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2018年04月01日17:18

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東京春祭歌曲シリーズ クラウス・フロリアン・フォークト

2018/3/26月 19:00- 東京文化会館 小ホール

テノール:クラウス・フロリアン・フォークト
ピアノ:ルパート・バーレイ

ハイドン:
 すこぶる平凡な話
 満足
 どんな冷たい美人でも
 人生は夢
 乙女の問いへの答え
 小さな家
ブラームス:
 目覚めよ、美しい恋人
 昔の恋 op.72-1
 谷の底では
 月が明るく輝こうとしないなら
 甲斐なきセレナーデ op.84-4
マーラー:《さすらう若人の歌》
 第1曲 彼女の婚礼の日は
 第2曲 朝の野辺を歩けば
 第3曲 私は燃えるような短剣をもって
 第4曲 二つの青い目が
R. シュトラウス:
 ひそかな誘い op.27-3
 憩え、わが心 op.27-1
 献呈 op.10-1
 明日には! op.27-4
 ツェチーリエ op.27-2

[アンコール]
R.シュトラウス:セレナーデ op.17-2
ブラームス:日曜の朝に


歌曲には全く詳しくない私ですが、まったく眠くなることなく実に幸せな気分にさせていただいた公演でした!

フォークトの声って本当に独特。透明感があると同時にハリがあって、レーザー光線のように真っ直ぐ届いてくる。私は初めて聴いたときからずっと、彼の声って日本の民謡の発声に似て聴こえるなと思ってました。あ、これ、悪い意味じゃないです。ビブラートをあまり感じない、音程の揺れがほとんどない歌い方だからそう感じるんだと思う。そして声量も豊かで、小ホールくらいだと、全く無理せずにかるーく歌っても声が届いてしまうのだな。

声質も勿論好きなのですが、更にいいと思うのは正確な音程、はっきりした発音。ここまではよく言われてることですが、私はそれに加えて彼のリズム感が物凄く好き。今回、予定されていたピアニストが直前に怪我でこられなくなってしまい代役の方がいらして、ピアノは準備不足だなぁと思うところもあったのですけど、ピアノが多少迷っていても、フォークトは音程どころがリズムの面でも全く動揺せず、きちっと歌でリズムを作ってピアノも引っ張っていました。いやー本当に気持ちいい!

今回のフォークトさん、2年前に小ホールで水車屋の娘を聴いたときと比べると、凄く声や表情の演技力が増しているな、と感じました。昨年バイエルン歌劇場と一緒に来たときも、役者になってきたなぁと思ったのですが、今回も更にそれを実感。ラッキーなことにかなり前方の席で聴いていたのですが、彼の声を聴くだけじゃなく表情や身振り手振りを見ているのもとっても楽しかったです。

曲にあまり詳しくないので演目ごとの感想は書けないのですが、フォークトの声ってRシュトラウスの色彩感ある音に凄く似合うなーと思いました。(Rシュトラウス、個人的にはこれから積極的に聴いていきたい作曲家の一人です)

最後に、彼から英語で簡単なスピーチが。日本に戻ってこられて本当に嬉しい、ここに来られて光栄だと思っていることを伝えたかった、と。更に、何度かの拍手の後、あ、言うの忘れてた、突然ここに来て今日のステージを救ってくれたピアニストに心から感謝しています、という言葉も。彼がああいう風にスピーチをするのって珍しいらしくファンの方も凄く喜んでらっしゃいました。英語の発音もめっちゃきれいだし、もうとにかく、ちょっとはにかみながらそういうお話する姿に人のよさがにじみ出ていて、芸術面だけじゃなくお人柄も何て素晴らしいのかしら・・・!と、とにかくメロメロになったリーダーアーベントでした。

この後はローエングリン。演奏会形式ではありますが、きっと進化した演技力で新国のそれとも違う姿を見せてくれるのでは、と楽しみでなりません!

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