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2018年06月25日19:18

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落語覚書/第24回亀戸寄席「三遊亭粋歌・立川こはるふたり会」

6月23日(土)17時半開演@亀戸香取神社参集殿

 三遊亭粋歌「コンビニ参観」
 立川こはる「大工調べ」
 仲入り
 立川こはる「権助魚」
 三遊亭粋歌「落語の仮面 第二話〜嵐の初天神〜」


亀戸寄席でお初の企画、二つ目ふたり会で女性噺家の登場!
だが、あいにくの雨模様…だんだん雨脚も強くなる。。。
関係ないのだがお客の入りが心配になったり。
雨のため車で送っていただいたら開場前の一番乗り。
そんな中、アロハ姿のこはるさんが目の前を楽屋入り。
一応目礼するも、超熱心なファンみたいじゃんw
しばらくするとまたもやこはるさんが目の前を通って本殿にお参り。
その頃にはお客さんも集まり出した。

粋歌さんは主に新作、立川こはるさんは古典落語を演ると聞いている。
芸風も好対照な二つ目ふたりがどんな競演を見せてくれるのか。


●三遊亭粋歌「コンビニ参観」
地元墨田区出身の噺家さん、「晴れてりゃ自転車で来ようかと思ってた」と。
前座の「歌すみ」さんの頃に聴いたような?
ご主人は同じく噺家の小八(元ろべえ)さん。ご夫婦で噺家は初だとか。
女性の着物で髪をきちっと結った姿。

地元しかわからない、楽天地ドトールの前で演った営業の話などからの
新作落語「コンビニ参観」。
コンビニの女性店員川口さんが店長から指導を任された新人のバイト君は、
どうやらどこかのお坊ちゃんで東大生。接客の方法などを指導していると、
さっきから棚の陰より和服の女性の視線を感じるが…。

今は亡き「Ustream」から「Twitter」など「SNS」にすぐアップする若者、
からの題材は「過保護なモンスターペアレント」。
現代の風潮を皮肉ったコントのような小品。


●立川こはる「大工調べ」
「ふしぎなポケット」の出囃子で登場、こはるさんの噺は今回が初めて。
小柄で短髪、ハスキーでポンポンと気風よく話す口調。
粋歌さんとは対照的に、男物の着物を着て登場。
女性っぽさを前面に出していない中性的な感じに好感が持てる。
小柄な体型から一見、わんぱく落語小学生っぽい感じも(失礼)。

やっぱりさっきお参りした話。
すると、本殿の壁に有名人の色紙が貼ってあったって!
最近お参りしてなかったけど、そんなの貼ってたっけ?
こはるさんも東京出身。それも港区。「こっちの方、来ないっすねー!」
「皆さん、錦糸町から西の方には行かないそうですねー!」
いいのかそんなに東をディスって!こっちの師匠方いっぱいいるよぉ。
「あ、談笑師匠がこちらが地元で、ここにも出てらっしゃるそうですね!」

江戸っ子は、皐月の鯉の吹き流し、口先ばかりではらわたは無し
「だから江戸っ子じゃあ塩辛は作れなかった…って、気持ち悪くないすか?!」

馬鹿だが腕は立つ大工の与太郎のところへ、棟梁の政五郎が訪ねてくる。
「通いの大きな仕事がやっと入ったから、明日から仕事だ。ついちゃ、
当日バタバタ運び込んだんじゃカタチが悪いから、今日中に道具箱を
先方に放り込んどきな!」と言うと、大家に家賃のカタに取られてるという。
一両二分と八百ためてると言うが、政五郎の手持ちは一両二分。
「八百ばかりゃ、御の字だ、あたぼうだから取り返してこい!」
案の定、大家にそのまま啖呵切っちゃったもんだから、政五郎が出る羽目に…。

「大工調べ」は与太郎、政五郎、大家、お白州まで行ってもお奉行と、
男の登場人物しか出て来ない。そして政五郎が大家にべらんめぇで啖呵を
切るところが江戸っ子口調の聴かせどころ。
これはこはるさんにぴったりの噺をチョイスしたな!と思った。
政五郎が一気にまくしたてた後には満場の拍手が!


●立川こはる「権助魚」
さて、仲入り明けもこはるさん。お!着物を着替えてる♪
こはるさんはとりあえず口を開いて、パァパァ喋って間を繋げることが
出来る人のようだ。「えー、まぁ落語を演るってことでね〜」だって。
何の枕か忘れちゃったけれど、締めに「だから、口は災いの元…
なんてことを言いますな。…あ、そんなマクラの噺は無いっすよ!」とか。
笑っちゃいます。

旦那の陰に女アリ…と嗅ぎ取ったおかみさん。嘘のつけない使用人の権助に、
お供をさせてどこの女と会っているのか探ろうとするが…。

さて、こはるさんの二席目。女の人が出てきました!
それもある種男らしい長屋のおかみさんではなくて、嫉妬に焦がれる商家のおかみさん。ドロドロした女の情念を描くとなると、どうなのか?自分が女性噺家が演じているという
先入観で見るものだから、多少の違和感はありました。
ちょっとだけ生っぽいと言うのでしょうか。
それは男目線だからかと思いきや、連れも同じことは多少感じたようで、そこが
女性噺家さんのハンデなんて言うと乱暴ですが。
逆にもっと女っぽいネタなんかどうなんでしょう?「紙入れ」とか「転宅」とかね。


●三遊亭粋歌「落語の仮面 第二話〜嵐の初天神〜」
トリは粋歌さんの新作落語ですが、最初に「落語の仮面」という噺をやります宣言で
どよめきが!
こちら「任侠流山動物園」と双璧をなす、三遊亭白鳥作のシリーズネタなのです。
自分も「落語の仮面」という噺があるのは知っていたけれど聴いたことはなく、
まさか本家白鳥以外で聴くことになるとは、ちょっとした衝撃です。

言わずと知れた「ガラスの仮面」のパロディなので、こちらを知らないと面白くない?
本家北島マヤよろしく、天才新人女性落語家、三遊亭花を三遊亭月影先生が見出す
第一話に続き、ライバルとなる立川あゆみが登場し「初天神」での対決を描いたのが
第二話。

これ、白鳥のネタを他の人が演ったらどうなのか?
SWAとかでやってますけどね。…結果、これは女性噺家がやると面白いことが
よくわかった!で、もう一つ。
あれほど「白鳥の噺はくだらね〜〜w♪」って言ってたのに、本家で聴きたくなった!!
また鈴本で夏に「落語の仮面まつり」やってくれないかなぁ。


今回の亀戸寄席の企画は面白かった。
どうせ聴きに行くなら好きな噺家を、って選んでしまいがち。
自分で新規開拓も億劫なので、新しい二つ目のそれも女性噺家さんを知ることができて、良かった♪年に一回ぐらいは企画モノも良いのではないでしょうか?
もっとお客さんが入ってくれるといいんでしょうけど。
雨はちょっと残念でした。。。











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