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2018年08月31日04:03

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「座頭市の歌が聞こえる」。

懐かしい作品である。



シリーズ作品を見始めの頃、この作品に出会えてよかった。
後年の、リアルかもしれないが、だからと言って
厭世観が漂う感じのドロドロした作品群から入っていたら
ここまで好きにはならなかったかも知れない。

平田弘史先生が座頭市をコミカライズした時は
確かこの作品を劇画化されていたと思うが、良い選択だと思う。
(と言うか劇画化当時はこの年代だったのだろうか?)

勧善懲悪・・・・と言うと何だかルーティーンのように流れている
テレビ時代劇みたいに誤解されそうだが、
気品すら漂う仕上がりになっていると思う。

勝新もこの頃、声も聞きやすい感じで大変良い。
後年は巻き舌を駆使しすぎている所と、
どうにもねっちょりした喋り方があまり好きになれなかった。

映画館の大画面で見る事しか前提とされていないから、
引きのカメラが多いが、それもまた良い。

確かこの作品で最初に蝋燭を切り飛ばして切っ先に載せる所を見せたのであるが、
最後の座頭市で同じように乗せるシーンが有り、
本人的にも気に入っていたのではないか?

この作品ではシリーズ定番となっている、
「最後に強敵と一対一で斬り合う」と言う最強のライバルに
「座頭市物語」(座頭市1作目)で共演した天地茂を再起用しているが、
息の合った立ち回りをしている。

おそらくシリーズ中、派手さは無い物の、1〜2を争う
素晴らしい勝負だったのではないだろうか?
(後は若山富三郎、近衛十四郎が上がると思う。)
権利が切れたのか、YouTubeに丸ごと上がっててびっくりした。
         
今、あんな引いたカメラで見せられるチャンバラが出来る人が
何人居るだろうか?
(いわゆる技術だけなら居ると思うが、間と演技も伴う事で。)

この作品では普段悪役とかをよく演じている方が
宿屋の主人で昔気質のお爺さんを演じておられるが、上手い!
こんな人がわきを固めていたんだから
全体的にクオリティが上がるのは当然である。

少し残念なのは「ちょっちゃん」で怖いお父さんを演じていて
物凄い存在感を醸し出しまくっていた方(佐藤慶)が
この頃はまだ若いのか、ラスボスとしての貫禄が今一つであった。
(そういう役柄だったと言うのも有るんだが。)

しかし・・・・最後らへんで市が親分に金をせびりに行くシーン、
素晴らしいとしか言いようがない。
間と言い、職人芸と言うか・・・・完璧である。

この作品に出合えていてよかった。\(^o^)/
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