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2018年06月09日00:03

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やや干からびたmgr

やや干からびたmgr

俺なりの厳しい言い方をすればもったいないヤツ。
だな。
彼は真面目だが、自分の殻に閉じ籠ったタイプの真面目気質の持ち主だ。

同年齢で趣向の違う人物は多く見たが、この人は自ら自分のカタを潰しちゃった人なんだなって思う。
高い背丈、悪くないルックス、几帳面なんだかズボラなんだか中途半端な行動方針。あんな姿で体育座りでジュースちゅーちゅーなんて、同性の俺から言わせれば反則に他ならない。
普通にすまして晴れ空の下でも歩けば、大げさでなくとも振り向く女は多いと思う。

でも性格かな。考え方かな。
自分の能力的に無茶と判っていても人に託す事が出来ない。
他人のケツを持つ覚悟をしても、信用を貫く事が出来ず、自分が動いてしまう。
その割に自分を犠牲にし切れない。
それでも全部を自分一人で何とかしようと考える。
打ち明けないから誰も理解できる筈が無い。
全てが後手に廻ってしまい、自分を潰してしまう。

救いは…、彼が飛躍しようとしなかった事。向上心が欠けており、現状の平坦な道なりを歩む事を望んでいた事。
ただ、あの現状を平坦とするならば、それは今後、全てが茨の道になりかねないという事が未だに気掛かりだ。

すき屋は売上有力者が昇進できる会社ではなく、クリンリネス保持者が昇進できる会社ではなく、高い学力を持つ者が昇進できる会社でもない。
クルーからの人気名声に足し、上司に尻尾を振る者が昇進できる会社だ。

クルーからの人気を得るための条件は簡単だ。自分がされたくない事をクルーにしなければ良いだけの話だ。自分が犠牲になればいい。そうするうちに、犠牲に気付いたクルーから体を張るようになる。全ての社会に通じる共通手段だ。
互いの犠牲は協力となる。協力は協調となり、どんなに過酷な現場であっても笑い声が出てくる筈だ。空気が軽くなり、その空気が来客の身にも触れるようになる。
活気に満ち、自然と売り上げが伸び、協力・協調が場を綺麗に保つだけの話だ。

上司に尻尾を振るのは年齢的に苦渋の判断かも知れないが、バカになり切らなければ障害は取り払えないし、下手すると障害の存在にすら気付けない。
昇進はそれだけで近いランクの上司の立ち位置を脅かす事になる。だから表面をバカに徹し、油断させ、近付く事を容易にする道筋を作る必要がある。
信用を買い、買われ、頷き、これだけはという一つの内容だけは譲らない。
譲らなかった一つの内容を守り切ったら、次の一つを出す。そうやって小出し小出しに上司に近付くふりをして、向こうから来るように仕向ければいいだけの話だ。

上司に近い年齢、または上司を越えている年齢とは、それだけで上司にとって脅威だ。
手駒の部下が脅威と感じた上司は、あっさりその路線を断ち切ってしまう。大手企業の上役が持つ上等手段だ。更に上の目が届かない所でどうにでも脅威を弱体化させ、適当な口実で足止めをする。
脅威を視野の外に仕向け、脅威とならない新人や弱年齢層を昇進させる。社会知識が浅く、会社の発展には足枷となるが、知識が浅いが故にコントロールが簡単で、少なくとも自分自身を保守出来るという流れだ。

そんな考えが蔓延している会社の一つがすき屋だ。珍しい話ではない。

当時でも40歳越え、10年以上もクルーを続ける人物だけでも何人見た事か。スウィングマネージャーの誘いすら一度も無い話を何回か聞いた。
すき屋の謳い文句としては、年齢に関係なく正規社員になれるチャンスがいつでもある筈だったが、実際は形だけ。声を掛けられる参加者のほとんどは20歳前半。当時30越えの俺が呼ばれたのは本当にチャンスだったのか? それとも形式上か?

