狭くて暗い中を泳いだ…
泳いで泳いで、ただひたすら泳ぐしかなかった…
いったい何のために?
登山家がおしなべて「そこに山があるから」とかいうのとは
また違うようだが
突き上げてくるリビドーに踊らされるかのように
とにかく泳ぐしかなかった…
ふと見渡すとライバルたちもまた泳いでいる
とてつもない数のライバルたちだ…
しかし彼らは他人とは思えない
むしろ、兄弟たちのような存在だ!
だがここは勝負の世界!
そんなおセンチな気持ちでいると
そこに待ち受けるのは「死」あるのみ!
そうこうするうちに我々は
巨大なるオアシスにたどり着いた!
この中に真っ先に侵入した者だけが栄冠に輝くのだ!
「栄冠は君に輝く」ってのは
元々高校球児ではなく我々の為に作られたテューンだと言うことは
カルトクイズのチャンピオンですら知らない
さて、闘いは佳境に入った!
そしてワシは二億匹のライバル達を蹴落として
見事、栄冠に輝いたのだ!
それから55年の年月が過ぎ
今こうしてワシがここにいる…
終わり
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