mixiユーザー(id:15207206)

2018年05月20日23:58

127 view

湘南型電車の終焉と修善寺直通の行方

東がE353系について、今後9両×7本の計63両を増備し、現在E257系で運行されている分も置き換えることを発表したそうです。
置き換えられたE257系は東海道本線に転配するとのこと。今や東京口の電車では最も経年車両になった185系の置き換え目的でしょうね。
これは流れとしてはごく自然ですが、185系が置き換えられるのが決まった点は一つの節目として捉えられると思います。それというのも、185系は80型電車以来の湘南型電車の系譜を受け継ぎ、かつ湘南型電車の運用をも受け継ぐ最後の車両と言えるからです。

湘南型電車の定義は広く取ろうと思えば3ドアの111系から派生した313系や、さらには4ドアのE233系辺りまで含めることも出来ますが、基本的な定義としては80形電車を元祖とする、2ドアデッキ付きで中距離輸送に適した車内設備を有する電車となります。
そして、使用用途として優等列車と普通列車の両方を念頭に置く点も特色であり、この点に忠実に設計された最後の電車が185系であると言えます。
なお、これについても定義を広げれば、当初は湘南ライナーと普通列車の両用で使われた215系や、特急「東海」と普通列車の両用で使われた373系も湘南型の系譜に分類出来ますが、この場ではひとまず置いておきます。
肝心なのは、185系を置き換える新車が用意されないという点で、湘南型というコンセプトが、185系とともに過去帳入りするという点です。

元々、東海道本線の東京口において優等運用と通勤通学の運用を両立するという思想は国鉄時代に既に破綻の兆しを見せていましたが、それを決定的にしたのはこの185系の特急「踊り子」への充当でした。
京阪神の117系と同一の転換クロスシートが特急料金を徴収するに値するかという疑問は登場時から取り上げられましたし、それがリクライニングシートに換装されてからも、ラッシュ時の普通列車との両立は果たせませんでした。
設計思想としては形骸化して久しいものの、185系が存在する限り湘南型の思想も温存され、「踊り子」が全廃される事が考えにくい以上は185系には後継車が用意される。その車両が新規の設計になる限り湘南型もまた、血は薄くなるにせよ生き続ける…そうした繋がりを、中央線からの車両の転配は絶ちきる形になります。

ただ、これが残念な話かというと一概には言えません。何故なら先述の通り、湘南型電車の設計思想が現状において通用しない以上、完全な新車になったとしても185系から受け継がれる面影は微々たるものにとどまった可能性が高いです。
現実的な問題として、いちマニアの立場から見てそれより重要なのは、修善寺乗り入れの今後。現在185系の「踊り子」は付属編成の5両が伊豆箱根鉄道の修善寺まで乗り入れていますが、これは国鉄時代からの伝統であり、国鉄分割民営化に伴い東海道本線が熱海を境に東と東海に分かれた今では実に三社間の直通列車となっています。
もし東が「踊り子」を完全な新車に置き換えたなら、この機会に修善寺乗り入れも止めてしまおうかと考えても不思議はないのです。もとより新車なら編成両数の組成も自由ですから、それを敢えて伊豆箱根鉄道や東海に揃える必然性は実際のところ高くありません。
一方、「踊り子」をE257系に置き換えると、この形式には短編成が豊富という特性があります。今回転配する0番台には2両編成の増結向けがあり、それとは別に幕張車両センターには房総特急向けに作られた500番台が5両編成で多数在籍し、しかもこれは高速バスの攻勢を受けての減便でだぶつき気味です。
0番台の基本編成を付属編成とニコイチにして10両にし、500番台を合わせて転入させた上で付属編成扱いにすれば、現行「踊り子」の15両フル編成を比較的容易にトレース出来るのがE257系を転用する事の利点であり、湘南型の形骸化した伝統の引き継ぎより、これによって修善寺乗り入れの伝統が引き継がれる方がマニアにとってはより喜ばしい話と言えます。
まだ公式なアナウンスがないので不確定要素ではあるも、東の持ち駒の中で最も修善寺乗り入れに適した車両が充てられることが決定したのは確かで、今後に期待の持てる流れだと自分は思いますね。

JR東日本「あずさ」「かいじ」もE353系に! E257系は東海道本線へ
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=95&from=diary&id=5113316
3 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する