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2018年04月05日20:22

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AEDの現状と相撲協会について

■土俵に大量の塩まく 女性らが倒れた市長救命後 舞鶴
(朝日新聞デジタル - 04月05日 12:21)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5057874

まずは、ここで一つクイズを出そう。
1・『人間は心臓が止まって何分で脳死になるでしょうか?』
2・『通報から救急車到着まで全国平均何分でしょうか?』

ここでヒントがてら少し書こう。
人間の中で一番もろい部分は脳である。
ここで心臓などの指令を出し我々は生きているが、『人を人と至らしめている部分』とされる部分はわずか数分で死滅してしまう。
この場合、心臓などは動いているから(部分の状態にもよるけど)麻痺や植物人間などになる。
そうならないために自分や周囲の体に変化が起こったとき、人は救急車を呼ぶ。
もっとも、無料(本当は違うらしいが)で迅速であるためにタクシー代わりにされたり翌日の診察でもいいような患者たちに荒い使われたかをされ、救命士たちも公務のため断ることもできず病院に運ぶ。
結果、「たらいまわし」になる。

さて、先ほどのクイズの答えが出ただろうか?
答え。
1・『人間は心臓が止まって何分で脳死になるでしょうか?』 答え 4分
2・『通報から救急車到着まで全国平均何分でしょうか?』 答え 7分
お気付きだろう。
そう、救急車が間に合わないのだ。
その最たるものが2002年高円宮親王陛下が運動中に心室細動で47歳と言う若さで亡くなったこと。
本来ならば日本で一番濃密な医療を受けられる皇族方が亡くなるということにより、日本のAED普及率が問題化され、現在では様々な場所で各医療メーカーのAEDを見かける。
分からない人は『オレンジの箱』と言ったほうがいいかも・・・・・・・
しかし、名前ややり方は見たことあるけど使い方が分からない人も多いだろう。
かつ、『万が一のことがあったら遺族に何を言われるか?』とか『何度も人工呼吸をするは嫌だ』という人もいる。
現在、小中校などでは教育の一環としてAEDの使い方を教えているので無知なのは今の三十代あたりからだろう。

まず、最初に書いておきたいのは、『万が一、AEDなどをして倒れた人が亡くなったり骨が折れても罪には問われない』という民法698条があるため免責されるということ。
むしろ、何もしないで見ているほうが駄目だと思う。
あと、今は『人工呼吸をしなくてもいい』と言うことになっていて現場的には「そんなことより心臓マッサージ」が本音らしい。
ついでに、心臓マッサージ自体は着衣のままでも大丈夫。ただし、AEDのパットは素肌からでないとダメなので手間などを考えたら脱がしたほうがいい。

さて、ここからテレビで見た倒れた瞬間から実例を交えつつ実際にはどうすればいいかを書いていく。
まず、市長が倒れたときに数人の関係者が寄ってきて立ちすくんでいたが、はっきり書こう。
『邪魔』
それ以外の何物でもない。
『いないほうがマシ』『木偶の棒』と言われても反論できまい。
すぐに女性が土俵に上がり心臓マッサージを始めた。
たぶん、だが。(現場の音声がないため断言できないが)
彼女は周りの『木偶の棒』共に指示を出していたと思う。
「AED持ってきてください」
「119番に電話してください」
などなど
この時、機敏に動けば彼らも多少は名誉回復しただろうが、木偶の棒は木偶の棒である。
他の女性も加勢するがアナウンスで「女性は下がれ!!」と詰られる始末だ。
ようやくAEDを持った救急隊が到着し、市長は事なきを得た。

もっと具体的に書こう。
とは言っても、実際、目の前で人が倒れてAEDを使う機会と言うのは医療従事者(=病院など)以外は、『一生のうちにあるかないか?』レベルの出来事なんだそうだ。
一番いいのは、その知識などを一生使わずに人生を終えることだろう。
でも、逆に言うと、何処に行っても「倒れる人は倒れ、助けなければいけない」と言うことも意味する。

