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2018年05月18日23:12

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「生ぬるい」会社

生ぬるい会社というと、従業員に優しいホワイト企業のように思えるが…
とんでもない。その逆だよ。

うちのオフィスの入っているビル内で空調工事が始まる。
もちろん、一部止めるだけだろ…と思ってたら、
So Sweetだった事に気付かされた。

オフィス全体のエアコンが使えんやと…
それも、6月頭まで…!?

殺す気か!!と所内大ブーイング。
冷房の効いていないうちのオフィスなんて、
居心地の悪さは監獄以下だ。
…まあ、監獄にぶち込まれる経験はしたことないが。

こうして、夏日なのに冷房のない、地獄生活がスタート。

「俺しばらく直帰するからな。こんなクソ暑いとこで仕事なんかできるか!」
半ギレで出ていくマネージャー。気持ちはわかるが、電話代が高くつくぞ…

俺だって外に出たい。
営業車だろうと電車だろうと、冷房なしに比べりゃ天国だ。
しかし、来週の東京行きを控え、準備に追われ、出られない…

今度は業務の人が変わるから打ち合わせして、しばらく営業兼事務でサポートしろだと…
だ・か・らぁ!!それを大阪から呼んでやらせる理由が分からんっての!!
東京にも人いるだろ?

こんな事なら、最初に東京に行ったときにタダ酒飲めるからって、
部長の誘いに乗らなきゃよかったと今更ながら思う。

そして今になり、「ずいぶん飲ませてやったよな?女の子とも結構遊ばせてやったよな?」と、
その借り返せとばかりの便利屋扱いだもんな…

ムカついてきたら、余計暑い。
こちらの殺気を感じ取ったのか、事務の子がオフィスの奥から、
骨董品みたいな扇風機を出してきた。

「お、恐ろしい旧式やな…発火とかせんやろうな?」

「大丈夫ですよ…たぶん。」

早速、最強にして回す。
これで少しは涼し…

「…な、生ぬるい風が…」

幽霊でも出てくるんじゃ…と思うような生ぬるい風がオフィスを流れる。
余計空気よどむわ。

「ま、まあ、ないよりはいいよな…ありがとう。助かった。」
出してくれたのに文句は言えず、礼を言う俺。

扇風機で気づいた俺、ポツリ。
「しかし、よく扇風機なんてあったな。」

「うちのサーバー、熱くなりやすいんで、扇風機で風を送ってたんです。」

「…それ、かえって危なくねえか?」

新型のサーバーをクールダウンさせる為に、骨董品のような旧式の扇風機…
しばらく、違和感が消えなかった。

今はただ、このオフィスをクールダウンしてほしいもんだ。
東京から帰ってきたら、涼しくなっとけよ。
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