《実はミクシィで4人目…だっけかな？》
うーん…。俺の表現する文面って女っぽいのかな？
いや、たま〜にね、…勘違いされる。
女性という事で………。
『心優しい、素敵な女性と感じました』
…………。
印象が悪く伝わっていない所は救いなんだけど、…なんかね、変な感じだね。
男性よりも女性と一緒に育った幼少期が長いせいか、乙女心でもあるのかな？
なんか『あー…この人、勘違いしてる…』ってわかっても、『違うから！』みたいなバッサリが出来なくて、どう断るかをあれこれ悩んでしまう。
…というか、一応は文章書きなので、真髄から離れていても、数回文章を交わせば大体の心理は分かるんだ。…でも、だからと言って、途中でぷっつりと切れないのも俺の悪い癖だな。
結局は相手の本音が顔を出てきてからの反応となってしまう。
今回もまた、知らない相手とはいえ、期待を裏切ってしまったかな。
…で、こんな状況に限ってパソコンは調子付くわけだし。
でも、無視したくないし。
でも、変な驚愕も与えたくないし。
でも、どう書こうし？？？
つーか悩むのも変だよな。実際、俺、男だし。
なんだい？ この悩みは？？
そんな、悶々とした気持ちでお返事制作…と、その前に、俺の書いたどこかの文面で『女性』を思わせる表現があったのではないかと気になる。
…で、その対象分野と思われる所をあらゆる角度で再確認。
対象分野は相手との接触が始まった10日前の日記から現在まで。
まあ、記憶の限りでそうだったけど、記憶の通りに自分を女性と表現したような言い回しは無さそうだ。
再び文章制作。相手が穏やか極まったような方なので、その表面にアザとなるような打撃を与えたくない。そんな気持ちを維持しての制作だ。こりゃ疲れる。
そんで完成。
完成はしたのだが、コイツを送信すれば、相手方が気落ちするかも知れない。
いや、するだろう。しなきゃおかしい。理想の印象を持つ女性と見極めた相手の正体が、実際には俺みたいなヒゲモジャの男性なのだ。メンチと信じて口に入れたらコロッケだったくらいの衝撃だ。
しかし、真実を伝えなければ、きっと人生有数のどうしようもない時間を与え続ける事になってしまう。それはそれで残酷な話だ。
俺は心を鬼にしてエンターキーを押そうとするが、キーまでの距離が非常に長く、完成から送信まで1時間は掛かってしまった。俺の右手の動きは『時速約30�僉戮半斂世気譴申峇屬任發△襦�
向こう側でひたすら返事を待っていたのかな？ その反応が異様に早かった。やんわりあしらう俺の言葉が鬼の猛襲に感じなければ良いが…。
…けど、よかった。相手方のショックは確かにあるようだが、穏やかな印象はそのままのようでもある。
良い人に巡り逢えればいいなと、密かに願うばかりだ。
……………しかし、女性か…。俺が…。美人さんかな？
いずれにしても、今度プロフィールを更新しよう。
《第三攻勢》
会社でウラを取り続けた結果、コンプライアンスの名目で会社グループ全体のアンケート実施に漕ぎ着けた。
氏名記入欄無し。現場記入欄無し。職歴記入欄無し。存在する個人情報記入欄は性別と三種に分けられた、ざっくりとした年齢層のみだ。
俺の目的は現場作業員の本音の暴露。
でも、俺の現場だけでのアンケートだと発信源が限定されるので意味がない。必要な発信源は出現場所を断定できない多方面からの多数参加だが、代表区域でも意味がない。
という理由で全国規模の全社員規模で提案。というよりゴリ押し。
…で、実現。
アンケート用紙を確認してワザと大声。
てぃ：『お！？ 名前も社員ナンバーも要らないんだ！？ アンケートらしいじゃん！ 好き放題書けるじゃん。気にする必要無いじゃん！ 本音が書けるじゃん！ ほとんどマル付けるだけじゃん！ 名指しで行こうぜ！ 会社潰す気で行こうぜ！！』
上司：『いや、会社潰しちゃダメじゃん』
黙れ上司。今俺は『印象に残る分かり易い記入の仕方』を周囲全体に教えているんだ。まあ、会社が本当に潰れちゃえば大変なんだけど。
