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2018年02月16日23:14

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「無筆重宝国尽案内」

 ネットオークションで『日本古絵図集成』を入手しました。

 古絵図の複製がたくさん入っています。みなバラで、綴じてはありません。日光東照宮の絵図とか、善光寺の絵図とか、奈良名所絵図など、社寺や特定地域の絵図が多く、広域地図はほとんどありません。

 そんな中で、「無筆重宝国尽案内」という日本全図があります。

 標題からいえば、文字を知らない人のための国名図ということになりましょうが、実際はどうなのでしょうね。遊びとしての判じ絵のような気がします。

 2枚目は大和付近。

 中央やや左は矢が的にあたっているので「や+まと」ですね。その右側は井戸と背中で「い+せ」。伊勢の右下は縞柄の布で「しま」。大和と伊勢との中間上方は井戸と蚊で「いが」。「か」の清濁は問わないようです。

 大和の左下は紀伊です。「紀伊」と書いても「き」と読んだと思われますが、絵では木と井戸とが描かれているので、「き+い」となりましょう。興味深いです。

 3枚目は、右上の越後から左下の美濃のあたり。

 絵と乳と碁石で「え+ち+ご」。碁石の数は5(ご)です。(^_^) その左は絵とネズミで、「え+ちう」。ネズミの鳴き声を使っています。その左は蚊の群が2つで「か+が」。下の蚊の群には濁点が付いていて「が」であることを明示しています。その下の飛騨も「た」には濁点が付いていて濁音であることを明示しています。

 興味深いのはその右です。信濃であるべきところ。お雛様と野原ですね。これでは「しな+の」ではなくて「ひな+の」になってしまいます。これを書いた人は「ひ」と「し」の区別が付かない江戸っ子なのでしょうか?(^_^)

 楽しいです。

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