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2018年07月02日19:45

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6月の読書記録

今回も6千頁いかなかったな…どうも疲れ気味なのが災いしているのか?
ナイスが170超えたのが嬉しい。

2018年6月の読書メーター
読んだ本の数:20冊
読んだページ数:5365ページ
ナイス数:171ナイス

https://bookmeter.com/users/4147/summary/monthly
■路地裏の資本主義 (角川SSC新書)
ある一定の人が「これっておかしくね?」と言いたくなるモヤモヤ感。成長戦略を語り、それが成功したと言いくるめる空疎な言葉とは裏腹に、大方の人間の幸福感が増大したとはとても思えない。世相はますます殺伐として、国際情勢はきな臭くなる一方。でも、マスメディアを通して得られる情報はどこかうわっ滑りで信用できない…そんな昨今において、もっと身の丈にあった生き方、生活スタイルお模索する、50年後、100年後の未来を見据える視点を持つためのヒントが本書に隠されていると思う。今の経済システムはいずれ行き詰まるのは必至。
読了日:06月30日 著者:平川 克美
https://bookmeter.com/books/8272605

■聖書、コーラン、仏典 - 原典から宗教の本質をさぐる (中公新書)
宗教というのは、かくも時に似通い、そして同時にどうしようもなく相反するものか、ということを改めて痛感。聖書に関しては、ほぼおさらいという感が強かったけれど、意外に読み応えがあり、なおかつ収穫でもあったのが仏典の解説。これまでなかなかその全体像がつかめなかった仏教がこれである程度すっきり頭に入った気がする。それと同時に、原始仏教から大乗仏教、そして日本仏教という流れと、そこで生じた原点からの乖離について改めて考えさせられることに。また、巻末で著者が述べているとおり、聖典と信仰の関係についても再考の余地あり。
読了日:06月29日 著者:中村 圭志
https://bookmeter.com/books/12301941

■酒は人の上に人を造らず (中公新書)
僕より一世代上なのにもかかわらず、果敢に酒を飲み、旅をして、人に会い、そして山にも登るというそのバイタリティーに思わず感服。本書に登場する夥しいまでの名酒や旨そうなつまみの数々に、驚嘆しながらも、読んでいるだけでお腹いっぱいになってしまう我が身が不甲斐ない(笑)。また、今の時代になってもある所にはある昔ながらの居酒屋の描写には思わず顔がほころんでしまう。ただ、何かにつけ世知辛い世の中になった昨今、以前は許されていた無礼講も段々とご法度になっていくのでは?何と言ってもタイトルが素晴らしい。著者に乾杯!!
読了日:06月28日 著者:吉田 類
https://bookmeter.com/books/12546803

■喪失の戦後史
日本史プロパーではない、工場町蒲田で育ち、長らく会社社長を務めた著者ならではの視点で読み解く日本戦後史が独特のリアリティを放っている。高度成長期を経て、相対的成長期、そしてバブル崩壊…著者が何度か述べている通り、過ぎてしまった今となっては何とでも言えるけれど、リアルタイムでは「どうしてあんなことを…?」と突っ込みたくなることばかりというのが、いわば歴史の常なのかもしれない。だからこそ、甘い弄言や威勢のいい掛け声に惑わされず、過去に何が起こったかを冷静に受け止め、今後にいかすべき。現代を読み解くための一冊。
読了日:06月27日 著者:平川 克美
https://bookmeter.com/books/11126939

■マルクス 資本論の哲学 (岩波新書)
廣松の同名著書を連想して、つい価値形態論に絞った内容かと思いきや、『資本論』全般について哲学的に考察したもので、想定外の歯ごたえ。時折、「これって哲学?」と突っ込みたくなる内容も散見されるが、その一方でマルクスが資本を論じる際のパースペクティブが今でも新鮮に映る哲学的なものだと驚かされるのも確か。とりわけ、『資本論』は経済学批判の書であって、経済学の書ではないと断じるくだりには、ハッとさせられると共に知的興奮を覚えた。また、資本制による弊害への指摘は、今日もなおマルクスの思想が有効であることを教える。
読了日:06月26日 著者:熊野 純彦
https://bookmeter.com/books/12588219

■僕たちの居場所論 (角川新書)
一見、とりとめのない雑談のように思えながら、随所にハッと気づかされたり、思わず膝を打ちたくなるような発言を目にするのは、この人達ならでは。タイトルが示すように、三者三様の居場所に対するこだわりの違いが面白い。暴力的とも言えるグローバリズムの動きの中で、確かな手触りや、確固とした足場を大切にし続けるためのヒントが本書に秘められていると思う。時代を逆戻りすることはできない。しかし、かつてあったものを今に生かす可能性はいくらでもある。自由に生きいれば宿命を見出すという締めが見事。昨今には珍しく勇気がでる本。
読了日:06月25日 著者:
https://bookmeter.com/books/10883665