でも、功を奏したようで、黙ってりゃきっと書く事さえしないまま期限を迎える面々が質問してくる。そりゃ〜恨みつらみがあるもんなぁ、ぜったいに。
面々：『この紙って、どう書けばいいの？』
キサマ等は本当に小学校を卒業したのか？
なんて思いつつ、
『この質問に対して、自分が思う所にマルを付けるんだよ。…こんな感じにね』
…と、油性（！）マジックで丸を付けてあげる俺は凄い親切さん。
ちなみにマルを付けた質問は、
『あなたは会社内でのパワハラを目撃した事がありますか？』
という項目の、
『ある。現在も続いている』
の部分☆ 俺に尋ねて来たのが偶然にもサルBさんだったので、本当なら『ある』ではなく『あり過ぎて困る』にしてあげたい本音があるが、周囲の目があるからね。こちらに興味がないとはいえ、そのパワハラ行使者も向こうに居るし。
紙面をサラッと一目し、傾向を知る。そしてみんなに伝える。
『どこにマルを付けていいか分からない時は、最後の数字にするといいみたいだね』
この人たちは真面目なんだけど、漢字が読めないからな。それが嫌で文章系伝達事項を無視し、結局業務に支障が出るワケだし。
ちなみにマル付けの位置を『最後の数字』としたのは、質問への返答例のほとんどが下の数字に行くほど肯定回答となるため。もともとブラック企業なので、この際、純黒もアリかと。
尋ねて来た内の2人は俺の進言を忠実に受け止め、全ての質問に最悪の返答をする形で全項目のマル付け完了。すぐさま封筒に入れ封をし、直接上司に渡し、スッキリした顔で帰って行った。
家に帰って来て内容を確認。そのうち幾つか気になる質問が…。
『あなたはセクシュアルハラスメントを受けたり目撃した事がありますか？』
一番下の回答。
『受けた事があり、現在も続いている』
…マイッタなぁ、ホモだらけ現場になっちまう…。
《犬吠崎マリンパーク》
数年前の近辺旅行じゃないが、犬吠埼に泊まりに言った事がある。千葉県先端は移動範囲も狭く、3日もあれば周辺地理が完全に記憶できそうな狭い範囲だが、そんなこじんまりとした昔ながらの情景が嫌いではなかった。
宿泊したホテルからは偶然にも犬吠埼マリンパークの背面が見て取れた。
街中を散策中に発見し、入ろうかと迷ったわけだが、閑散とした駐車場と、まず釣り合わない入場金額、そして掲示されてから何年が過ぎているかも想像できない日焼けした看板の存在がそれを拒否し、結局は無視してしまった。
そんな、数時間前の鮮明な記憶を保ちながらの背面観察は、悲惨の一言。
3.11の地震の影響だろう。壁が崩れ落ち、失ったガラスがあったであろう部分にはズタズタに引き裂かれたブルーシートが目張りしてあり、少ない飼育員で手が届いていないのか、薄汚れた水槽の中では複数のペンギンが暇そうに佇んでいた。
本来ならとっくの昔に見切りをつけて廃業すべき、あってはならない存在感だろうが、生命を扱う以上、おいそれと廃業する訳にもいかない経営の基準が傍目から見ていてもどかしかった。
売り上げの向上は既に絶たれているのが正直な感想であり、加えて言えば、営業を続けるほど関係者と動物たちは苦しさの局面に長く身を置く事になる。
一大決心で全てを更地からやり直そうとも、土地の狭さやライバル水族館の現在の価格設定の低さ、それと、周囲の観光名所の弱さと地理的な僻地という意味合いもあって、再建は実現しても再び窮地に襲われる事は想像に難くない。
まずもって時代が異なる。笑顔で入園した親子が5分と滞在せず、何とも言えない空気を作り上げて車に戻る姿が今の時代では薄過ぎる内容を物語っていた。
そんな犬吠埼マリンパークは少し前に営業を終了していた。やはりという正直な感想だが、生命の扱いは廃業の一言で人間を解放してはくれないらしく、今度は残すわけにいかない生き物の管理に金銭を失う宿命にある。
収入の無い活動と、放出ばかりの活動。
