mixiユーザー(id:2438654)

2018年04月08日12:21

1139 view

NHKバレエの饗宴2018

2018/4/7土 15:00- NHKホール

3年ぶりにNHKバレエの饗宴を観に行ってきました。いやー今年の公演はレベルが高くて楽しかった!このシリーズ、最近は発表会の延長線上みたいに感じて足が遠のいていたのですが、今回のような気合い入ったラインナップならまた是非観たいです。

ちなみにこの公演、5月20日(日)午後9時から「クラシック音楽館」〈Eテレ〉で放送する予定だそう。開場の一番いい席(やその近く)にゴツいカメラがたくさん入ってました。撮影にも気合い入ってたな。

以下、演目毎に感想を。

<指 揮> 井田勝大
<管弦楽> 東京フィルハーモニー交響楽団

◆新国立劇場バレエ
「くるみ割り人形」第2幕から
振付:ウエイン・イーグリング
音楽:チャイコフスキー
出演:木村優里、井澤駿 ほか

木村さん&井澤くんは、目が潰れそうに華やかで美しい組み合わせ。ちょっとハラハラしたシーンもあったけど、もう見た目の美しさで許せてしまう。奥村君のねずみがめっちゃお茶目でカワイイ!カーテンコールもずっと演技してましたね。モトジーのアラビアは国宝級の美しさ、これTV放映は絶対アップにしてほしい。ロシアの踊りの福田さんがキレッキレですっごいよかった。踊り的にはこの福田さんと、そして花ワルの細田さんが素晴らしかった!

欲を言えば、くるみじゃなくてバランシンとかシンデレラとか、もっと、日本国内のバレエ団ではここしかこのクオリティで上演できない、ってのを持ってきてほしかった。イーグリングの振付は本当に難しそうで踊ってる方は出来たときは楽しいんだろうなぁとは思うけど、その苦労が観客に与える喜びが少ないなぁとつくづく思いました。

◆平山素子、 小㞍健太、鈴木 竜、堀田千晶
Chimaira/キマイラ(新作初演)
振付:平山素子
音楽:デュティユー『メタボール』

素子さん、凄い人だなあ・・・!とあらためて思った作品。キマイラはいわゆるキメラってことで、作品がどういうことを意味しているか、一度だけでは十分把握できなかったけど、異質なもの同士が時に和合し時に反発し合って何か一つの世界を形作っている、そういうイメージを受け取りました。Hybrid -Rhythm & Danceのときも思ったけど、照明の使い方が秀逸。あと、素子さんは舞台の奥行きを使う演出が上手いと思う。
デュティユーの現代音楽は難解なのだけど、ダンスのような視覚的な何かが付いた方が楽しく聴ける。METのLVでサーリアホの「遥かなる愛」を観たとき以来強く感じている感覚です(http://kikoworld.blog.fc2.com/blog-entry-237.html)。現代音楽ってクラシック音楽のようにメロディーを追うのではなく音楽からくるイメージを楽しむんだろうなと。
衣装も面白かった。和柄のパッチワークで今どきのダンスウウェアとも日本の伝統的な作業着ともとれそうな不思議なフォルム。
バリバリに体がきく4人のダンサーの肉体と照明、そしてスモークだけで表現されるこの世界観素晴らしい。これ一回だけの上演って勿体ない、また観たいです。
それにしてもあのスモークは本当は竜巻のように上に立ち昇らせたかったけど上手くいかなかったのでは、と思ったりしましたが、果たして。

◆吉田都&マティアス・ディングマン&スターダンサーズ・バレエ団
Flowers of the Forest
振付:デヴィッド・ビントレー
音楽:アーノルド、ブリテン
出演:吉田都、マティアス・ディングマン(バーミンガム・ロイヤルバレエ団プリンシパル)
   渡辺恭子、池田武志 ほか

総合的には、このパフォーマンスがこの日一番よかったと思いました。都さんももちろん素晴らしかったんですが、それだけじゃなく総合力で、です。そしてバレエの饗宴2018の私的MVPは池田くん!素晴らしいジャンプ力、そして卓越した音楽性。いやあーもう観ているだけで気持ちが高揚するようなパフォーマンス有難う!
BRBからわざわざ来てくれたマティアス・ディングマンも他のスタダンのダンサーも本当に全員が作品の一部になり切っていて、完成度が物凄く高かったです。
これ、演目の勝利というところもあると思う。ビントレー作品は振付も日本人に合ってるし、キルトの衣装も日本人には結構似合うと思うんですよ。あとブリテンの音楽最高だしね!ナマオトが活きる!

◆東京バレエ団
『ラ・バヤデール』から“影の王国”
振付・演出:ナタリア・マカロワ(マリウス・プティパ版による)
音楽:ミンクス
出演:上野水香、柄本弾 ほか

東バの女性陣のレベルの高さを堪能。影の王国のコールド、見事でございました。ソリスト見て、東バも代替わりのシーズンに差し掛かっているなぁと。まだまだ硬さはあるけど、こういう経験を積んですくすく育ってほしいものよ。
水香さんは以前感じた独特のクセが少なくなりだいぶ正統派クラシックのスタイルに近づいてきたなと思いました。技術的にはほんと高いものがあるし、手足が長いからチュチュを着ると本当に映えますね。ただ、ニキヤはもっと情感をこめて踊ってほしいなぁという気も。弾くんはノーブルでよいと思うけど、リズム感が私の好みとは違って、動きがちょっとにぶく思えちゃうんだよなあ。まあロシアバレエ踊るならああいう感じでいいのかもしれないですけど。


今年は管弦楽が東フィルということで、安心して聴けました。バヤデールのときのヴァイオリンソロが特にいい音だったなあ。いつもバレエの伴奏、こんな感じだといいのに!
3 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する