一時間だけ…　（再）

2016年06月13日14:21全体に公開

工務店で働いていた頃…
十数年前やけど
日曜日の朝方、親方から電話がかかってきた！
「一時間だけ出てこられへんか？」
仕方なく出て行った
ごちゃごちゃした仕事は二時間に及んだけどここまでは想定範囲内だった！(笑)

「晋也、俺の家に嫁はんおるから
帰る前にこの封筒を届けて戻ってきてくれ」
現場から親方の家まではクルマで３０分ほどだ！
ワシは店の軽トラをぶっ飛ばした
さっさと終わらせてさっさと帰らないと蟻地獄のように絡め取られるに違いない！
そんな焦りもあったのだろう
そして、スピード違反で捕まった(笑)
２７キロオーバーだ
日曜日返上してノコノコ出て来て何してるこっちゃわからん…

それでも用事を済まして親方の所に戻ると
「今からお客さんと食事会行かなあかんねけど、晋也を送ってたら遅くなるから
一緒に来てくれ、ほんでクルマの中で待っといてくれ」…

どんどんワシのプライベートが侵食されてゆく…(笑)

確か、東住吉の辺りだった
喉元まで出かかった言葉…
それは「僕、ここからバスで帰りますわ」…

それがどうしても言えず
結局一時間ほど待たされた…

そして戻ってきて開口一番！
「さっき電話あって今から急に梅田の現場行かなあかんようになったわ
もうついでやろ？
お前も来い！」

「ついで、ついでて、いったい何がどんな風についでやねん」
と言う言葉もぐぐぐと飲み込んだ…





そして、帰る頃には夜のとばりが降りていた…


こいつ、いつか必ず殺したる
と、心にナイフを握り締めたのである！

休日手当て？
こんなオッサンが出すわけ無いがな
警察に罰金払って大赤字の踏んだり蹴ったりじゃ！(笑)

　　　　　　　　　　　　　　終わり