■ワンダフル・ワールド
男というのは、かくも幼稚で、無神経で、鈍感な生き物なのか…著者の作品を読むたびに、男…というよりオスであることの無様さを突きつけられる気がする。ただ、著者はそうやって男性の全てを否定しているわけではなく、そういう愚劣さをも含めて男性性を愛おしんでいるのだろうと思う。それは例えば、最初の「アンビバレンス」で、一度は別れた年上の恋人とよりを戻すというエピソードに端的に表れている気がする。個人的に一番グッときたのは「バタフライ」か。ある程度の年齢になっても、年上の女性を可愛いと思う気持ちが妙に共感できた。
読了日:06月24日 著者:村山 由佳
https://bookmeter.com/books/10623129

■La Vie en Rose ラヴィアンローズ
これまで読んできた著者の作品にはない文章のキレが印象的。とりあえずモラハラ夫が登場してきた時点で、「これは新たな恋人ができて…」という展開までは予想できるのだけれど、その後の顛末は想定外。前述の文章のキレと相まって、著者は新たなステージに上がったのかも?という気にさせられた。とにかく圧巻だったのは、自ら殺めた夫の死体を処理する過程の描写。決して許される筈のない行為であるのにもかかわらず、妙に感情移入してしまった。そうまでして守った筈の堂本に最後には冷めた感情を見せるところも、ある意味著者の真骨頂かも?
読了日:06月23日 著者:村山 由佳
https://bookmeter.com/books/11079946

■幸福の文法 ---幸福論の系譜、わからないものの思想史 (河出ブックス)
いみじくもサブタイトルが示す通り、それは結局のところ謎のままなのだろう。時代や国や文化、ひいては個人によって様々な幸福の形がある。それは何であるかは言えなくとも、何でないかは言えるか?というとそれもまた微妙なのかもしれない。様々な幸福論の内容から最大公約数的なものを取り出すということもできるのかもしれないが、それだって究極的な答えではない。ヒルティ、ラッセル、アランという三人の哲学者による幸福論を軸に、更に様々な哲学者を絡めて紡ぎ出される哲学エッセイ。知られざる仏哲学の系譜を再確認できたのが収穫だった。
読了日:06月21日 著者:合田 正人
https://bookmeter.com/books/6808798

■世界観 (小学館新書)
いつになく安倍首相を評価する記述が目につくのは、掲載誌のカラーのせいか?(笑)それはともかくとして、本書で幾度となく著者なりの読みを示しているのだったら、それらの読みを今日的な視点から包括的に検証するという手続きが必要ではないか?そうすることで、本書に深みが増すと思うのだが。また、一方混迷を極める世界情勢の一端は理解できた気がする。ただ、こと中東関係については、歴史的背景に今一つ疎いため、理解がしづらかったが。この辺り知識の整理が必要。後、隣国に対して強硬的な態度をとるべしというスタンスが気になる。
読了日:06月19日 著者:佐藤 優
https://bookmeter.com/books/11230353

■聖典「クルアーン」の思想――イスラームの世界観 (講談社現代新書)
本書が出て早十数年。その間にイスラムを巡る事情は更に複雑かつ困難になり、その一方でイスラム教に関する書籍がかなり出回るようになった。そういう昨今の事情を鑑みた上で、本書の価値を問うと、どこか微妙なものを感じるのは僕だけだろうか?確かに一般的にはとっつきにくい『クルアーン』をわかりやすく解説しているという点では評価できるのだけれど、例えばムスリムの立場から訳した中田考氏の『クルアーン』が出た今となっては、本書の内容がどこか薄っぺらなものに思えてしまう。まあ、これはあくまで素人目からみた感想なのだけれど。
読了日:06月18日 著者:大川 玲子
https://bookmeter.com/books/103966

■仏教 第2版 (岩波新書)
仏教の概要をコンパクトにまとめた良書…という大方の見方に異議はないが、でもなんだかな…感は否めない。これまでそれなりに仏教に関する本を読んではきたが、本書を読んでも、どこかモヤモヤ感を覚えてしまう。とにかく、仏教が有する一生かかかっても読みきれないくらいの膨大な聖典。そしてそれに対する様々な訳、解釈、宗派…とそのとりとめのなさに途方に暮れてしまいそうになる。とにかく、冒頭の仏教語あるにも関わらず、その本来的な意味から大きく隔たってしまっている日常語を見ても、仏教への果てしない道程と途方もない実像を感じる。
読了日:06月17日 著者:渡辺 照宏
https://bookmeter.com/books/36267

■読書目録 (1985年)
「人に本を読めというのは好きではない」という冒頭の言葉。本の効能を知っている者としては、何とかして本の魅力を人に伝えたくなる。ではどうすればよいのか?とい問いへのヒントが本書に秘められているのかもしれない。とにかく縦横無尽、自由闊達に本を読み、論じるそののびのびとした姿に、何とも言えない憧憬と軽い恐れを抱く。また、80年代という良い意味で何でもありだった時代も影響しているのだろう(「ヘンタイよいこ新聞」が象徴的)。現在、左右の立場やジャンルを超えて自由に物が言える人間がどれだけいるだろうか?とつい考える。
読了日:06月14日 著者:鶴見 俊輔
https://bookmeter.com/books/148129

