この問題での官僚叩きは危険だ

官僚組織って、おれ大っ嫌いなんすよね。彼らは個々人としては善人でも、組織を守るためなら、たとえ国民に死人が出ようと何とも感じない集団だから。
そのうえで、改竄だ隠蔽だと、現場に責めを負わせようとする今の官僚叩きは、危ない。それでこの問題を終えるなら、すべての役人が働く気をなくす。
その末に国がどうなるのか。怖くて仕方がない。

森友問題にしても日報問題にしても、現場に忖度があったことは疑いようがない。
忖度なんて、したくてするんじゃない。だいたいが、おかしいと思いながら、自分の考えを曲げてするもんだ。
「上」が決めたいろんな矛盾を、苦労して屁理屈こねて、矛盾のないきれいなものに仕立て上げる。
矛盾が大きければ大きいほど、現場の苦悩は大きくなる。（だから近畿財務局員は自死したんだろう）

「そうしろと指示していないから責任はない」？
法的にはそれはそうかもしれない。
でも、忖度させる組織にした責任は、その長にあるよね。
政治がつくった矛盾のために、現場が黒のものを白にしたのなら、それはその矛盾をつくった政治が悪い。
「現場に不正をさせた我々内閣や大臣が悪かった」と潔く頭を下げるのが常道。

なのに、今やっているのはその反対。
現場としては「上」をかばうためにやったことなのに、その「上」が正義ヅラして「全ての膿を出す」などと現場を突き放す。
これじゃ反乱が起きるよ。部下を守らない長のために、誰が働く？
もちろん、物理的な反乱はしない。でも、組織的サボタージュだったり、一種の自爆テロだったり、やばい情報の漏洩だったりとか、ただでは済まない気がする。


与党は自らを守ることしか考えず、かたや内閣にダメージを与えられれば何でもいい野党。
政治が小さくなった。政治家が小さくなった。
あぁ、政治と行政の関係がいよいよ崩壊するような気がする。

終わりの始まり、という言葉が頭に浮かぶ。