未だにイルカとペンギンの引き取り先を探すのに苦労しているようだが、生命そのものを行使して生き長らえる、人間の持つ業の深さとも言える結末なのかもしれない。そう思った。
救いは未だ生存中の動物たちを見捨てていない精神だが、見返りはきっとないだろう。
そして関係者もその事を理解しているだろう。
世の中は残酷だ。かつての繁栄がどれほどのものだったかは計り知れないが、朽ちる寸前は如何なる行動さえも制限されてしまい、その中を必死に生きるしかないのだから。
《レイザーラモンHG》
という芸名だっけかな？ サングラスのSM調正装な芸人。
なんか普通の格好だと非常に好青年っぽい話を聞いた事があるけど、人間の二面性なんてそんなもの。仕事とはいえ、あんな恰好でテレビ出演は想像するだけで恥ずかしいものだが、そんな芸を眺めて笑えるというのは自分にもそういった内面があるからだろう。人気の数だけ同じ思想を持った人が存在するというワケだ。
そんな彼を、久々にテレビで見た。『エンタがなんたら』…みたいなタイトル？ 番組？ よくわからんが、そんな文字を見た気が…。『エンターテイメント』？？ どーでもいい。
話の内容は…何だろう？ 太った中年（こちらも見た事あるひとたち）2人とレイザーラモンHGが体の鍛え方みたいな内容みたいだったが、その姿が懐かしい。
銀製のトレー一つでちんこを隠しながらのトレーニングのようだが、もちろんトレーは手で持って中身を隠しているだけなので、落とせば確実にJr.が『こんにちは！』する状況だ。
時間がなかったので20秒ほどの視聴となったが、じわじわと来る笑いと、どうしようもないバカな内容が純粋に笑え、同時に昭和によく見る事の出来た『当たり前』を思い出した。
そうなんだよな。お笑い番組の内容は下品だったり、馬鹿だったりするから笑えるんだよな。
PTAだかモンスターペアレントだか知らんが、『お笑い』にいちいち口を挟む面々がどうかしていると思う。いや、口を挟む面々が生まれてこのかた『笑った事がない』特別な事情を持つんだったら理解もするけど、怒る事が出来るんだから、きっと笑う事も出来るんだろうと思う。…やっぱり理解出来ないな。
まあ一言感想じゃないけど、食べ物や生物を傷付けなければ何でもアリなんじゃないかな？ お笑いって。
それがダメというなら、北朝鮮みたいに国の内容だけに絞った番組構成にすればいいと思う。
限りなく下品でいいじゃん。お笑いなんて。男女は異なっても、みんな持っているものだし。決して珍しいものじゃないと思うんだ。
《あとがき》
とんちんかんな我が人生。とんちんかん故に自分の道筋がデタラメであって、そこに続く光景もゴチャゴチャだ。
自然界を自分の人生に投入すれば、
ペンギンの隣をダチョウが駆け抜け、ライオンの背中にマメジカが休み、小魚の大群をサメが率いる…。
生息地や生命維持のスタイルを考えると現実的にあり得ない話ではあるが、そういった光景にも似た時間帯が現実として現れるから、我が人生にして俺自身の性格からすればなかなかに面白みがあるものだ。
そんな考えを持っているから、他人に『変なヤツ』と指差されるのだろうとも理解しているが。
それにしても、今回の女性勘違いは困った。
これまでの過去の勘違いは一方的な決め付けとか、『もしかして？』という疑心から来るものだったが、今回の方はそう信じ込んでおり、しかも恋心（純真っぽい）付き。
裏企業勧誘の手口にも思えなくはないが、なんだろう、文面を拝見するあたり、それは遠い。もし裏の勧誘工作だったらとんだ人手不足という話だ。
互いの声も顔も性格も知らず、短い文面の数回で恋に落ちる気心が理解出来ないが、思い込みであってもアタックを仕掛ける精神はある意味で素晴らしくも感じる。
そういやマイミクではないが、姫もネットゲームで知り合った男性と結婚したっけなぁ。元気かなぁ。子供生まれたのかなぁ？ 無理し過ぎるからなぁ…。
数少ないすき屋生存者な気もする。
ログインしてコメントを確認・投稿する