mixiユーザー(id:564554)

2018年04月22日19:33

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いつも心はジャイアント(映画)

切なくも美しい絵本を読んだ後のような印象が残る。
非常に独創的で、数々の映画賞を受賞したのもうなずける。

主人公はスウェーデンの施設に住む孤独な青年リカルド。
ペタンクという欧州で人気の競技に打ち込んでいる。一般の人と同じチームに入っている。
頭蓋骨が特殊な形で脳に障害がある病気(身体障害と知的障害もありそう)という設定のため、顔の大部分を特殊メイクで覆い、セリフもほとんどない。
それでも尚心に残るのは、彼の母を慕う心やペタンクに向けるひたむきな思いと、空想の中のファンタジーのようなシーンのせいだろう。巨人になった彼の目線で、美しい北欧の森を見下ろす、絵本のような映像を見ることができる。

リカルドは生まれつき医者も驚く複雑な症状を持つ脳の病気を抱える。
父は不明、母はリカルドを育てるうちに心を病んでしまったので、一緒に住むことはできない。
福祉の行き届いた北欧らしく施設の人々は優しい。ペタンクチームの人たちも仲間としてつきあい、その中に親友もいる。しかし、リカルドの孤独は癒されない。
身体的な特徴のために見知らぬ人からの差別にもさらされる。

唯一打ち込んでいるペタンクで、この病気ゆえに大きな挫折にぶち当たる。

自分がもっと強ければ、大きければ、という願いがあの空想を生むのが観ている者に伝わる。
リカルドの純粋な心が絵本のような映像に表される。
感動ものやお涙物ではない所がこの作品のすごい所だと思う。

http://www.giant-movie.jp/
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