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2018年08月22日10:26

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松っちゃん。

「自然が全部教えてくれるんや!」と72歳の隣町の便利屋の松っちゃんが酔っ払うといつも言う。中学を卒業して都会に出て20歳で家業の大工を継ぐために田舎に戻って来たが、時代と共に日本建築は廃れていった。

「プレハブ小屋みたいな家ばかりになって商売上がったりや」と左官屋、ペンキ屋、水回り修理、壁修理、屋根修理、家屋解体、コンクリート基礎工事、雑木伐採…何でも屋に転身してはや40年。いつも格安で丁寧な仕事ぶりが買われ地元の人から重宝されている。

「金なんか要らんねん。その日の飲み代が稼げたらええねん。後は趣味のラジコンヘリの部品代やな」と今夜も90歳のママさんが営む近所の小さなスナックで客を笑わせている。

「女々しい男が多なったわ。政治も悪い。ワシは共産党員やないけど、一番まともなことを言うてるのは共産党やと思うな。教育も悪い。子供はもっと自然と遊ばなアカン。森で一人で木を切ってる時とかに鳥や獣、風が、何が大事かは全部自然が教えてくれるんや」と時折マジな顔にもなる。
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