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2018年05月17日01:12

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水曜クビクビ日記493:孤狼の血&フロリダ・プロジェクト

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昭和63年、広島・呉原市…
組長が逮捕され弱体化した暴力団「尾谷組」は、最近ノシてきた「加古村組」と一触即発の状態にあった。加古村組は、以前から尾谷と揉めている「五十子会」の下部組織。フロントである呉原金融からカネを吸い上げて資金とし、尾谷のシマを買い漁っているのだ。
呉原東署のマル暴刑事・大上は、呉原金融の経理係が加古村組に拉致され姿を消したことを知り、捜査を開始。新たな相棒・日岡を伴い、加古村組の構成員たちを脅して情報を得ていくのだった。使い込みがバレて始末された経理係の遺体を見つければ、加古村組長以下幹部たちを殺人で挙げることができる。このネタで加古村組を壊滅させるのが大上の目的だった。新人の日岡の目には、違法捜査を続ける大上の姿は尾谷組の飼い犬に見える。実際、大上は尾谷組若頭・一ノ瀬とツーカーの仲であり、カネまで受け取っているのだ。だが一ノ瀬は、子分を加古村側に始末され、爆発寸前になっていた。3日の間に加古村を潰さなければ、加古村組&五十子会を相手に全面戦争を仕掛けると大上に宣言する…


「孤狼の血」。東映が気合いを入れて製作した本格ヤクザ映画。冒頭の背景説明ナレーションなんかは「仁義なき戦い」に代表される東映ヤクザ映画の定番。大上と一ノ瀬の関係は「県警対組織暴力」のノリですね。しかし、私が一番連想したのは…


以下、びっくりどっきりネタバレス。


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韓国映画を見慣れた目にはまだまだ物足りなさはあるけれど、白石監督、かなり頑張っています。「凶悪」に肩を並べる秀作と言って良いのではないでしょうか。

で、私の印象は、東映版「LA大捜査線 狼たちの街」って感じ。このタイトルだけでネタバレになっちゃいそうですけど(笑)
役所さんは当然のクオリティですけど、一番オイシイというか、カッコ良い役は松坂桃李ですよねー。好青年から凶犬への変貌ぶりがなかなかです。若手俳優の中で、この人、いちばん挑戦的だなぁと感じいりました。

白眉は、トイレレンジの個室360度ショット。どうやって撮ったんだよ感が満載(笑)


……ま、俺たち、というか国民の義務として必見の作品です。


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夏休みシーズンのフロリダ。町にはカラフルなモーテルが立ち並んでいるが、宿泊客の多くは、家を失い長期で住んでいる低所得者たちだ。〈マジックキャッスルモーテル〉323号室に住むシングルマザーのヘイリーもその1人。娘のムーニーと暮らしているのだが、定職に就けず家賃の支払いに苦労している。そしてムーニーはというと、同じモーテルに住む子供たちと毎日イタズラを仕掛けることに余念がない。このイタズラに毎度泣かされるのはもっぱら管理人のボビーだ。ある日、とあるイタズラがきっかけで、ヘイリーは親友のアシュリーと仲違いしてしまう。ウェイトレスで生計をたてるアシュリーは、ヘイリー&ムーニーの夕食供給元でもあったため、ヘイリーらの生活はますます困窮。ついにヘイリーは、売春に手を染めてしまう…


という「フロリダ・プロジェクト」を観た。唐突なオチに面食らった人もいるだろうけど、俺はあれはあれでアリ、に一票。


以下、ネタバレ・プロジェクト。

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サブプライムで家をなくした低所得者たちがモーテル住まいをしている…というのはマイケル・シャノンの「ドリームホーム」を観るとよくわかります。フロリダはサブプライムのメッカですよね。この現実にディズニーを絡ませたのがミラクルでした。でも、モーテルがディズニーリゾートの近くだということを、最後の最後に見せたほうがより感動したと思うんだよなぁ。あの宿泊予約を間違えたブラジル人カップルのシーンさえなければなあ…ちゃんと、「7人の小人通り」みたいな道路標識も字幕をつけない親切設計だったのに。
本家のディズニーが、「ディズニー的おとぎ話は厳しい現実には通用しない」というスタンスで作られているのに、こちらは「厳しい現実の最後の避難場所はディズニーしかない」というオチなのが面白かったですね。口じゃ非道いことを言うのに、もの凄くムーニーら子供たちを大切に見守るウィレム・デフォーがナイスキャラ。そして何よりムーニーちゃんの悪ガキぶりが最高!オススメです。

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