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2018年04月07日11:21

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小説・梅の木・・

以前 他のピクシブなどに載せた小説です^^;
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梅の木・・

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僕は幻をみた

昼間の青空から
一変して…

一瞬に黄昏色に包まれてた

大きな神社の中にいたはずの僕は…

あれほどの沢山の人達
ざわめきが消えて 金色の光だけに包まれた

神社の巫子の衣装をまとい 金の冠 金の鈴を手にとり
祭の舞を舞うかのような衣装の小さな子供たちが
僕の前を通りすぎた・・・



目の前にあるのは伝承の御話の木

道真公を慕って 梅の木が 京都の地から 福岡のこの大宰府まで
飛んできたというが・・・

太宰府には…木の精霊の伝説がある…

主なしとて 春な忘れそ・・・(主がいなくても春を忘れるな)

菅原道真公の詠んだ句・・上の句は・東風吹けば 思いおこせよ梅の花・・

東風(とち)ふけば 思いおこせよ梅の花主(あるじ)なしとて春な忘れそ

交換留学生の彼女は 綺麗にカールされた淡い栗毛色の髪をゆらし
深いダークグリーンの大きな瞳で
まじまじと僕の顔を見ながら…笑って訊ねた

学問の神さまの御話を聞いたの

明日は福岡の太宰府に行くわ♪

花の木の精霊を見てくるね

ねえ!来ない?

誘われるまま・・ここへ・・・大宰府へ

ずいぶんと久しぶりに来たよ・・・
ここは相変わらず緑が多くて・・まだ小さかった頃で 迷子になって大変だったよ
正月には 学問の神さまだから 受験生がわんさか来るよ・・最近は資格試験の御札もあるらしいけどね

なんで 学問の神さま?彼女は尋ねる

幼少の頃から賢くて・・神童だったんだ・・天才・・で・・成人ののちは
政(まつりごと)・・政治の中心にいたんだけど・・・

政敵に蹴落とされた形で この地に来たんだ・・監視されて 食事さえ 大変だったらしい
見かねた老女が 梅の木の枝で監視の目をくぐって 餅を差し出したのが・・この「梅が枝餅」のいわれ・・だったかな?
うん

僕は すぐ傍の店で買った餅を彼女に差し出した 焼きたてで 暖かく 中には餡子(あんこ)がたんまりと
入っていた・・

こちらは緑色? 

そうだよ・・こっちはヨモギ入りの餅 餅の中にヨモギが練りこんである

よもぎ入りは たまにしか置いてないよ・・正月と25日だけだったかな?

池の上の大きな橋・・沢山の参詣客に混ざり
山のような円形・・半月の橋を渡り 橋の下の池や廻りの大きな木を眺める錦鯉にまざり 小さな亀が泳いでる

・・・で
この地で亡くなられたのだけど・・ 不思議な出来事が都で沢山あって 
神さまとして祭られたんだ・・

神童といわれる程の天才だったから・・学問の神さまなんだ?

そうそう・・
不思議伝説の中に 梅の木が飛んできた・・という話 が
君が昨日 話したことの中にあるよ・・

都から 家族とも引き離されて この地に来るのだけど・・
庭にあった お気に入りの 梅の木があって・・・

梅の木に一句詠んで この地に来たら・・・
梅の木が寂しがって 関西の京都から 福岡の大宰府に飛んで
きたらしいけど・・・

まじまじと 楽しそうに彼女は聞いてる・・・日本の不思議伝説? 


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