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2018年05月07日20:56

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25 詩・短編を書いてみた (第1835回)

詩・短編を書いてみました
素人なので気に入っていただけるか分かりませんが
一生懸命に書いてみました
暇なときにでも読んで
楽しんで頂けると幸いです(^_^)

25「洋館にいた少女」

▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

蔦が巻き付き
大きなガラスを幾つかに区切って1つした窓から
木の葉に揉まれたかのような優しい陽の光が注いでいる

窓の近くには
まるでその光を感じながら休憩する為のウッドテーブルとイスを置くような広いスペースがあった
そしてそこに
愛でるような風に揺れる木の葉をまどろむ目で見ながら
どこかの高校の制服を着た女の子が立っていた

それは絵になりそうな
とても美しい光景

その光景に見とれてしまっていると
彼女がこちらに気づいて振り向いた

一瞬で分かった
彼女は幽霊だ
でも不思議と恐怖は感じない
彼女には幽霊特有の殺意とか怨念とかよりも
優しさで融和されたような親近感のある雰囲気を感じる

彼女が声をかけてきた

「アナタは…。探検家さん?」

探検家……
まさかの言葉に僕は少し驚く
確かに廃虚巡りという趣味は見方を変えれば探検家に見えるかもしれない
でも
廃虚巡りは他人の生きた時間を盗み見るようなもの
探検家のようなロマンや美しさはない

「いえ…。私はそんなようなものでは…」
「そうですか」

彼女は少し残念そうに窓の外の木々に視線を戻す
ホコリがゆっくりと落ちる時のような静かな空間が流れる
僕はそれに堪えきれなかったのと
幽霊と話せる好奇心に思わず口を開いた

「あの…」
「…はい?」
「アナタはここに住んでるのですか?」
「いえ」
「では、何故ここに?」
「何故……?」

彼女は表情が虚ろになって足元に広がるスペースを見る

「待っております。あの約束が果たされる日を…」
「約束ですか?」
「はい」
「あの……。差し支えなければでいいのですが。どのような約束を?」
「……とある方と、ここでお茶を飲む約束です」

彼女は遠い過去を見ているのだろうか
とても悲しそうな眼をしている

多分
いや恐らく
それが叶うことはないと分かっているのだろう
でも
彼女はここで待っている
その想いは
けして怨念などではない純粋な想い
もしかしたら恋心に近いのかもしれない
まぁ
どれにしても
この僕には彼女の感情に触れることすら出来ない

影が伸び
太陽が傾いてきた

僕は彼女に問いかける

「また来ても良いですか?」

すると
彼女の寂しい表現が少し緩み
笑みを浮かべて言う

「はい。お待ちしています」

しかし後日
その場所に訪れたが
彼女に会えることはなかった

でも
あれだけの想いを持っているのだから
いなくなったわけではないと思う

せっかく持ってきたし、置いていくか……。

僕は窓の側に
持ってきた折り畳み式の簡易的なウッドテーブルとイスを組み立てた

やっぱり絵になるなぁ……。

きっと
これで彼女は待ち人とが来たときに
一緒にお茶が飲めるだろう

良いお茶会になるといいな。

僕は一枚だけその風景を写真を撮り
背を向けて歩き出した
すると
どこからか吹いた優しい風が僕の足下を通り過ぎる

もしかして…!?

そう思って振り向いたが
そこには誰もいなかった
でも
その風にのせて

ありがとう……。

そんな声が聞こえたような気がした


▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
どうも僕です(^_^)v

久々に良いのが書けた気がします(^_^)

最近は雨が降ったり、暑かったりと…
どうも天気が安定しないから
嫌だなぁと思う反面、刺激があっていいなと思ったり
私の気持ちもコロコロと変わってしまって困りますよ(^3^)


次回も読んで頂ければ幸いです(^_^)v

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