■叛逆の精神―大杉栄評論集 (平凡社ライブラリー)
その挑発的なタイトルに臆することなく、今日においてこそ読まれるべき一冊。確かに今する革命を唱え、実行に移すのは不可能だし、馬鹿げた愚行でしかない。ただ、大方の人間が理不尽な立場に押し込められている一方、利益を独り占めしている人達がいるという事実、そしてそれを根拠づけている社会的な仕組みの根本はさして変わらないという現実は否定しようがない。とりあえず、冒頭の「僕は精神が好きだ」の一文は必読。昨今の凡百のJポップが束になってもかなわないくらいの言葉の力がみなぎっている。イデオロギーを抜きにしてまずは一読あれ。
読了日:06月13日 著者:大杉 栄
https://bookmeter.com/books/3273397

■翼―cry for the moon
どうしても人に言えない傷を負うということ。それをあえて言おうとする試みはどうしたって困難を極める。幾多の困難と喪失を経て、その傷と正面から向きあうという新たなステージへと踏み出した主人公真冬の壮大な魂の遍歴。幸せの絶頂から真っ逆さまへと落ちていく展開は、薄々予想できたとはいえ、やはり度肝を抜かれた。また、改めて著者の伏線の張り方に感心させられることに。この人読者のツボを本当に心得てるな…と。特にブルースの登場のさせ方とその後のプロセスには舌をまく。後、敵役クレアとイライザが見せる人間臭さも印象的。
読了日:06月12日 著者:村山 由佳
https://bookmeter.com/books/562241

■劇場
不器用で、自意識過剰。理想を追い求めてるがゆえに、周りが見えてない…ダメんずの典型みたいな永田だが、恐らく著者自身をかなり投影させているゆえだろうか?それが妙に憎めない。青山とのメールでの罵倒の応酬などは、醜悪とさえ言えるものだが、永田なりの虚勢やプライドの現れだと思うと、なぜか許してしまいたくなる。そういうところに、沙希も惚れたのだろうか?ただ、その沙希があまりに永田に都合よく描かれ過ぎているように思えるのが、ちと気になる。もう少し彼女の我を描いてくれたら、もっとこの作品に深みが出たように思うのだが。
読了日:06月08日 著者:又吉 直樹
https://bookmeter.com/books/11700950

■「母」がいちばん危ない ~`いい娘'にならない方法~
タイトルのわりには、「母親」という存在に深く突っ込んでないよな…というのが、第一印象。それでも自分の親に拭いきれないわだかまりを抱き続けるということが、決して罪深いものではないということが再認識できて、ちょっと楽になったというのも事実。それから、村山由佳という作家の創作の秘密を垣間見られたというのが、個人的な収穫。あえて自分を人でなしと規定しないと物書きなんかやってられないという開き直りが何とも潔い。と同時にやはり自分には創作者なんか無理だなと改めて痛感。それにしても、絶縁状態という村山の長兄が気になる…
読了日:06月08日 著者:斎藤 学,村山 由佳
https://bookmeter.com/books/6912718

■京都学派 (講談社現代新書)
哲学プロパーという立場から京都学派を論じた書というのは、意外なことに初めて。そこに廣松や、著者が在籍していた東北大哲学科の事情を絡ませた点がユニークで興味深く読めた。個人的には、京都学派にプラグマティズムがかなり深い影響を及ぼしていたというのがちと驚き。この辺りは勉強不足。哲学者同士の思想的せめぎ合いに重点を置いているため、生臭い人間関係にはあまり触れていないが、それでもその実体は相当に愛憎入り乱れる複雑なものだったということが容易に想像できる。後、昨今の右傾化を揶揄する記述が目につくのが気になる。
読了日:06月07日 著者:菅原 潤
https://bookmeter.com/books/12628062

■社会学講義―人と社会の学 (中公新書)
題名から実際の講義を基にした平易な内容かと思ったが、想定外の難物。前書きにもあるようにかなり専門的な内容で、これ一冊で大学の社会学部一、二年の内容を網羅できるのではないか?社会学という学問が比較的新しいものでありながら、それゆえ非常に多様な内容を持つものであることを改めて認識。要するに広義での社会に関わるものであれば、全てその対象となるのだ。だから、本書が出て20年以上の月日を経た今、社会学が扱う領域はますます多様化し、最早取り留めのないものになっているのでは?と想像できる。専門語の解説がないのが残念。
読了日:06月05日 著者:富永 健一
https://bookmeter.com/books/502888

■天使の卵(エンジェルス・エッグ)
『天使の棺』へと至るストーリーの端緒はここだったんだな…と思うと、何とも言えず不思議な気持になる。思春期男子にありがちな年上の女性への憧れ。それが期せずしてかなった喜びと、様々な複雑な思い…わりに早熟で文学芸術関係への造詣も深い主人公歩太への羨望を抱きつつ、この年齢にありがちな焦りや空回り体質にジリジリと焼きつくような共感を覚えるも、予め知っていた悲劇的な結末を必死に遠ざけようとする悪あがきを抑えながら最後まで一気に読み進めていたような気がする。二百頁にも見たない小品だが、その中身は非常に濃くかつ重い。
読了日:06月04日 著者:村山 由佳
https://bookmeter.com/books/553209


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