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2018年09月22日17:41

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冷蔵庫さん、ありがとう。

9月に入ってから冷蔵庫の調子が良くなかったので、新しい冷蔵庫を購入したのですが、昨日21日、その冷蔵庫が届きました。

写真は、リサイクルで引き取ってもらったPanasonicの古い冷蔵庫。
購入したのが2000年6月なので、18年間3ヵ月に渡って使ったことになります。母親の人生最後の18年(17年?)を共に過ごした冷蔵庫です。その期間は、幼少期を別にすれば、ボクと母親がもっとも濃密だった期間でもあります。母親が元気だったころは、ボク自身も若かったし、思い出すことはそんなに多くありません。介護や面倒を見るようになってからの記憶の方が生々しい。

これを購入した2000年当時は、母親もまだ60代で元気だったので、ボクが選んだこの冷蔵庫について、「ここが便利、ここが不満」などと会話をしたのだと思いますが、さすがにそれは思い出せません。……廃棄するにあたって、そんなことを考えてしまったので、記念に写真に撮っておくことにしたわけです。

ちなみに、冷蔵庫の側面に貼り付けてあるのは、母親が飲む1週間分の朝昼晩の薬を入れておくもの。これも、今となっては必要ないものなんですが、そのままになっていました。薬の整理もボクがやっていたので、これはこれで思い出深いものではあります。

冷蔵庫を汚れたままの状態でリサイクルに出すのも気が引けたので、軽く掃除をしておきました。トレーとかも軽く水で流すとか、野菜室の奥(トレーの外)で黒くなっていたゴミとかを取り除くとか。まるで、死者に湯かんとか化粧をしているみたいだな、などと思いながら……。

冷蔵庫に感情移入するなんてバカバカしい、という思いもあります。ただ、母親には、調理用具などを捨てる時に「お鍋さん、今まで長いことありがとうね」などと、話しかける習慣がありました。「これは結婚した時に買ったお皿だから……」みたいなことも言っていました。ボクはそれを笑いながら見ていたのですが、そうした感覚がボクにも伝染したのかもしれません。

樹木希林は、「人間は死んだら宇宙の塵に戻っていく」と言っていたそうですが、元は宇宙の塵ということなら、人間も冷蔵庫も大差ないです。事物に対して名残惜しいという気持ちを持つこと自体が、人間固有の特殊なメンタリティなんでしょう。仏教でいうなら煩悩でしょうか。だとするなら、鍋や冷蔵庫に感情移入するのも、バカバカしくも人間らしい行動なんでしょう。

とはいえ、新しい冷蔵庫が届いたら、それはそれでワクワクする感覚も沸き起こってきます。家電芸人なみに研究して選んだ機種なので、気になる機能がいくつもあったりするわけです。――それを母親に話すことはできないんですけど、一応、仏壇には報告しておきました。


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