後日談として俺が実感したのは形式上。合格ラインに位置した回答用紙が本部には届けられておらず、参考書類の一つとして俺の直筆で名が記された答案用紙を当時のDMに見せられたから知っている。
あれはDMからのサインだったのだろう。『お前は諦めろ・お前は認めない』と。
昇格テストを持ちかけられ、研修・テスト・面接と一連の流れに連れ添ったのが当のDMだ。招くだけ招いて突き落とされた。早い話が騙されたわけだ。

やや干からびたmgrはそんな俺とは状況が違う。条件も違う。
本人は望まない昇進かもしれないが、それは先の自分の歩く道を平坦にする意味でも絶対に必要なものだと思った。
だから俺自身の時間の制限を知った頃、俺は上司部下の間柄ではなく、仕事も切り離してきつく言った事がある。
『自分を守れ』
と。
自分を守るために絶対的に必要なものを考えろと。されたくない事は何か、してもらいたい事は何か。心に留めてもらいたい事は何か。一人一人のクルーの目線で考え、それを実行しろと。
足りない信頼で自分を犠牲にする前に人を信用しろ。先の無い俺に気を使うのではなく学生や主婦に気を使え。疲れた時に疲れた顔を出すな。疲れた時にこそ笑いを誘え。失敗を笑い過ごせ。誰でもする事だと自分の失敗談で笑わせろ。
他にも言った気がするが、こんな事を『人として』ではなく、『友人として』言った。

彼はそもそも不器用だった。それでいて頑固だった。
店が好きな事は知っていた。でも、あんな小さな規模の店でも一人で守るには荷が重過ぎた。
味方は会社か? 従業員か? それとも客か?
従業員を味方につけ、客が引き込まれる。そうした上で形が完成し、勝手に会社の耳に届く。全てやや干からびたmgrの功績となって。
時間は掛かるが原理は考える程難しくはない。

それから数日間、彼なりに考えたようだ。
でも、やっぱり性格は病気かな。何を言われたかは覚えていないが、妙な切り口で反論された覚えがある。
ただ、彼の心を何らかの形で動かしたのか、彼もまた会話の最後に『友人として』という言葉を付け加えていた。
行動は微妙ながら変化が垣間見えた。暇な時の雑談がクルーに向けられているような気がした。
…が、残念ながら俺の時間がその辺で切れてしまった。

会社を離れて数年、2回ほど彼の姿を確認した事があった。
どちらも車内で考えふける姿はあの頃と変わらない。そういった顔つきなのだから実際に考え込んでいたのかは判らないが、遠目にも何も変わらない目つきを見た限り、大きな環境の変化は得られていないようだった。

やや干からびたmgr。
いつだか見せた本気で笑ったあの姿をもっと外に出す事が出来れば、同じ職場の同じ人間にもかなり違った彼が見える筈だが。 

ああいったチームワークを必要とする職場では、自分の力は個人で発揮できるものじゃない。周囲の協力があって本来以上の自分の能力が引き出されるというものだ。
完全に相手を信用しろというものではなく、そういった気持で見守る事が出来なければ、周囲の信頼性なんか買えたものじゃない。

言ってみれば単なる同年齢。考えてみれば偶然目にした職場の上司。そして残念ながら、日を重ねていった結果の嫌われ者。
初めから嫌われる人はいない。嫌われるには理由があって、その解決法は難しくない。直接答えを教えればきっと正面から反発してくるだろう。だから遠回しに表現を変えて何かと助言したつもりだが、そこにも人を信用し切れない彼が存在したんだろうな。

俺の言った事が正しいのか、なんて尋ねられれば俺だってわからない。直感で気付いた事を告げただけだから。
でも、動き出さなければ変化が出て来ないのも事実で、角度をもった線引きは延びれば延びる程に修正が遠退いてしまう。

早く気付いてくれないかな。今は気付いてくれてるのかな。
俺よかもっと賢くてハッキリとモノを言い、高カリスマなヤツに矯正されてれば安心できるんだけど…。

形どうあれ、すき家に対する気持ち、クルーに対する気持ちは低くない『やや干からびたmgr』。どんどん本音で進んで欲しいものだ。
…どこの世界でも。 



てぃーのの視野
 
真面目は好きだ。でも生真面目は嫌いだ。
何かに対して打ち込む姿は素晴らしい。それでも度を越えれば狂気を覚える。
人の言葉も耳にしないでどこまでも入り込むものだから、見ていてハラハラする。そして判り切っていた結果を受けた姿を目にすると、危なっかしくて今後が見ていられない。
どこにでも存在する落とし穴の上を平然と歩く姿。一言に心配だ。
俺みたいな馬鹿にも後悔は多くある。彼みたいな生真面目は俺とは比べ物にならないほどの後悔があるだろう。
もっとリラックスしてもらいたい。立ち止まらなくては見えないものだって沢山ある。
もっと笑ってほしい。自分を守ってくれる仲間を引きつける為に。
自分では抱え切れないほどに大きな夢を持ってほしい。誰がバカにしようと守り続けられる自分だけの大切を見付けてほしい。
仕事が大切なのではない。自分が大切なのだ。
生真面目な人にはそこに気付いてほしい。

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