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2018年08月05日20:39

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依存性人格障害(依存性パーソナリティ障害)


不安や恐怖感が非常に強い人格障害です。
周りに対する評価や視線などが非常にストレスになる傾向があります。

大切なことも自分で決められず、他人の判断に任せてしまう。

非常に受身的、自己を管理してくれる人がいなければ、何も出来ない。

孤立を避けるために、自分の欲求でさえも、他人の欲求に合わせたり、自分の責任を他人に押し付けるので、いざ一人になると非常に不安や抑うつにかられる。

誰かに世話をされたいという過剰な欲求があり、そのために従属的でしがみつく行動をとり、分離に対する恐怖を感じる。



◆依存性人格障害の特徴

依存性人格障害は、従順で、服従的であり、自己主張がほとんどありません。

自分で責任を持つことを恐れるため、すぐ他人に責任を押し付けようとします。

責任を持たざるを得ないような状況になりそうだと察知すると、すぐに逃げます。

人にまとわりつくことが多く、時には金魚の糞のように、他人にくっついていきます。

他人の影響を受けやすく、被暗示性が高いと言えましょう。

自分というものが無くて、あまりにも何でも言うことを聞くので、時には不気味に感じることさえあります。

このタイプの人にとって、愛とは、一方的に依存することであったり、あるいは、お互いに依存し合うことであったりします。
そして、愛とは、精神的に自立しない状態を受け入れてもらうことなのです。
つまり、愛=依存なのです。


自立への欲求が根こそぎ奪われていないような場合は、そのわずかに残っている自立心ゆえに、自分の持っている強い依存心に悩んだりします。

例えば、相手に受け入れられやすいように、ついつい良い子を演じてしまうのですが、その後で自分の演技性に対して自己嫌悪に陥ったりします。
良い子を演じてしまう欺瞞性を自分でも分かっていながら、止めることができないのです。
今度こそ、本当の自分を出そうと決意しても、いざその場になると、またいつものように愛敬を振りまいたりして、ついつい良い子を演じてしまうのです。

あるいは、責任逃れをしている自分をなんとかしようと努力したりすることもあるのですが、いざその場になると逃てしまい、さらに自己嫌悪に陥ったりします。


あるいは、相手の人に、母親役を演じさせようとして、様々な手段を使ったりすることもあります。

病気になることで世話をしてもらおうとしたり、何かをわざと失敗して助けてもらおうとしたり、あるいは弱者を演じ、被害者を演じ、媚びを売ったりと、ありとあらゆる手段で相手を依存関係の中に引きずり込もうとします。

自分の心にわずかに残っている自立心が、そういう欺瞞に満ちた卑怯な自分を糾弾することもあるのですが、なかなかこの状態から抜け出せません。
いざその場になると、心は依存の傾斜を転がってゆくのです。

例えば、困難な出来事に直面したときに最初に思うことは何かというと、どうやってこの問題に対処したらいいのか、ということではなくて、最初から、「誰か助けてくれないかなぁ」ということなのです。
そして、次に考えることは、「誰かに助けてもらうためには、自分はどうしたらいいのだろうか」ということなのです。
これが依存性の強い人の思考パターンとなっています。


他には、自分を相手に合わせ、相手の要求を優先するというパターンなどがありますが、この背景には、自分では自分の面倒を見れないんだという誇張された無力感があります。

しかし、その一方で、自分のためになることはできないのに、他人のためになることは、いとも簡単にやってしまうのです。
自分自身が様々な問題を抱えているにもかかわらず、自分の問題を棚に上げて、他人の問題に関わろうとしたりします。
自分自身の世話をせずに、他人の世話ばかりするのです。
自分自身の世話をすることが恐いのです。
自分に役に立つこと、あるいは、自分自身にとって利益になることをするのが恐いのです。

これは、虐待場面でも良く見られるパターンです。
暴力を振るう夫に、必死になって耐えたりします。
殴られても蹴られても、見捨てられるのが恐かったり、あるいは自分さえ我慢すればという思いがあったりして、自分自身が虐待されて悲惨な状態にあるにもかかわらず、それでも自分をかえりみずに、必死になって夫のために尽くしたりします。



