9月15日@横浜みなとみらいホール
チャイコフスキー:歌劇「エフゲニー・オネーギン」よりポロネーズ
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 op.18
ピアノ:リリヤ・ジルベルシュタイン
* * *
チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調 op.64
指揮:西本智実
演奏: ロシア国立交響楽団〈スヴェトラーノフ・オーケストラ〉
今年、2度目の西本智美。この指揮者がさほど好みというわけではないのだけれど、この演奏はリリヤ・ジルベルシュタインを聴いてみたくて。
ジルベルシュタインは、今回弾いたラフマニノフで、アバド指揮のベルリンフィルでCDデビューをしているが、それは1990年にアバドがベルリンフィルの音楽監督になった直後の録音で話題になった。当時、聴いてダイナミックさもある中で、抒情もあり、いい演奏だと感じた。
一度、このジルベルシュタインをライブで聴いてみたいと思っていたのだけれど、叶わなかった。
チャイコフスキー:歌劇「エフゲニー・オネーギン」よりポロネーズの後、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番 ハ短調。
今年は3度目のラフマニノウのP協第2番。(前回も西本智美の指揮だった。ピアノは小林愛美)
ジルベルシュタインは、ゆったりと音楽を開始するが、CDで聴いたようなはっとさせられるような鮮烈さというものには欠ける。それが成熟というものなのだと思うけれど、それでもそんな風になればなるほど往年のピアニストたちの演奏と比べてしまうし、そうするとどうしてもどこか物足りなさというものが纏わりついてしまう。
ジルベルシュタインはデビューに比べ、どこかその後、聴く機会が急速に減っていったのだけれど、何かその理由というものが分かる気がした。成熟していくことは難しい。
後半はチャイコフスキーの交響曲第5番。
やはり、チャイコフスキーはロシアのオケで聴くと、ぐっとくるところがある。
それはもう冒頭部分で十分に感じた。その音色や音の運び。
その内にあるものを西本智美はよく引き出している。
ある意味では予定調和的ともいえるのだけれど、ときどきはこういった演奏を聴きたくなるし、そして、満足を覚える。
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