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2018年07月05日13:17

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未来の日本

アングル:高齢化で何が起こるか、秋田に見る「日本の未来図」
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=52&from=diary&id=5185142

相変わらず総人口の減少を安易に考えているように思います。
人口が減っても何の問題もない、渋滞や通勤ラッシュの混雑が減って楽になる、などと呑気なことを言っている人もいますし、世界には人口が少なくても十分運営出来ている国はいっぱいある、という人もいます。
確かに、1970年代、1980年代くらいの年齢構成のまま、総人口を均等に縮小させればそれも可能になるかもしれません。
しかし、日本が将来直面する人口減少は、いまだ世界のどの国も経験したことがない極端な「少子高齢化」による人口減少なのです。
日本は、1970年に「高齢化社会」に突入しました。
「少子化社会」は1975年に突入した考えられています。
当時は、総人口に占める高齢者数が7%でしたし、団塊の世代と呼ばれるもっとも人口の多い世代が20歳代半ばであったことなどから、社会全体にまだまだ活力があると思われていて、少子高齢化が国民に意識されていたとは思えません。

2025年にはその団塊の世代がすべて75歳以上の後期高齢者となります。
出生率は、1.26から1.32くらいを緩やかに上下する状態で、急激な増加に転じる気配がありません。
しかも、若年女性人口が減少していることから、人口維持出生率と言われている2.08になっても人口維持が困難になるとも言われています。
人口を回復させるためには、1世帯当たり4人から5人の子供がいるのが一般的、ということにならなければ難しいと考えられ、現在の日本の生活状況では、限りなく困難と見られています。
加えて、長期的な少子化の進行で、子供の養育施設自体が減少しており、多子化社会には対応出来なくなっているとも言われています。
社会を実質的に支える若年者が減少し、社会全体で支えなければならない高齢者が増加してくる社会では、大きく活力を失うことが予測されます。
様々な公共的な活動を支える資金調達能力を失って行きます。
直接的には、介護保険や健康保険制度(高齢者医療も含む)の個人的な負担が増加します。
介護保険も健康保険も将来的に本人負担が4割、5割という時代になることが予測されるのです。
当然、これらの制度を支えようとして、消費税も3割、4割という高水準になるであろうことも予測されます。
増税だけでなく、地方における食料生産や生活必需品の生産(農水産品)が滞留することで、さらに物価を押し上げる要因になります。
人口減少と高齢化による労働力不足は、ライフラインのメンテナンスという分野に大きな影響があるとも考えられます。
長大な距離に及ぶ送電線の維持管理、都市内に網の目のように張り巡らされた水道やガスのパイプライン網の維持管理作業も滞ってくると思われます。
直接的なライフラインだけでなく、公共交通インフラも定期的に適切なメンテナンスが行われることで、安全安心が維持されています。
陸上輸送を担う、トラック運転手の高齢化が進んでいることから運輸業界では、自動運転輸送やロボット、AI化を進めようとしていますが、社会がそれらにどこまで対応出来るのかは未知数です。

このように現在の生活レベルを維持して、少子高齢化による総人口の減少に耐えるのには無理があるのです。
介護も医療も高額負担になり、一部の高所得者のみが使えるものになるでしょう。
物価上昇に年金を合わせるために、その財源確保で消費税が引き上げられ、消費増税がまた物価を引き上げるという悪循環を生みます。
こうした公共サービスの高負担化により生活困窮世帯が増加することでさらに未婚化、晩婚化が進み、独居高齢者、老老世帯が増加します。
適切な介護や医療を受けられないことで、孤独死や老老共倒れ死が急増し、行政はその対応も出来なくなります。
毎年数万人もの孤独死や老老世帯死が放置される社会では、倫理観も希薄になり、治安も悪化することになります。

そして、2040年の問題は、現在の高齢者の問題ではないのです。
2040年に高齢者になるのは、現在の43歳です。
「老人優遇」や「老害」を訴える20歳代半ばの世代もこの時代には40歳代後半に入り、直接的に高齢者問題に直面しているのです。
「老人よりも若者を優遇せよ」という訴えは、結果的に自分たちの首を絞めることに繋がるので、今ここで高齢者制度についてしっかりと議論して対応しておかないといけないのです。

こうした将来の高齢者問題を考える時、そこに「尊厳死制度」を選択肢の一つに考えることも一つの方法だと思います。
劣悪な環境の中で、苦痛を伴う死を迎えるのなら、自らの人生の終わりを自らで選択して、尊厳のある終末を迎える権利も「人権」だと考えます。


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