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2018年05月21日04:54

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桶狭間の戦いはいまだに謎が多いよな

奇襲だったのか正面攻撃だったのか遭遇戦だったのかも不明瞭だし、
主戦場の位置もいまだによく分かっていない(大雑把にこの辺りの地域とまでは分かっている)
今川義元が軍を率いて尾張に侵攻し、織田信長の軍勢に討ち取られたということは確かであり、
それが最も重要な事実だとは思うので、最も重要なところは分かっていると言えようが。



古今、兵力差を覆す要因は幾つかあるが、大雑把に言えばみっつだと思う。

・相手の組織を崩壊させる
・地形を利用する
・相手とは水準の違う威力を持つ武器, 兵器を使用する

一番目は兵站の破壊であったり、奇襲を含む作戦であったり、調略であったり。
二番目は狭いところに陣取って正面を狭くしたり、高所に陣取って一方的に攻撃したり。
三番目は徒歩戦しか知らない連中を騎馬で攻撃するなど。城を兵器と見るならば籠城戦もこれか(多分に二番目の要素を含むが)あと広義には元寇における荒天なども。

戦国時代の有名な兵力差逆転勝利は幾つかあるが、
例えば毛利元就の厳島の戦いは一番目と二番目とが合わさった感じか。
宮尾城を兵器と見れば、三番目も加わるかも。
この合戦では元々陶勢が烏合の衆であった(陶晴賢は大寧寺の変で大内氏の実権を掌握したものの、反発も強く求心力は高くなかったようだ)ことに加え、
そこに付け込んだ毛利元就の調略がいろいろと入っていた。
戦場が厳島なのも、調略により大軍では行動しがたい厳島に誘い込んだと言われる。
加えて合戦当日の奇襲、水軍による軍船焼き払いなどを経て陶軍は大混乱に陥り、
大将の陶晴賢が討ち取られるに及んで壊乱は決定的となったようだ。

島津義弘の木崎原の戦いは主に一番目、作戦と大将討ち取りかな。
その他、島津の逆転勝利はだいたい地の利と釣り野伏せ作戦とを組み合わせた感じ。
龍造寺隆信ら大名やその後継者を幾人も討ち取っており、それによる敵軍瓦解も少なくない。
あとこれは余談になるが、逸話によると木崎原ではわざと守りを手薄にして伊東氏の侵攻を誘ったとも言う。
それが本当ならば一応二番目も加わるのかもしれないが(戦いやすい土地に誘い込んだ)
300人で3000人規模の侵攻を誘ったというのは頭おかしいんじゃなかろうかと思ってしまう話でもある。
(3000人は想定外の規模だったという可能性ももちろんある)

真田昌幸の二回の上田合戦は一番目と二番目、城を兵器と見るなら三番目も組み合わせた感じだろうか。
特に一回目は敵に上田城を攻めさせて戸石城からの軍勢で横合いを突く挟撃作戦であり、
地元の利点、籠城の利点を目一杯活かした極めて効果的な作戦だっただろう。
二回目は徳川方も学習して戸石城を先に攻略した(無血開城)が、徳川方にとって上田城は目的地ではないので、
小競り合い程度の戦のあとは家康の命令を受けて素通りした(警戒のため多少の兵力は残した)ようだ。

織田信長の桶狭間の戦いは、戦いそのものの帰趨に関しては、明確に上記一番目「相手の組織を崩壊させる」に属する。
ただし明確なのは奇襲という部分ではなく、大将の義元を討ち取ったという部分についてだ。
大将を討ち取られた今川軍は統制を失い、組織的な"軍"としては瓦解した。
結果として織田方より兵力において勝っていながら、それ以上の組織的戦闘が不可能になり敗北した。

奇襲という部分はいまだ明確ではないようだ。
国力の違いから今川義元と織田信長との間に動員可能兵力の差があったことは確実だろう。
(事実上駿遠参の三州太守である今川義元の国力は、実質的に尾張半国の太守でしかない織田信長のそれに比して少なくとも三倍程度はあっただろう)
いくら武田, 北条との同盟があるにせよ自国の守りは必要な訳で、
義元が動員可能な兵力を目一杯動員するとは思えない。
しかしそれでも勝利を確実にするために、信長の動員可能な兵力以上の兵力はおそらく動員したんじゃないかとは思う。

その兵力差をどうやって覆したのか、ということについては、
後世の講談などでは分かりやすく派手な奇襲という記述を採用しているが、
実際には信長が義元の居場所を知った上で攻撃をかけたという説もある一方、
各個撃破を狙って襲撃した敵部隊がたまたま義元の本陣だったという説もある。

この辺が分かってくれば面白いのだが、残念ながら史料が限られており、
なかなか難しそうではある。



■いざ、ガチ甲冑合戦! 清洲城前で「今川軍奇襲」を再現
(朝日新聞デジタル - 05月20日 20:07)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5119161
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