ゲームではセーフ、リアルは…？

満員電車のすし詰めの中、
やっぱ、スマホ見てるのが唯一の気分転換。
ただ、集中しすぎは…ね。

神戸住吉から、大阪までは快速で19分。
新大阪まででも、23分だ。
決して遠いわけではない。

しかし、やっぱ朝7時台後半だと、ゆったり座ってなど夢幻である。
住吉は学生がかなりの数降りるのだが、それでもまだ人多すぎ状態は変わらず。
ほとんど開かない左側扉の前や扉脇の手すりのあるスペースが空いていればラッキーで、
ひどい場合じゃつり革すらつかめない状況もある。

こういう時は、スマホでも出してニュース見たり、本読んだりする。
ソシャゲやんないのって？
確かにやるけど、朝はしない。
だって、集中力切れちゃうでしょ。
決して、朝に対人戦やると敵のレベルが半端なく高いから匙を投げたってわけじゃないよ…

最近、歴史群像新書の本を読みふけっている。
主に歴史ものだが、史実ではなく、あの時こうしていたら…という仮定で
歴史が変わるのか、シュミレーションした小説だ。

これが結構面白い。
まあ、歴史上の英雄が結構なワルにされてたりするのに
違和感を感じなくはないが。

今日もまた、その続きを読む。
幸い、扉前スペースが空いてたので、ゆったりもたれかかってられる。

すると、その目の前の席に座り、パワプロをスマホでやってる男性が見えた。
見ると、結構な差で負けている。
こりゃダメかな…

他人のスマホをガン見する趣味はないので、目線を本に戻す。
一区切り付き、電車も淀川を渡っている。
もうすぐ新大阪か…

スマホをしまい、降りる準備してると…
さっきの男性、相変わらずパワプロしてるが、鼻息が荒い。
なんと、一打逆転の所まで追いついていたのだ。

そして、大チャンスのせいかスマホに夢中である。
もう電車はホームに入っている。

ドアが開く間際、バッターが打ち、結果はヒットのようだ。
逆転したんや…と思いつつ、俺は扉の外へ。

新大阪駅では、短時間しか電車は停まらない。
笛が鳴り、ドアが閉まる。

何気なくドアを見ると…さっきの男性、大慌てで出ようとしてたが
間に合わず、閉められてしまったようだ。

ちょっとでもスマホから目を離せば気づいただろうに…
ソシャゲにしても、今やらないとスマホが逃げるわけじゃないんだから…

ゲームではセーフで大逆転だったかもしれんけど、
リアルは三振した挙句振り逃げ失敗ってとこか。
しょうがないから次の茨木から戻ってきな。
始業時間によっては完全に遅刻だろうけど…

「アウトォ〜〜！！」
走り去る快速に向かって、親指を立てる俺であった。