ニジンスキー、日本公演では演出に結構改訂が入っていました。日本公演の前に上演されたのはバーデンバーデン、そのときすでに改訂されていたのか、今回が初だったのかは分かりませんが、ジョンも記者会見や公演プログラムの中でそのことに触れています。改訂内容について気づいた部分を書いてみたいと思います(マニアックですみません)。その後、今回の公演の音源リストを自分のメモのために載せておきます。
あくまで私の記憶によるものなので、思い違いや見落としがあると思います。お気づきの方、ぜひ教えてください!
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◆第一幕
・金の奴隷とロモラが踊るシーン、下手側にも観客がいる(前は上手だけだったような・・・)。
・更にこのシーンで、ロイド演じる新聞記者がディアギレフにインタビューをしている。これは前はなかったはず。
・一幕最後のスヴレッタ・ハウスに兵士が混じっていて、ニジンスキーの膝に倒れ込む。そのニジンスキーを母が優しく後ろから抱きしめる。
◆第二幕
・ニジンスキーの内面世界。ペトルーシュカが登場するシーン、繋がって出てくる人の中に冒頭のスヴレッタ・ハウスの観客が混じっている。
・最後のシーン、ゲネプロと2/10は敢えてニジンスキーが椅子を巻き込んでいた(2/11は椅子の位置を失敗し、2/12はその演出自体をやめた様子)。
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特に第一幕では兵士の登場が多くなっていて、全体的に戦争の影が濃くなってみえるところがあり、これはノイマイヤーの反戦作品だと受け取った、という方もお見かけしました。確かに、ジョンが「日本の観客のために改訂した」といった背景はそういうところにあるのかもしれません。
ただ、2/12のニジンスキーからは、反戦メッセージよりも哲学的な印象が強かった、というのが個人的な印象でした。これは演じ手の解釈が反映されてのことだと思いますが。
本拠地ハンブルクでは通常、この作品も生オケで上演されます(DVD収録のときは別)。今回は録音音源で残念だなぁと思いましたが、その分オケピを潰して前方までステージを使う超迫力のパフォーマンスだったのはよかったな。あと、音質自体も悪くなかったと思いました。音源、確認する術がないのですが、おそらくDVD撮影のときと同じだとすると、下記のとおりです。
「前奏曲 ハ短調 作品28 第20」
ショパン:作曲
オンドジェイ・ルッチェンコ
「ウィーンの謝肉祭の道化」
シューマン:作曲
オンドジェイ・ルッチェンコ
「交響組曲「シェエラザード」から」
リムスキー・コルサコフ:作曲
(バイオリン)レオン・シュピーラー、(管弦楽)ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、(指揮)ロリン・マゼール
<Deutsche Grammophon 445 559−2>
「ビオラ・ソナタ 作品147から」
ショスタコーヴィチ:作曲
(ビオラ)タベア・ツィンマーマン、(ピアノ)ハルトムート・ヘル
<EMI CDC 7 54394 2>
「交響曲 第11番 ト短調 作品103「1905年」」
ショスタコーヴィチ:作曲
(管弦楽)ナショナル交響楽団、(指揮)ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ
<Teldec Classics 9031−76262−2>
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