ちょっと出遅れたかも．．．

■ニコン、ミラーレス高級機種を投入へ　大型センサー搭載
(朝日新聞デジタル - 07月27日 11:51)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5218476

　保守的なイメージのあるNikonだがミラーレスカメラは結構前から存在した。　Nikon１シリーズである。
　しかしそれはNikonの主力製品であるデジタル一眼レフとバッティングしないような明らかに格下感のあるチャチなカメラシステムだった。　位置づけとしてはニコンのデジタル一眼レフの入門機のＤ３０００シリーズの更に下のクラスと言う位置づけである。　そのような製品を昔からのニコン党がわざわざ買う筈は無い。

　では誰が買うか　NikonはそのNikon１シリーズをこれからレンズ交換式カメラを買おうとするエントリーユーザーを取り込むカメラとして売り出した。　コンデジやスマホカメラのユーザーのステップアップ用に丁度いいクラスとしてNikon１シリーズが登場した。
　Nikon１シリーズでレンズ交換式カメラに入門して貰い、やがてはNikonのデジタル一眼レフの高級機を買って貰おうと言う戦略である。　そこまでは良かった。

　しかしスマホカメラやコンデジを使っているユーザーがステップアップでNikon１シリーズを選ぶとは限らない。　登場したばかりのNikon１シリーズには強力なライバルが存在した。　OLYMPUSやPanasonicのミラーレス一眼である。　史上初のミラーレス一眼カメラとしてPanasonicのＧ１が登場し、オリンパスがそれに続いた。　ミラーレスカメラはその二社が先行していた。　

　後から出たNikon１シリーズがPanasonicとOLYMPUSが出しているミラーレスカメラに勝っている部分はほとんど無かった。　カメラの作りも安っぽくてOLYMPUSのミラーレス一眼のような精密感や高級感は無かった。　カメラの値段は大差無かったのでNikon１シリーズを買うくらいならもう少し出してOLYMPUSやPanasonicの高級感があるカメラを手に入れた方が良いと考える人が多かった。

　それでもNikon１シリーズは五年以上存続した。　全然売れなかったが何回か新製品が登場してNikon１シリーズだけで１０機種くらい登場した。
　売れ残ったNikon１シリーズが量販店の叩き売りコーナーの籠の中に入っているのをしばしば目撃した。　Nikonとしては屈辱だろう。
　しかし遂にNikonも力尽きた。　売れないカメラにこれ以上こだわる事は出来ない。　NikonはNikon１シリーズを見捨てる決断をした。

　敗因はNikonのお大事な一眼レフを守るためにNikon１シリーズの性能を妥協した事だ。　Nikonの主力製品のデジタル一眼レフは守ったが同クラスのライバルに惨敗した。
　守りの姿勢で腰が引ける製品を出しても他社製品に魅力で劣ると売れない。　

　今回のNikonの新たなミラーレスカメラはNikon１シリーズの失敗を踏まえて高級化し、明らかにNikonの主力カメラのデジタル一眼レフとバッティングする性能である。
　Nikonはもう一眼レフが売れなくなっても構わない、新たなミラーレスカメラシステムを今後の主力にすると決意したようだ。　
　
　ミラーレスカメラは高級機がＳＯＮＹ、中級機、入門機がPanasonicとOLYMPUSが大きなシェアを占めている。　Nikon１シリーズで失敗して出遅れたNikonの巻き返しなるか