アリtoキリギリス

僕なら絶対キリギリス

それも冬を快適に乗り切るキリギリス

もし僕があのとき

サラリーマン辞めずに続けていたら

今の僕の生活は成り立たない

一流も超と付く会社にまぐれで入れ

親兄弟家族は喜こんだが

主役である僕には

こりゃあ大変な所に来たもんだと

なんせ上司にカスが居たなら

これと一生…付き合うの？

毎日顔見て言葉を交わして


学校なら

1年間辛抱すれば

担任も変わるし

環境も変わることができる

所が会社と言う組織は…

特に出世も望めないような

普通のサラリーマンなら

配属された上司と

否応無しに…下手すりゃあ定年まで

僕は我慢のできる人間では無いので

途中下車した

往年…同期の人間と出合った

彼は僕なんかより遥かにできる人間で

上の受けもよく真面目でいい人だった

その彼とバッタリ競馬場で…

彼の方から声をかけられた

持ってる新聞は

まるで赤く塗りたくったように

書き込んである

一目で競馬にのめり込むタイプの持ち物である

おお…久しぶり

どう…調子は

だいたい競馬場で交わす言葉なんて

おおかた…どう調子は…とか

取った？くらいである

コーヒーでもと誘い

食堂の片隅に座る

昔の話に花が咲き

あいつはあのこはあの上司は…と

僕は待たせてる人間も居るので

名刺を渡しまたの再開を…

君の名刺も下さい…って言うと

無職とのこと

あれほど仕事が出来て

バリバリ働いていた彼が

無職とは

まだまだ老け込む歳でもなく

第二の人生に

復活できる体力と能力を持ち合わせてるのに

サラリーマン長くやってると

潰しがきかんんわ

彼の言葉には実感がこもり

定年まで働いてもそれでは終わりではなく

人間の一生はまだまだ続いていく

人生には見極めが大事かも

アリtoキリギリス

どちらも最後はくたばるのだから

やっぱり僕はキリギリスがいい