mixiユーザー(id:2438654)
2018年04月15日13:19
95 view
東京・春・音楽祭 ローエングリン
2018/4/8日 15:00- 東京文化会館 大ホール
ワーグナー：歌劇《ローエングリン》
（全3幕／ドイツ語上演）［上演時間：約4時間30分（休憩2回含む）］
指揮：ウルフ・シルマー
ローエングリン：クラウス・フロリアン・フォークト
エルザ：レジーネ・ハングラー
テルラムント：エギルス・シリンス
オルトルート：ペトラ・ラング
ハインリヒ王：アイン・アンガー
王の伝令：甲斐栄次郎
ブラバントの貴族：大槻孝志、�睛�英次郎、青山 貴、狩野賢一
小姓：今野沙知恵、中須美喜、杉山由紀、中山茉莉
管弦楽：NHK交響楽団（ゲストコンサートマスター：ライナー・キュッヒル）
合唱：東京オペラシンガーズ
合唱指揮：トーマス・ラング、宮松重紀
音楽コーチ：トーマス・ラウスマン
映像：田村吾郎（RamAir.LLC）
毎年楽しみにしている東京春祭ワーグナーシリーズ。思えばフォークトを初めて聴いたのも春祭のマイスタージンガーでした。今回、幸運にもフォークト至近のかぶりつき席をゲットすることができて、超・堪能
いやー楽しかったー！白鳥の騎士といったらフォークト。このお声・お姿、このオペラのなかの白鳥の騎士からまさに抜け出てきたよう。この日は、体調イマイチということで声が多少割れたりしていて本調子ではなかっけど、それでも十八番のローエングリン、楽譜なしで、ときには演技も入れながらの熱演でした。
開演直前に、「フォークトは5日の公演の後発熱いたしました・・・」というアナウンスがあり、会場から悲鳴に近い声が上がった瞬間は、一生忘れられない。その後、「が、本日は出演いたします」の後の安堵の声とともに。
調子が悪かったとしても、やっぱりフォークトの声は美声だと思いました。ビブラートがほとんどかかっていない、ビンっと張りのあるレーザービームのような響き。澄んでいるのに、強くて英雄の声にも聞こえる。加えてあの佇まい。金髪で美しい（ちょっとカワイイ）顔立ち、がっしりとした体躯、だけどとても誠実で真っ直ぐなお人柄が演技からも感じられる。エルザ役に対する優しく見守るような表情、そして、名を問われたときの怒りの中にも悲しみが感じられる表情が何ともいえず素敵でした。
ローエングリンって、突然現れてエルザに「愛してる」とか言っちゃうし、周りの登場人物と比べてもエルザともども浮世離れしている感じがあります。フォークトがやると、その人物像が単なるお話ではなく、説得力が感じられるのですよねー。
エルザ役のハングラーも、フォークトに似た澄んだ美声と正確な音程をもつ歌手で、佇まいも夢見心地。彼女、楽譜と首っぴきで歌っている感じで感情表現まで余裕がなさそうではありましたが、なかなかよいキャスティングだったのではないか、と個人的には思います。少なくとも、2016年の新国ローエングリンのときのマヌエラ・ウールより私は好きかも・・・
そして、これも当たり役、ぺトラ・ラングのオルトルート、衣装もないのになりきり演技凄かった。彼女も花粉症になってしまい、公演中も鼻をすすりながらで歌唱は正直よくなかったと思いますが、ストーリーを語る力は凄いなと思いました。ラングも楽譜なし。
そして歌も佇まいも素敵だったのはアイン・アンガー！この方、いつもハーゲンとか悪役で聴いちゃってますけど、実はこういう正統派な王様役すっごい似合うじゃないですかー。お顔も素敵で、一部では「エストニアの阿部寛」と呼ばれていて、確かに！と思いました。渋くて温かい声もめっちゃ好み、安定した歌唱でございました。
テルラムント役のシリンスもよかったです。根っからの悪党ではなく、元々は善人だが奥様の尻にしかれて道を外れる小悪党といった風情を公演。この方も、歌に不安なし。
あ、王の伝令の甲斐さんも素敵な声でこの役には勿体ない感じでした。
こう見てくると、歌手が本当に充実していたんだなあ。
余りに前の席すぎて、オケや合唱のできは、全く分かりませんでした。でも、シルマーの意図する音楽はキビキビしていて、新国の飯守さんのそれとは全然違う方向性。きっとこちらの方が今っぽいんだろうなと思いましたが、個人的には、メリハリがあり、物語が物凄く分かりやすくてよいと思った次第です。議論をよんでいる映像は、私の席からはオケの影になってほとんど見えませんでした。が、なくても楽しかったというのは事実。コンサート形式のときは、照明だけでもいいのではないですかね・・・。
そうそう。キュッヒルさんのヴァイオリンは凄い迫力でした。見ていると、彼のボウイングって他の人と全然違うんですね。詳しくないので何という言葉で表現したらよいか分からないのですが、動かす距離が全然違う。あと、圧も違うように思いました。
