《アイディア》《最近、調子が悪い》《明日の悲惨》

《アイディア》

今や世に送る製品の全てはアイディア勝負だと思う。
素材そのもので販売可能なモノはとうの昔に出尽くし、その後に続いたのが合成品といったところだったが、現在ではその合成品ですら出尽くした感があり、全てのメーカ発となる商品のほとんどは真似真似真似…となっている。
早い話が発売メーカーと商品名だけが異なる同一商品と言っても過言ではない。

本日、コカコーラの従業員と雑談がてらに最近の新商品について僅かながら話合った。
そのお題は『ジョージア　グラン微糖』。

偶然ながらテレビコマーシャルを目にした事があり、なかなか期待が込められた製品である事は無関心な心にも響いた。
しかし、市場に出回ってからの反応は…？
まるで手応え無し。即敗退ムードだ。

なぜこうなった？
開発者には分からない。だって、自分たちで『イケる！』と確信した商品なのだ。売れない理由を理解している方がどうかしている。

問題は簡単。既に『微糖』という商品名に客が慣れてしまっただけの話だ。
だいぶ前から出尽くした感が微糖シリーズにもあるが、本当の人気商品を別として、そこそこの人気以下の商品を消し去り過ぎだと、率直に思う。
せっかく好みの味に出会えても思ったほどの売り上げが出ないからと言って、次々と商品を開発する行為はターゲットとする客の気持ちを翻弄している行為に過ぎず、本当に過去の商品を好んだ客に対する裏切り行為とも思える。

アレコレと増えたジョージアのコーヒーシリーズだが、今現在ではコレといって目を見張る出荷を伴う商品は皆無だ。
かつては狂った程に出ていたエメラルドマウンテンですら渋り始めて久しい印象だ。

示すべき方角を見失ったアイディアとは、戦場で言うなら乱射に過ぎず、多くのターゲットを捉えられない大きな理由となっている。

…とまあ、コーラさんとの話なので製品名もジョージアだったが、これはアサヒだろうとキリンだろうと何も変わらないな。

ところで、最近はコーラ…元はサントリーだが、アイディアが功を奏した商品もあるにはある。
他の商品に阻害されている気もするが、それでも『ジャパンクラフト』は頑張っていると思う。
どんなアイディアが功を奏した？
個人的答えはその容器だ。中身も当然ながら思考を凝らしているのだろうが、残念ながら飲む側はそこまで理解していないと思うし、コーヒーを本当に理解する人なら、まずもってそこらで安値で手に入るコーヒーには手を出さないと思う。拘りがある故に、ラインナップの切り替えに準ずる事が出来ないのだ。
そもそもコーヒーは味よりも先に香りを楽しむことでも有名だ。そんな行為から入る人物にとっては缶の匂いが鼻をつくだろうし、容器の原料割合が変わるだけでも相当の変化に気付いてしまうと思う。中身は変わらずとも容器の変化で全く別物に感じてしまうワケだ。
という理由から、拘りを持つ人物が新商品に目を光らせる人はそうそう居ないと個人的に判断してしまう。

なら、ペットボトルは？
今どき珍しい存在ではないが、少なくともコーヒー関連の500ミリサイズには存在しなかったシロモノだ。
そこが目を引いたと思われる。飲む前から中身の味なんて知る事は出来ないのだから。
手に持った時の、あのふにゃふにゃ感は誰もが驚いたと思う。俺もビックリした。
カフェラテを口にした事があったが、まあ、残念ながら、中身の拘りというものはあまり感じられなかった。そんじゃそこらのミルク入りコーヒーだ。マズイものではないが、ウマイわけでもない。水出し独特の味わいというか、なんだか気持ち、味自体が薄い。
しかし、ボトルのあのふにゃふにゃ感は忘れられない。安定して掴み難い。腹が立つ。…でも、なんか握っていたい。そんな意味不明な感想を残した。
特にメーカーが狙った話ではないのだろうが、そこが狙いだったというなら、それこそアイディアだと思う。

