18940831　NO2411　王宮内の日本兵の撤退の件

18940831　NO2411　王宮内の日本兵の撤退の件
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駐韓日本公使館記録 5巻 参. 諸方機密公信往 参 (13) 王宮内の日本への撤退の件
文書題目 (13) 王宮内の日本兵の撤退の件
文書番号 機密 第一七五号 本九九
発信日 明治二十七年八月三十一日 ( 1894年 08月 31日 )
発信者 特命全権公使 大鳥
受信者 外務大臣 陸奧

(13) 王宮内の日本兵の撤退の件
機密第一七五号 本九九
先便機密第一七参号ヲ以テ御送付及候仮条約ノ末款ニ大闕護衛ノ日本兵員ハ時宜ヲ酌量シ一律撤退セシムヘシトアルニ従ヒ本官ハ野津師団長ノ同意ヲ経テ当国政府ト協議ノ上大闕護衛ノ任務ヲ韓兵ニ讓リ我兵ハ一先ツ大闕ヲ撤シ暫ク光化門外壮衛営ニ引移シ以テ不虞ノ変ニ備ヘ猶闕内取締ノ為メ巡査十名乃至参十名ヲ派出スルコトニ取極メ去ル二十一日別紙甲号写ノ通リ外務衙門ヘ照会及候処右ハ至極同意ノ旨同乙号写ノ通リ照覆有之候ニ付去ル二十一日午前十一時ヲ以テ無故障交代相済ミ巡査参十名ヲ派遣致置候間右様御承知相成度此段申進候也
明治二十七年八月参十一日
大鳥 特命全権公使
陸奧 外務大臣 殿




（＊私訳）
(13) 王宮内の日本兵の撤退の件
機密第一七五号 本九九
先便機密第一七三号で御送付いたしました仮条約の末款（最終項）に「大闕護衛の日本兵員は時宜を酌量し一律撤退させること」とある＊のに従い、本官は野津師団長の同意を経て当国政府と協議の上王宮護衛の任務を韓兵に譲り、我が兵は一先ず王宮を撤退ししばらく光化門外壮衛営に引き移し、これによって思いがけない事故に備え、なお王宮内の取り締まりのため巡査十名ないし三十名を派出することにし、去る二十一日別紙甲号写しの通り外務衙門へ照会に及びましたところ、これは全く同意である旨同乙号写しの通り返事がありましたので、去る二十一日午前十一時を以って問題なく交代が終了し、巡査三十名を派遣致しましたので、以上御承知いただきたくこの件ご報告します。

明治二十七年八月参十一日
大鳥 特命全権公使（＊発信）
陸奧 外務大臣 殿



＊一　以上開ク所ノ暫定条款ハ畵押蓋印ヲ経タル後時宜ヲ酌量シ大闕護衛ノ日本兵員ヲ以テ一律撤退セシム可シ（一　以上を以って開始する暫定条款は署名捺印の後時宜を考慮し大闕護衛の日本兵員を一律撤退させること。）