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2018年03月21日14:02

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共犯者たち

ファンを亡くした気持ち
https://ameblo.jp/arisakaemi/entry-12361647182.html

ライブアーティストとファン、特にアーティストの固定客がさほど多くなく、アーティスト側がその固定ファンを認識できる、というくらいの規模だと、その関係性がかなり難しくて。
本当は、ファンからアーティストへの一方通行の想いでしかなくて、その代わりにファンの側は好きでなくなったり、あるいは憑きものが落ちたりしたら無言で離れることができる。でも、永年好きで、ずっとライブとかに通っていて、アーティスト側もある程度そのファンを認識できるくらいの関係性ができてしまうくらいに「常連さん」になってしまうと。うーむ。法的関係みたいなモノとかは一切ないから「家族」や「夫婦」じゃないけど、いやまぁそもそもそれにそこまで深い関係ではないんだけど、なにかしらの「運命共同体」的な、というか、「共犯」的な関係ができてしまう。
こういう関係性を金銭的に換算するのはちょっといけないとは思うんだけど、でも小規模とはいえ一定の動員が見込める存在がいると言うことは、アーティストにとっては活動を続けていける裏付けになるし、ファンにとってはその先のライブや作品を期待できることになる。焼き畑農業的な目先の商売でなく、持ちつ持たれつな、うん、やっぱり「共犯」だなぁ。すみません、私たちが共謀してやりました、こんな楽しいことを(笑)

で。正直に書いてしまうと。あたしは、何かを見に行くときに、そういう関係性を持つということが、実は苦手だった。そういう関係性が嫌い、というのではないんだけど、さっき書いたみたいに、そういう関係性ができてしまうと、自分に心変わりが起きたときに、簡単に離れられなくなってしまうから。例えると、飲食店の常連になって、何も言わなくてもいつものメニューが出てくるのは快感ではあるけれど、それよりはその時に好きなメニューを選ぶことのできる自由がうれしい。
あー、みとせのりこさんに「なんかいつも、周りから距離を取っている印象があった」といわれたことがあったなそういえば。うん。その印象は間違いなくて、キルシェやみとせのりこの音楽は、自分の今まで好きだった音楽の系統とはちょっと違っていて、これは自分の趣味が変わったのか、単に一時の気まぐれなのかが、長いこと自分でも分からなくて、いざ一時の嗜好だったとして離れようとして、その時に関係性ができていると、みとせさんがそう思わなくても自分側にやっぱり負担ができてしまうからなーと。割と今までそうだったし、ここまでは基本的にホール規模以上でやる人たちを聴くことが多く、そもそもそういう関係性を作るなんて事もなかったので、そういう心配をすることはなかった。万一そういうことになったとして、うっかり勘違いをしてしまって「俺、○○さんと顔見知りなんだぜ」というのを、いくら戒めていてもうっかりやってしまうのも恐かったし。
(ものすごーく厳密にいうと、パソコン通信時代に有名な方と知り合いになったり、知り合った人が有名になったりしたことはあったんだけど、それはあくまである程度匿名的なフラットな環境で知り合っただけの普通のお友達、という認識ではいたつもりなんだけど、それでもうっかりやりそうになることがままあった(,,゚Д゚))

それでも。そこまで分かっていてそれでも「その先の一歩」を踏み出してしまうのは。ひとえに、そのアーティストがファンに見せる「誠意」のおかげだと思っている。

落語会を終わった後、疲れているであろうに送り出しをしてくださる、あるいは入場時のチケットのもぎりまでして迎えてくださる。それも小ホールくらいならその人の名前で客席を埋めることができる真打ちの人でも。
あるいは、3時間のライブが終わった後、長い行列を作るファンに嫌な顔一つ、疲れた顔一つ見せずにサインや写真撮影に応じる。
もちろん、それも「仕事」(あえてカッコ付きにしている点にご留意を)なのかも知れないし、「当たり前のこと」という認識なのかも知れないけど。
別に、本編終わったら客前にでないというのも美学ではあると思うし、お招きしたスポンサーや親しい人との応対が優先で何一つおかしいとも思わないけど。

とはいえ、そうやって「ファンへの誠意」を見せてもらったら、そりゃあファンとしては、その「誠意」に応えるしかないじゃないですか。決して義理でも恩着せがましくでもなく、ある意味「すみません、一方的に好きになってしまった」なのがファンなのに、それにこんな誠意を見せてもらったら、なにかをお返ししないといけないじゃないですか。たとえそれがそのアーティスト本人に対してでなかったとしても。

有坂愛海さん。普段のライブ活動とかいろいろは存じないけど。
今回、常連のファンが来なくなったのが気になって調べて、その結果として追悼ライブをするから素晴らしいわけじゃなくて(いや素晴らしいんだけど)。
どういう形だったのかは分からないけど、きっと普段から、そうやってファンに対して「誠意」を示していたんだろうというのは、そのエピソードから容易に推察できるし、だからこそこの亡くなったファンは、足かけ10年、ずっとライブに来ていたんだと思う。

共犯者。
すみません、私たちが共謀してやりました、こんな楽しい、素晴らしいことを。

追悼ライブ。きっと盛り上がるだろうなぁ。普段と同じように。
初台のDoors。あそこ2階席があるんだよなぁ。もう肉体はないから、きっと運営が用意する最前列の席でいつも通り盛り上がるのとは別に、2階席でライブ全体をそっと見ていそうだなぁ。そんな素敵なライブ、最前列で盛り上がりたいだろうし、そのライブ全体を俯瞰してみてみたいだろうし。
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