【システム】
・TRPGシステム:ゆうやけこやけ
http://open.mixi.jp/user/65580734/diary/1964488814
【レギュレーション】
・ゆうやけこやけ基本ルールブック
・もののけこやけ
【町】
ロンドン
【あらすじ】
穏やかな春の日差しが差し込む頃。
春の酒も出回り始め、そろそろ常温で飲むのもオツなものかな。
いつも通り社の中でゴロゴロしているEruはぼんやりと考えます。
寒い冬が明ける今頃は祭りをやったりしたなぁと昔の事を思い返します。
「昔ゆーても、300年も経っておるから様々やなぁ」
火鉢の炭をかき混ぜながらひとりごちる。
ほどよく温かくなったそこへ徳利を突っ込んだ。
「あっ、そうや。アテを用意せな……なぁっ!?」
フラッと立ち上がった所でうっかり火鉢に足をぶつけた。
ぐらーっと揺れる火鉢を慌てて抱えたEru。
そんな彼女の目の前で、大事な大事な狐のご神体が火鉢に落ちた。
「あっかーん!」
徳利がひっくり返って灰が舞うのも気にせず、ご神体を拾い上げた。
「えらいこっちゃ、えらいこっちゃ!」
落ちた場所が悪かったのか、ちょっと焦げ目がついている。
ごしごしと、着ていた服で擦ってみるがこれが中々落ちない。
そこでEruは気が付いた。
どうやらこの焦げ目、今できたモノじゃなさそうだ。
===
「んー、こんな焦げ目あったかなぁ」
一応このご神体がEruの本体なわけですが。
彼女はこの焦げ目にまったく覚えはありません。
「あらっ、何か掘ってあるなぁ……『Erurina』?」
自分の名前はEru、掘ってある名前はErurina。
似ている名前やなぁと思いつつも、特にピンとはきません。
ドンドンドンッ。
「すいませーん、誰かいますかー?」
「なんや、なんや」
ガラッと社の戸を開けると宅配屋のお兄さんが荷物を抱えて立っていました。
名前を書いて、ほいっと受け取り、ありがとう。
「うちの社ってちゃんと住所あったんやなぁ」
火鉢の傍までやってきて荷物を解き始めると、新聞紙が出てきます。
新聞紙を解いてみると、中から出てきたのは狸の像でした。
「なんで狸の像やねん。うちはこんなん頼んでないで?」
くるりくるりと回してみるけど、まったく覚えはありません。
そんなEruの手がピタリと止まり、視線が一点に集中します。
「ん、これ……『Liliana』?」
さっき見つけたご神体を手元に引き寄せ、二つを見比べてみます。
「『Erurina』『Liliana』……なんか似たような掘り方やなぁ」
チクリ、と。何かが頭の隅をつつきます。
……女の子、二人?
「なんやこれ、誰や……?」
遠い昔に見たような木造の建物が並ぶ街並み。
その中に聳える、古い石造りの教会。
その教会で、二人の女の子が喋っています。
「あれぇ、片っぽの娘……なんやうちに似とる、なぁ……」
コトン。
社の中に狸の像が落ちた音が響き渡ります。
かさりと、床に放られた新聞紙が音を立てます。
『5人が犠牲になったロンドン大火(A.C.1666)の謎に迫る――』
誰も居なくなった狐の社でパチリと、炭が爆ぜました。
近くて遠い何処かで、ゴーンと鐘の鳴りました。
===
「ねぇEru。今日はとってもいい天気だわ。 なんだかいい事がありそうね」
「そうねLiliy。焼き立てのパンがとっても美味しそうだわ」
両手にパンを抱えた女の子達。
木造の建物が並び、石造りの道が続く街並みを歩いていきます。
「ねえ、Liliy。今日の夕ご飯は何だと思う?」
「そうね、Eru。シスターが最近思いついたウナギのゼリー寄せじゃなければなんでもいいわ」
二人は顔を見合わせてベーっと舌を出して笑います。
そんな少女たちを町の人達は微笑ましそうに見ています。
近くて遠い何処かで、ゴーンと鐘が鳴りました。。
「あら、もう2つめの鐘が鳴ってしまったわ」
「まあ、早く戻らないとシスターマリアに怒られてしまうわ」
パタパタと、女の子達が駆け出します。
そんな二人を乾いて少し冷たい秋風が、するりと撫でてゆきました。
・・
木造の家が立ち並ぶここは、17世紀のロンドン。
何も知らない少女たちがロンドンの町を駆けていきました。
これは、既に終わった物語。
けれど、これから始まる物語。
いつも違う人々と、時間と、街並みで語られる物語。
さあ、どうしますか?
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