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2018年09月23日14:32

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『きみの鳥はうたえる』、佐藤泰志

近年注目している作家佐藤泰志の作品の映画化『きみを鳥はうたえる』が公開されました。
舞台は函館、本屋で働く僕は失業中の静雄とアパートで暮らしています。ある日、僕は同僚の佐和子と関係と持ち、佐和子はアパートに入り浸るようになります。三人の時間、永遠に続くように思われましたが、終わりが近づいています。

出演は柄本佑、石橋静河、染谷将太、実力ある若い俳優が演じています。
この映画の魅力は舞台の函館。少し土地勘があるのでロケ地を想像しながら楽しくみました。アップダウンと市電と海、絵になる町です。
日常の輝きを町の中うまく描いている思いましたが、登場人物の設定に不満を感じました。

函館生まれの佐藤泰志は1990年に自殺してからしばらく忘れられた作家でしたが、「海炭市叙景」が2000年に映画化されてから、作品が次々と文庫本化されてきました。映画化も『海炭市叙景』、『そこのみにて光輝く 』、『オーバー・フェンス 』、そして『きみの鳥はうたえる 』と着実に製作されています。製作や企画に携わっているのが函館のミニシアターシネマアイリスの代表菅原和博、この熱意に感心します。しかも主演する俳優が有名な若手俳優が多く、彼らを呼び込む力量を感じます。
私も「海炭市叙景」から読み始めましたが、しっかり働きながらうまくいかない状況から登場人物の個性を描くタッチが好きで読み続けています、初期の傑作「きみの鳥はうたえる 」の映画は登場人物は地に足がついていない感じで感情移入ができませんでした。映画の不満はそこにあるようで、原作は未読ですがどうでしょうか。


写真左:『きみの鳥はうたえる』のチラシから
写真中:最近古本で仕入れた佐藤泰志の文庫本
写真右:昨年訪れた函館
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