『なぜコーヒーが缶でなくてはいけないのか？』
『なぜペットボトルは安定した形を維持する強度でなければいけないのか？』

アホな話かもしれないが、セオリーの作りのセオリーの味ではみんながありきたりを想像してしまい、今さら感が強い中でなかなか手は延びないものだ。
そんなセオリーを裏切る事で興味を引く内容こそが、アイディアだと思う。

そしてアイディアとは、中身を変えたり、より美味しいものの開発ではないとも思う。
全く同じ味、まったく同じ外見でありながら空前のヒットを生み出す手法であり、ついでに限りなくゼロに近いコスト。これこそアイディアと思うんだよね。

そんなワケで、俺が知るアイディアの一等賞は…、やっぱ『味の素』かな？

聞けばセコく、発想もありきたりだが、だからこそ凄い。そして誰も気付けない。それでも正真正銘の正攻法。
尊敬するなぁ。誰か知らんけど。


《最近、調子が悪い》

なんだか破損が目立つこの頃。今日はコーラ280mlをやっつけてしまった。珍しく飲料なのだが、きっと最近の日記で入り目の種類にケチを付けたささやかな祟りだという事で納得してみたが、それにしても、箱を横に引いただけで中身が飛び出すトラップはやめて頂きたい。

でもまぁ、起こってしまった事は仕方が無い。
という思いで俺のお宝コーナー（破損品置き場）にコーラが仲間入り。
…で、軽く集計。

コーラ280ml缶：24本
ごつ盛りソース焼きそば：計測不能…
ごつ盛りコーンミソ：7個
ごつ盛り豚骨：2個
スープで食べる豆腐鳥白湯：4個
昔ながらの味噌ラーメン：20袋
ホットワンタン：11個

ああ…多い…。でもこれでも減った。
安モノ揃いがせめてもの救いだ。そして気まぐれに食べられる事も…。
お隣さんの上白糖やゴミの処理に困る缶詰や、鰹節とか調味料に比べれば…。

またスロットで勝利を収めなければ…。


《明日の悲惨》

現場の最悪メンバーが明日終結する事になった。
退職やら事故やらでボロボロになったメンバー衆だが、身内の不幸も続いたようで残されていた正常倉庫もテンションダウン。
明日一日、主任クラス不在の2倉庫を運営すべく、2名しか存在しない有能リーダーが緊急派遣なのだが、その一方で残飯のようなメンツとなった我が現場…。
仲の良い同僚2名・総責任・サル5匹・………以上。

ちなみに俺は指定休暇☆　死ぬほどガンバレ。実際に死んだらぼこぼこのカップラーメンの一つでもあげるという約束をして帰路についた本日。

あ〜…考えるだけでぞくぞくするな。状況を見てみたい。でも、見付かれば確実に投入されるので行かない。


《あとがき》

癌細胞は除去するに限る。
とは、問題となるリーダーが赴任した直後に上司に訴えた事だ。
しかし、当時の人手不足を懸念した結果、1人追い払えば全てが丸く収まった当時の予想が、その1人を守ったお陰で結果的に、俺の部署関連で8人の人材を失い、更に2人の離脱候補者が存在する今現在。外部を持ち込めば失った人材の合計は11人であり、離脱候補者が4人となる。

本日、上司が別件で現れたので、ついこの前に辞めてしまった恩師の話を持ち出したら、彼も『急過ぎて対応出来なかった』とかなんとか。
いやいやいや、その辺の挙動をいち早く察知するのがあなたの仕事なのでは？　今回は確かに早かったが、少なくとも俺を含めた数人以外はある程度周知だったみたいなんだから、ピンポイントは難しくとも妙な感じは受け止めれた筈だ。
とか、そんな話に持ち込む。
そして、これで終われではない。という事も。
トドメに本日は休みだった癌細胞そのものを指し、『癌は着実に進行してますよ』という最悪の助言も促す。

俺って優しいなぁ。
時期的な要素の狂いはあるが、これでも的中率はほぼ100％で、上司も知っているもんなぁ。

どうなる事やら。

でもまあ、既に立て直しは無理っしょ。残念ながら、この人じゃ。