本題に戻ろう。
もっと具体的に見てみる。
まず、倒れた人の横に座り、「大丈夫ですかぁ!!」と耳元で言う。
この時、何かしらの反応があれば何もしなくてもいいので、その人の様子や言うことを聞いて介護する。
何の反応がない。
次に腹の底から叫ぶ。
「誰か来て!!!」
周りに人がいれば先ほどの女性のように指示を出す。
(ここで男性にお願い。倒れている人が女性だった場合、公衆の面前で胸を出すことになります。できれば複数の人がジャケットなどで野次馬から隠してくれるとありがたいです)
逆に一人だった場合は『119』へ電話する。
向こうも慣れているので冷静に「救急です。人が倒れています」と告げる。
報告を終えて、AEDのある場所が分かっていれば取りに行く(ダッシュで)。
なお、AEDは悪戯防犯のために封がされていてブザーが鳴るが、人が集まってくれば逆に援助してもらう。

次に呼吸の有無。
(無理にしなくてもいいけど)抵抗があるのならハンカチやティッシュなどでカバーして(「フェイスシールド」などの名前で商品化されています)相手の口を自分の口で覆うようにして息を吐き胸のふくらみを見て口を放し、相手の呼吸を頬で感じればもう一度同じことをして確認。(これで呼吸していることが分かればOK)
ただ、十秒以内が原則であり、他にもやることがあるので、「わからない」ならば心臓マッサージである。
知りたければ、近くの消防署やイベントで講習をやっているので参加することをお勧めする。

さて、心臓マッサージである。
まず、片手を広げ、もう片方の手を重ね指の間に通して握る。
当てる部分は手首近くの、空手で言う「掌打」と呼ばれる部分だ。
そこで「まー、この辺が胸の真ん中かな?」辺りに手を置き、1分間に120回のペース(多少変わることがあるが)で最低5センチは沈むぐらいに押し、力を抜く。
腕で押すのではなく、肩から先を一本の棒状にして全身を使って押す。
ただ、これだとイメージが掴みづらいだろう。
で、私のやり方。
そのままの体制で膝だけで着地させて足を浮かす。
こころもち前側に倒れるようにして押す、というより全体重をかける。
リズムは中島みゆきの『地上の星』や『アンパンマンマーチ』などが例に出されるが、私の一押し。
ただし、これは絶対心の中で言うことが必須条件だが・・・・・・・・
詰る、罵る、罵倒する。
誰でもいい。
ニュースでもいい。
とにかく、口汚く矢継ぎ早に罵る。
人工呼吸もする人は、ここでカウントをする。(大変だと思うけど)
30回で2回の人工呼吸のサイクル。
心臓マッサージの人はひたすら頑張る。

AEDが到着した。
メーカーや時代などにより指示が変わるので私なりに要約して書いていく。
まず、開ける。
すると、勝手に話し出す。
「意識と呼吸確認しろ」
「胸を裸にして2つのパットを出せ」
今まで着衣させてた人は、この時、服をたくし上げるなりブラジャーを外すなりの作業が必要。
(メーカーによってはパットを本体のコネクトに挿すこと指示されることもあります)
「パットの袋を破って、描いてある通りに貼れ」
音声とパットに描かれた図を見れば分かるようになっているので指示通りに貼る。
「それじゃあ、脈を調べるから、お前ら離れろ」
と勝手に心電図解析を始める。
「よし、電気ショック必要だから充電するわ、体から離れていろよ」
と充電開始。
「はい、充電完了!ボタンを押せ!!」
この時、周りの人間も自分も倒れた人の周りにいないかをチェックする。
そうしないと、感電してしまうからだ。
確認を終え、心おきなくボタンを押す。
「はい、電気ショック終わり。お前ら、パットを付けたまま、とっとと人工呼吸と心臓マッサージしろ」
そして、心臓マッサージへ・・・・・・
二分後、同じことの繰り返し。
これを救命救急隊が来る前で続ける。
(なお、AEDのセリフは私なりに分かりやすくしたもので、実際は丁寧ですよ)

これらの知識を相撲協会の人は持っておくべきだし、万が一に備えて男性の救護班でも作っておくべきだったように思う。
でも、現実は似たようなものなのかもしれない。
だからこそ、今、この画面の向こうで、この文章を読んでいる貴方にいいたい。

AEDの正しい使い方、救命救急のことにもっと関心を持ってください。
出来れば、講習会に参加して実際にやってみてください。
知識だけでは体が動かないことがままあります。
そして、(不運にも)職場で、スーパーで、路上で、たまたま自分の周りで歩いていた人が倒れたら助けてください。
そんな助けを求められたらすぐに助けてください。
「女性は土俵に入らないでください」と言われても無視しましょう。
あんな権力闘争に明け暮れて何もできなかった単なる木偶棒のようになるのは、彼らだけで十二分です。
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