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2018年04月07日12:23

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小説・冬の王の物語・・3

前日記の続き・・
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そして・・地下深く・・。
地下深くにある氷の中 その奥深くに女王の氷の宮殿がある

氷をくり抜き 見事な細工が彫られて 氷の柱が立っている
いくつもの部屋
だが・・いるのは・・
本来ならば 住人は唯一人・・。

美しき女王
彼女に使える 氷の僕(しもべ)たちがいるのみ・・

いや・・たまに 彼女に命じられて
彼女のために 生贄となる人間たちが浚われて 連れてこられる
王の結界のほころびから 水の塊として抜け出し おもに小さな子供たちを浚うのだ・・。

女王は 狩りに出ることが出来ない・・冬の王の魔法で
この地下にある氷の宮殿に 閉じ込められているからだ。

氷で出来た豪奢な部屋には 毛皮やペルシャ絨毯が飾りとして
敷き詰められている。
奥のクローゼットには 金や銀 宝石のテイアラや 首飾りや耳飾り
それから 絹織物や刺繍や宝石が縫いこまれた衣装の数々


「祭りの宴が始まったか・・・」


笑みを浮かべ 女王は笑う・・。

豪華な衣装を纏い それに完璧に整った肢体を持つ
美しい顔の女

「宴の始まりか・・ふふん・・ 良い良い・それで良い」

宴の祝いに集まる村人

その暖かな血潮
妾のグラスに注ごうか

さてさて・・どうやって
王の目を誤魔化すか・・
早く この邪魔な結界さえ なければ・・


美しい貴婦人は 綺麗な細工模様のボトルから
ワイングラスに 紅い液体を注ぐ・・
一口飲み・・満足そうな笑みを浮べた・・。

伏し目がちに微笑みながら
つぶやく・・極上の血潮・・・
子供の血・・

なんとも、まろやかで心地よい味

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