春祭のワーグナーシリーズ、来年は「さまよえるオランダ人」、そして2020年は「トリスタンとイゾルデ」。出演者発表が楽しみです。
ワーグナー：歌劇《ローエングリン》
（全3幕／ドイツ語上演）［上演時間：約4時間30分（休憩2回含む）］
指揮：ウルフ・シルマー
ローエングリン：クラウス・フロリアン・フォークト
エルザ：レジーネ・ハングラー
テルラムント：エギルス・シリンス
オルトルート：ペトラ・ラング
ハインリヒ王：アイン・アンガー
王の伝令：甲斐栄次郎
ブラバントの貴族：大槻孝志、�睛�英次郎、青山 貴、狩野賢一
小姓：今野沙知恵、中須美喜、杉山由紀、中山茉莉
管弦楽：NHK交響楽団（ゲストコンサートマスター：ライナー・キュッヒル）
合唱：東京オペラシンガーズ
合唱指揮：トーマス・ラング、宮松重紀
音楽コーチ：トーマス・ラウスマン
映像：田村吾郎（RamAir.LLC）
毎年楽しみにしている東京春祭ワーグナーシリーズ。思えばフォークトを初めて聴いたのも春祭のマイスタージンガーでした。今回、幸運にもフォークト至近のかぶりつき席をゲットすることができて、超・堪能
いやー楽しかったー！白鳥の騎士といったらフォークト。このお声・お姿、このオペラのなかの白鳥の騎士からまさに抜け出てきたよう。この日は、体調イマイチということで声が多少割れたりしていて本調子ではなかっけど、それでも十八番のローエングリン、楽譜なしで、ときには演技も入れながらの熱演でした。
開演直前に、「フォークトは5日の公演の後発熱いたしました・・・」というアナウンスがあり、会場から悲鳴に近い声が上がった瞬間は、一生忘れられない。その後、「が、本日は出演いたします」の後の安堵の声とともに。
調子が悪かったとしても、やっぱりフォークトの声は美声だと思いました。ビブラートがほとんどかかっていない、ビンっと張りのあるレーザービームのような響き。澄んでいるのに、強くて英雄の声にも聞こえる。加えてあの佇まい。金髪で美しい（ちょっとカワイイ）顔立ち、がっしりとした体躯、だけどとても誠実で真っ直ぐなお人柄が演技からも感じられる。エルザ役に対する優しく見守るような表情、そして、名を問われたときの怒りの中にも悲しみが感じられる表情が何ともいえず素敵でした。
ローエングリンって、突然現れてエルザに「愛してる」とか言っちゃうし、周りの登場人物と比べてもエルザともども浮世離れしている感じがあります。フォークトがやると、その人物像が単なるお話ではなく、説得力が感じられるのですよねー。
エルザ役のハングラーも、フォークトに似た澄んだ美声と正確な音程をもつ歌手で、佇まいも夢見心地。彼女、楽譜と首っぴきで歌っている感じで感情表現まで余裕がなさそうではありましたが、なかなかよいキャスティングだったのではないか、と個人的には思います。少なくとも、2016年の新国ローエングリンのときのマヌエラ・ウールより私は好きかも・・・
そして、これも当たり役、ぺトラ・ラングのオルトルート、衣装もないのになりきり演技凄かった。彼女も花粉症になってしまい、公演中も鼻をすすりながらで歌唱は正直よくなかったと思いますが、ストーリーを語る力は凄いなと思いました。ラングも楽譜なし。
そして歌も佇まいも素敵だったのはアイン・アンガー！この方、いつもハーゲンとか悪役で聴いちゃってますけど、実はこういう正統派な王様役すっごい似合うじゃないですかー。お顔も素敵で、一部では「エストニアの阿部寛」と呼ばれていて、確かに！と思いました。渋くて温かい声もめっちゃ好み、安定した歌唱でございました。
テルラムント役のシリンスもよかったです。根っからの悪党ではなく、元々は善人だが奥様の尻にしかれて道を外れる小悪党といった風情を公演。この方も、歌に不安なし。
あ、王の伝令の甲斐さんも素敵な声でこの役には勿体ない感じでした。
こう見てくると、歌手が本当に充実していたんだなあ。
余りに前の席すぎて、オケや合唱のできは、全く分かりませんでした。でも、シルマーの意図する音楽はキビキビしていて、新国の飯守さんのそれとは全然違う方向性。きっとこちらの方が今っぽいんだろうなと思いましたが、個人的には、メリハリがあり、物語が物凄く分かりやすくてよいと思った次第です。議論をよんでいる映像は、私の席からはオケの影になってほとんど見えませんでした。が、なくても楽しかったというのは事実。コンサート形式のときは、照明だけでもいいのではないですかね・・・。
そうそう。キュッヒルさんのヴァイオリンは凄い迫力でした。見ていると、彼のボウイングって他の人と全然違うんですね。詳しくないので何という言葉で表現したらよいか分からないのですが、動かす距離が全然違う。あと、圧も違うように思いました。
春祭のワーグナーシリーズ、来年は「さまよえるオランダ人」、そして2020年は「トリスタンとイゾルデ」。出演者発表が楽しみです。
3
6
ログインしてコメントを確認・投稿する