mixiユーザー(id:14921690)

2018年09月10日05:45

106 view

孤食を食らえ!

昨日慌てて録画したNHK「よみがえる藤田嗣治 天才画家の素顔」を途中から観た。感動した。
20世紀初頭フランス画壇で高く評価されながらも戦争に巻き込まれ、日本に戻るや戦争画家に変貌しそのため戦後それを日和見と酷評され新天地にふたたびフランスを選びそこで国籍を得て日本を捨てると再度罵倒されと波乱の生涯のこの画家のドキュメント60分ものの残り22分だけでも見られて良かった。

フォト

晩年はフランス郊外に移り小さなアトリエ兼自宅で余生を送ったとあったが、最期まで創作意欲あふれるその生き様に圧倒され、番組案内人の戸田絵理香ちゃんも絶句していた。
彼女曰く藤田を「描くことに呪われた人」と評しておりああだから世間から酷評されたつらい時期があっても心も絵筆も折れず一本道でいられたのだなと感じた。
最近ようやく藤田は再評価されつつありちょうど現在上野の東京都美術館で没後50年の展覧会を開催中だそうだ。

これ行きたいなあ。でも以前この美術館では泣かされたことがあるから躊躇している。というのも2年前だか伊藤若冲展を観に行ったところ会場入場待ちだけでなななんと4時間半と言われ肩落として帰ってきたことがあったのだ。
当時瞬間台風の如く若冲人気が沸騰していたせいであろうが、おそらくこの美術館の観客をこなす処理速度電子業界でいうベアラ速度が著しく劣っているせいではないかと推察している。なので藤田で二の舞になるのはごめんだ。けど観たい。美術館に問い合わせてみようか。

フォト フォト フォト

番組では藤田が晩年肉声を自ら録音しておりそれを初公開で聴けて楽しかった。声からユーモアある方と伝わった。レオナールよ永遠に。

数日前のA日新聞で目を惹いた記事があり読み返そうと思ったところ既に古紙回収に出してしまい惜しいことをした。といっても内容は大したことではないので覚えている限りを書いてみるとする。
それは「孤食」についての記事であった。あの名作漫画をドラマ化して人気となり世間では広く認知されている「孤独のグルメ」であるが、あの作品が韓国でもコミックが3万部近く売れ、その影響であろう韓国で孤独のグルメつまり外食での孤食が人気なのだそうである。

孤食というが要するにお気楽ひとり飯だ。ではなぜ韓国で孤食が注目されているかというとあの国では複数人でわいわいと食事をするのが通例でありひとりでもくもくと食事をするということがいままでは敬遠されていたという文化があったそうだ。
そこへきてあのドラマが韓国でも人気となり主役の松重豊さんは韓国でも人気者のようで、それが韓国の食文化にも影響して変容が得られたということらしい。
最近松重さんはそのため韓国に出張してインタビューを受けてきたとありあれまあたいへんだと思った。その松重さんのインタビューの抜粋が記事になっており松重さんが孤食ブームをこう評していた。

曰くみんなでわいわいの宴会飯は楽しくて美味しいものの酒も入ったりすると後でなに食ってたか忘れてしまう。なれど孤食であれば食べたものの記憶が鮮明に残る。そこに孤食の良さがあるのではないか、とあった。

フォト フォト

なるほどねえ。松重さんのご意見はそのとおりだと思った。ひとりで食ったものってちょっと頭の隅に残っている気がする。
以前から日記に書いているが僕は孤食があまり好きでないというかちょっと苦手だ。ひとりで外食というのが周囲から寂しく見られてはいまいかと余計な意識が働いているからかもしれないと思っている。

なので家での昼食はしょっちゅう孤食であるがあれはまったく気兼ねがないから好きだ。まあ外食しないのはそのあたりの貧乏性も影響しているのである。
よってひとりで外食する際はいつもたいてい同じところでありファーストキッチンか横浜なら激安中華の龍王といったところだ。あまり食べ散らかさないというかあちこち行くことができないでいる。

第二次独身時代は単独で常連の居酒屋に日参していたがあれはそこに行けば必ず気の合う常連と会えるし店主と親しめるからだ。なので孤食に該当しない。つまりは寂しがりなんだね俺(>_<)。
いつだか変な経験をした。当時の草野球の仲間ふたりと飲んだ帰り連れがラーメン食いに行こうと誘われたのが有名な九州ラーメン屋の「一蘭」であった。
入店して初めて知ったのであるがあの店私語厳禁でありカウンターの作りが図書館の個机のように間仕切りがされており本当にひとりでもくもくと食べる仕様になっておりなんだこりゃと思わされた。僕は連れと私語会話しながらラーメンを喫食したかったので腰砕けとなり、食事後この連れになんでこんな店に連れてきたんだと相手に悪態をついたものだった。

あれから20年。いまや孤食が文化となりつつありつまりは一蘭とそこに僕を連れて行った知人が一歩先を行っていたということになるのであろうか。なんだか唖然である。
そうして思い出す一覧のラーメンであるがふつうのとんこつ九州ラーメンの上に赤みそみたいなかたまりが乗っていて何かというと練り唐辛子のかたまりだったためラーメン一杯がたいへん辛くて食えたものではなかった。それもあって悪態ついたのであった。

あれ以来一蘭には再訪していないがなんだかまた行ってみたくなった。孤食を味わってみたくなったのだ。今回のブームがあるのでまた違った味わいになるかもしれない。
まあそれでも僕にとっては一緒に食べてくれるひとがいることこそがご馳走だと思っており、それがもっぱらチビたちと家内と一緒の家族食なのでこれ以上のことはないと思っている。

ところで僕「孤独のグルメ」の漫画本全2巻を所有しているのであるが我が家でそれが見当たらない。床屋のマスターに貸し出した気がするが定かでない。マスターに問い合わせてうん借りたかどうか調べてみると言われたきり連絡がない。
連絡がないのはおそらくマスターが僕の電話番号を失念しているからだと察している。
マスター面白くていい男なんだけど粗忽なんだよね(>_<)。
1 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する