性犯罪で被害者を厳罰化せよと叫ぶのは、想像力が無いか加害者と同様の思考回路のどちらかである

【被害者を厳罰化したところで、売春や性犯罪が無くなるはずがないのは途上国が物語っている】

途上国でも売春を法律で禁止している所は多々あるけど、そういう国であっても売春や性犯罪は絶えない。
カネや食べ物をエサに、少女や貧困女性を食い物にする輩はいるし、摘発されるケースも勿論あるけど、それでも世界中どこを見ても売春や性犯罪が減ると言うことは無い。
それは、イスラムの国々のように性に対して敏感な国であっても同様です。

日本では、加害者が中学生高校生に自分の下着姿や裸の写真を撮らせて送らせると言った事件や、誘拐等と言ったがある。
しかし、これで加害者を厳罰化せよと言う声は全く聞かず、それどころか被害者や親が悪いだの、被害者を厳罰化せよだのと言う素っ頓狂なことを大真面目に叫ぶ輩が多数いる。

【被害者を厳罰化しても、性犯罪や売春、誘拐の被害者は減るはずがない】

被害者を厳罰化したとしたら、例えば誘拐された被害者や言葉巧みに踊らされてしまい、卑猥な写真を送ってしまった被害者が出たとしても。
加害者から『警察なんかに言ったらお前も捕まるからな。親は仕事をなくして離婚するかもな。親を泣かせたくないなら黙ってろよ』と脅されて、もっと深刻な被害に発展するのは、ちょっと想像すればわかる。
当たり前ですよね。
自分が加害者だったら、被害者にもデメリットがあると分かればそれをタテに脅すだろうってのはちょっとでも想像力があれば分かるはず。

つまり、被害者を厳罰化しろと言うのは、そんな事も想像できないか、あるいはあわよくば自分もそう言う事をしたいと言う願望があるか、どちらかと言う事でしょう。

【罰則を強化しろと言うなら加害者の罰則を先に強化するのがスジ】

加害者の罰則はお座成りで、被害者にも罰則を与えろと言うのは物事の順序すら無視している。
一番悪いのは加害者。
子供は判断力が未熟なので守られているのです。
未成年と言う項目が何故民法や刑法に存在するのかと言うと、判断能力が未熟だからです。
確かに、「いくら子供でもやっていい事と悪い事の区別くらいつくだろう、これは幾ら何でも子供だからって許されることじゃないだろう」と言う凶悪な事件もあります。

しかし、ポルノ被害に関しては被害者の判断能力が未熟ゆえに、あるいは貧困が根底にあるがゆえに、または加害者に精神的に支配されてと言うことが大半です。

昼の仕事も持っていて人並に稼げていて、あるいは夫もいて家庭も順調な大人の女性が、自分の意志で夜の世界に飛び込んだり、見知らぬ男にカネをもらって裸を撮影させると言ったケースは極稀でしょう。
そんなケースだったら私だって「自己責任でしょ、そんなの」と切り捨てますけど。

判断能力が未熟な子供を騙して、あるいは脅してポルノ被害に合わせるような加害者こそ、真っ先に厳罰化して、そんな馬鹿なことを考える輩を減らすべきでしょう。
被害者自身の啓発を促すのなら、それは教育機関や家庭を通して行うことであり、
『自分の裸や下着の写真を送ることの意味』
『インターネット社会である現代で写真が流出したら何十年経っても永遠に残る』
と言う事を教えるべきでしょう。