姪っ子が来た。

　家に姪っ子が来た。３女は小学生でまだ小さいんでね。俺に懐くのはまだ解る。
　ゲーム買ってあげたり馬鹿なこと言いながら笑わせて一緒に遊んだりしてるもんだからものすごい懐きようで叔父さんとしては嬉しい限りだ。
　長女はもう２０代後半にさしかかっててね。立派な女性となってる訳だ。母親の弟である俺にいまだに懐いてくれるってのは普通は考えにくいんだがいまだに良く懐いてくれててね。姉が実家であるウチに来るときで自分が休みだったりすると進んでついて来てくれるそうだ。
　俺としても嬉しい話だ。ただ俺は仕事だからね。姉にお金渡して好きなモン食べておいでって感じでね。この姪っ子ちゃんが俺が死にそうなときは面倒見てあげる！って言い切ってるんだよね。有り難いけど好きな男性見つけたら俺なんてほっといて結婚したらいいよってのが俺の望みでね。

　俺なんぞ見捨てて幸せになって欲しいって本気で思うんだわ。そう言うと泣かれた。この長女ちゃん、既に一生一人でいるって考えてるらしい。俺が死ぬまで面倒見て後は俺の代わりに暮らしてくれるって事らしい。俺的には嬉しい限りだが姉の娘で長女だ。姉の家もあるわけでね。そりゃウチの方が新しいし綺麗なのは確かだ。しかも長女ちゃんが働いてる所からも近く固定資産税とかも安く暮らしやすい家だ。俺が死んだ後も親父が特に可愛がった長女ちゃんが暮らしてくれるとなりゃ親父も喜ぶだろう。俺も家を貰ってくれるってんなら多少の遺産と一緒に全てを長女ちゃんに渡してあげても良いと思う。

　ただやっぱ姉のとこの長女だ。姉がうんとは言わんだろう？って長女ちゃんに言ったら姉が「私は別にかまわんよ？」だそうな…おい？って思わず突っ込んだわ。
　ま、まぁ何というか俺も今日明日すぐ死ぬって訳でも無いんでな。俺が死ぬ頃までに気が変わらんのなら家ごとくれてやるって言っといた。まー住んでもらえる方が家も傷まんしね。で、ウチの家は男は早死にする家系だからな。俺が死んだら長女ちゃんなり姉なりが好きなようにしちゃって頂戴って事で最終的に話はついたよ。
　ま、まだ先の話だからなぁ。俺が死にそうになる頃にどうなるやらってその頃には笑い話になっててほしいもんだ。ま、あと最低でも１０数年後だろうけどねｗ