◆依存性人格障害の性格行動面の特徴

依存性人格障害は、他人から保護(世話)や是認(保証)を得ようとする依存的な性格構造であり、『自分の人生に対する主体的責任』から逃れようとするところに最大の特徴があります。

親密な他者に対する強い見捨てられ不安と持続的な依存性が見られ、常に受動的で無力な態度を取ることで、『他人の世話・是認・愛情』を引き出そうと試みますが、その根底にあるのは、『私一人ではこの現実社会を生き抜くことはできないだろう・私には絶えず私の人生の責任を全て引き受けてくれる保護者が必要である』という自己否定的な認知です。

『他人からの世話・保証・愛情』などを絶えず必要としているので、基本的に、『他人の意見・感情・判断』を否定することはなく、他人に合わせることで自分を安全な方向に導いて貰おうとします。

この人に全部任せていれば私の人生は大丈夫と思えるような、『リーダーシップや独立心のある人(面倒見が良く適応力の高い人)』を強く求めているので、他人に対しては協調的(迎合的)であり自分の意見や価値観を強く主張することなどはありません。


依存性人格障害の基本的な行動戦略は、他人を拒絶せずに自尊心を満たすことで、自分に対する好意と保護(世話)を継続的に引き出そうとすることであり、受動的(消極的)な態度によって面倒見の良い相手(無力な人を放っておけない相手)をコントロールします。

中核的信念は、『他人の世話と援助がなければ、私は一人では生きていけないだろう』というものであり、頼りになる強い相手から見捨てられることを極端に恐れ、その相手から嫌われないために従属的で消極的な態度を常に取ります。

彼らは、『他人と対等な立場』に立つために自分の能力や技術を高めることには関心がなく、『他人よりも格下の弱い立場』にあることを強調して、他人からできるだけ手厚い保護や支援を得たいと望んでいますので、自己主張と能力の発揮をできるだけ抑制しようとするのです。


依存性人格障害の人にとって、自己主張や能力(技能)のアピールは、『精神的・経済的自立の顕示』に当たり、自分が自立可能であることをアピールすると、『他人の世話や是認』を失ってしまうのではないかと強く恐れています。

彼らの、『自己の自立』に対する強固な不安とは、『もう、あなたは一人でも大丈夫だね』と頼りにしている相手から思われてしまうことであり、自立(自信)による、『自尊心の強化』よりも従属(調和)による、『他者からの保護』に高い価値を置いているのです。

そこには、『自分の本当の適応力・精神力』に対する根深い自信の欠如があり、中途半端に自立能力をアピールすることは、『他者からの見捨てられ』に繋がるという保身的な認知があります。

依存的・受動的な彼らは、『他者からの世話』を失えば、自分は厳しく過酷な現実世界の中で生きていくことが出来なくなると考えています。

自分の人生に対する主体責任を放棄したいという異常なまでの依存性・受動性によって、心理的・社会的デメリットが大きくなるという問題があります。

依存性人格障害の一部はひきこもりや無職者(ニート)などの非社会的問題行動群へと遷移しますが、回避性人格障害のように、『他人との関係』を避けようとするのではなく、『他人(母親・配偶者・恋人)との依存関係』にしがみつくという特徴があります。


依存性人格障害の人は、日常生活では不安を余り意識しない幼児的な楽観性が見られ、他人に対して従順で受容的な態度を取ることで、『自分の人生に対する責任・決断』を自分の代わりに誰かに取ってもらおうとします。

その為、依存性人格障害の特徴として、『頼りになる強い人・依存できる賢い人・責任を押し付けられる人』と好んで親密な関係を持とうとすることがあり、そういった人たちに調和して服従することで、『他人からの世話と愛情』を一時的に得ることに成功します。

しかし、そういった依存のための行動戦略が失敗すると、頼りにしていた強い相手から見捨てられるのではないかという不安感と絶望感が非常に強くなり、抑うつ的に塞ぎ込んで一切の行動力や活動性を失ってしまうことがあります。

こういった自分の人生に対する自信の喪失と重度の抑うつ感が長期化した場合には、非社会的なひきこもりや就業困難などの問題が長引いてしまうことも少なくありません。
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