうかはわかりませんが、いずれにせよこうした事務所の内情を、一方的にメディアに暴露してしまうというのは、我々芸能界の内側にいる者からすれば、やはり受け入れがたいこと。だって、信義にもとる行為ですから。だから、現在のああいう多彩な活動を芸能界の端っこで続けていくことは可能だとは思うけど、残念ながら芸能界の保守本流である地上波のテレビなんかには、今後もまず出演はできないでしょうね……。

(第2回に続く)

> 次の記事 クドカン舞台“降板騒動”満島ひかりが独立した背景

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2018.06.04
舞台降板騒動の満島ひかり、新婚の宮崎あおいも 芸能プロ“独立・移籍トラブル”と、芸能界の落としどころ
https://wezz-y.com/archives/55352


 歌手・広瀬香美の独立騒動に続き、つい先日独立したばかりの女優・満島ひかりのクドカン舞台“降板騒動”をスポーツニッポンが報じた。芸能マネージャーが芸能ニュースの裏側をちょっぴり教えちゃう本連載。続いてお送りする第2回も、前回に続き、所属プロダクションからの移籍・独立問題について解説を加えていただきます!



 さてさて、前回に続き、芸能人の独立・移籍にまつわるトラブルについて、我々マネージャーからはどういうふうに見えているか、語っていきましょう。

 前回お話しした能年玲奈みたいに事務所と揉めたケースではなく、「仕事も順調でノリにノッているのになぜ移籍……?」というケースもたまにありますよね。古くは根津甚八、樋口可南子、椎名桔平といった本格派俳優を多く輩出してきた、ユマニテという役者系の事務所を、この3月に突然独立した満島ひかりのケースなんかは、その典型でしょう。

 彼女はもともと、いまはシンガー&ダンサーとして大活躍中の三浦大知も所属していたアイドルグループ・Folderのメンバーでしたが、アイドル路線に限界を感じ、俳優の道を進むべく2009年にユマニテに移籍しました。

 そしてその2009年、当時インディーズ映画の雄として頭角を現しつつあった映画監督・園子温の『愛のむきだし』ヒロインに抜擢され、その後も映画『悪人』(2010年)やドラマ『モテキ』(2010年、テレビ東京系)といった話題作で印象的な演技を見せ、あっという間に業界から要注目女優に。その後、彼女の主演映画『川の底からこんにちは』(2010年)を監督した石井裕也と電撃結婚し、世間を騒がせます。

 園子温監督から言い寄られて一時期お付き合いしていたという根強い噂があったりとか、石井裕也監督との結婚もかなり突然だったりとか、彼女はもともと割と奔放な感じの女優さんだったので、今回のユマニテからの独立騒動も、「まあ、そういうこともあるのかなあ」とは思いました。けれど、“芸能界ど真ん中”な感じでイケイケのプロダクションであるレプロとは違って、ユマニテの社長さんは芸術的なセンスにあふれた穏やかな方だし、満島ひかりさんには実にぴったりな事務所だと思っていたので、やっぱりちょっとびっくり。そして残念だなあという思いはありますね。

 でも、一方で強く思うのは、満島ひかりくらいの演技力とバリューがあれば、もはやどの事務所に所属するかなんて一切関係なくて、あとは優秀なマネージャーがいれば、いい仕事はいくらでもできちゃうんですよね。地上波テレビにはなかなか出られなくなったとはいえ、敏腕マネージャー・飯島三智女史のもと、ジャニーズ事務所を離れてもそれなりに活躍できている稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾の“元SMAP”三人衆とかね。

 欧米のエンタメ界ではそもそも、仕事をアレンジメントするのは「エージェント」、身の回りのことを処理するのは「マネージャー」、お金のことは「税理士」というのが一般的で、そのすべてをひとまとめにしてタレントを抱えてしまう「芸能事務所」というシステムは、日本独特なものなんですよね。敏腕エージェントがいて、優秀な税理士がいれば、残りの身の回りのことは親戚とか仲のいい友人に任せちゃう、みたいなやり方は、これから日本でも普通になってくるかもしれないと思っています。だって今は、活躍の場がテレビだけではなくなってきているし、タレント本人からの自己発信は、所属プロや大手メディアに頼らなくても、SNSで簡単にできてしまう時代が到来していますからね。

> 次ページ ヒラタオフィスの芸能界的“落としドコロ”

ヒラタオフィスの芸能界的“落としドコロ”

 最近のプロダクション移籍ネタでもうひとつ気になったのは、「女性自身」(光文社)が報じた一件。ヒラタオフィスを出た宮崎あおい、多部未華子、松岡茉優の3大女優の、“新会社”への移籍の件でしょうか。真相はわかりませんが、これ、実は非常にシンプルなお家騒動に近いものなんじゃないかと。3女優は、2018年3月にヒラタオフィスの社長に新しく就任した人物のことを、あまり信頼していなかったと聞きますし。

 何がきっかけになったのかはわかりませんが、あるタイミングで彼女たちから「独立したい」と言われてしまった。そこで次善の策として、信頼できるマネージャーが“関連会社”を立ち上げ、そちらに“移籍”するという形にしてとりあえず収めた、という話なのではないかと。これも芸能界ではよくある話で、マネージャーとタレントの相性が合わないと、しばしばこういうことが起こります。

 移籍先となる「ヒラタインターナショナル」は、宮崎あおいをずっと担当していた女性マネージャーを中心にした会社で、彼女は多部未華子からも厚い信頼を得ていた人格者。ずいぶん前から2人は、この女性マネージャーじゃないとなかなかコントロールできないという噂話は漏れ伝わってきていました。

 で、松岡茉優も、人徳のない新社長の下にいるよりは……と考えたのかも。でも、まったく別の会社を立ち上げるのではなく、当事者同士が落としドコロを探り、一応対外的には「関連会社」というところに着地させたあたり、実に芸能界的なものを感じますな。

 古くは、キャンディーズのマネージャーだった大里洋吉が渡辺プロダクションから独立して設立したアミューズ、それから今回の例に近い形としては、ホリプロの敏腕マネージャーだった小野田丈士が社内独立的な形で立ち上げたホリエージェンシーがありますね。アミューズはいまや上場企業となり、サザンオールスターズや福山雅治といった人気ミュージシャンを生み出すほどの大手プロダクションとなり、ホリエージェンシーも向井理や波瑠といった連ドラ主役級のタレントを生み出すまでに成長しています。いつの時代も、優秀なマネージャーのもとには優れたタレントが集まるということですね。う〜む、ぼくも頑張ろう!

芸能吉之助
弱小芸能プロダクション“X”の代表を務める、30代後半の芸能マネージャー。趣味は食べ歩きで、出没エリアは四谷・荒木町。座右の銘は「転がる石には苔が生えぬ」

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