MU「このBARを教会だと思ってる」観劇（@下北沢駅前劇場）

先日の日曜日2月25日（日）は、応援している舞台女優の福永マリカさんが出演するお芝居を観に、下北沢（駅前劇場）に行ってきました。劇団MU（ムー）の「このBARを教会だと思ってる」という作品です。


福永さんがいつもどおり素敵だっただけでなく、作品として非常に僕好みで面白かったのが、思いがけず収穫でした。



登場人物の多くが、一見まともな人だけど心に闇というか、業というかを抱えています。

本作は全4章の短編からなる連作なのですが、
例えば、第2章に登場する帰宅拒否組の4人組男性客。
例えば、第2章で、帰宅拒否組にマスコット扱いされるバイトの美嘉ちゃん。
例えば、第1章、第3章で、ユリカ（福永さん）の探偵利用を非難する聖子。
例えば、第3章で、お金のために身を滅ぼすユリカ。

特に、美嘉ちゃんは帰宅拒否組を、聖子はユリカを非難しておきながら、自分自身もどうしようもない業を抱えてしまっているところが、どうにも人間っぽくていいなぁ。

自分もそうだけど、人間って、そういう風に愚かで情けない存在だよなぁって、改めて思わされました。ホント描き方が上手いです。



こう書くと凄く生真面目で難しいお話しに思われてしまいそうですが、実際は、ギャグありウィットありで、笑いどころ一杯の作品です。そちら方面もすごく楽しかった。

特に、帰宅拒否組が最後に、各自がネコババした品を取り出すシーンは大爆笑でした。そりゃ、好きな女の子の持ち物が落ちてたら、拾っちゃうよね^^;



MUの主宰で作家の、ハセガワアユムさんはすごく才能のある方に思えます。まだ時期や内容は未定のようですが、MUの次回作にも注目しようとと思います。



また、ご本人の魅力と、ハセガワさんの脚本・演出がそう見せる力の両方だと思いますが、素敵な客演の女優さんが何人もいらっしゃいました。また何処かで彼女らのお芝居も観られるといいなぁ。

聖子役の志賀聖子さん。生真面目で大人しい女性を思わせる風貌で、泣きながらえげつないエロ話を告解する役。そのギャップにぶん殴られました。

美嘉役の森口美香さん。本当に小動物の様に可愛らしかった。こんな子がバイトしているBARなら、帰宅拒否組でなくとも通いたい。

千里役の温井美里さん。メイドのコスプレが似合う可愛い女性。彼氏の岡を無自覚ながら残酷にこき下ろすSっぷりも可愛い。



終演後は、台本付きフォトブックの注文をして、MUの俳優の成川さん、福永さん、MUの主宰のハセガワさんとお話しして来ました。福永さんには、図々しくも、写真とサインまでお願いして。
後日完成する台本付きフォトブック、届くのが楽しみです。